見出し画像

NY州医師免許取得までの手続き

USMLEに関する情報は本当に多くなってきましたが、米国における医師免許の申請に関してはあまり記事がみられませんので、ここではニューヨーク州医師免許申請の手順を書き留めておきます。
かなり個人情報が含まれるものになりますので、この記事は途中から有料記事にさせていただきます。
アメリカの医師免許は、まず各州で異なります。

医師免許の申請は日本と違いDepartment of Educationから行います。日本は厚生労働省ではないでしょうか。そもそも日本で医師免許の申請をした記憶がありません、昔のことすぎて。

NY Stateの医師免許の申請にはおおまかに3通りあります。
1:米国/カナダの医学部を卒業してUSMLEを全てpassしてかつ米国でResidencyを終えている人→アメリカ人の王道のコースで、通常2−3週間で発行されるそうです。
2:米国/カナダ以外の医学部を卒業し、かつUSMLEに全て合格しているけどResidencyをしていない人→日本の医学部を卒業し、USMLEを取得して米国で働こうという若い人はこれになるでしょう。
3:米国/カナダ以外の医学部を卒業し、かつUSMLE step1-3をクリアはしていないけど、臨床経験が十分にあると州の教育委員会が認めた場合→実はこういった抜け道も存在します。

今回はこの3の経路について説明します。

まず、NY州医師免許申請に至るまでの経緯についてお話しします。
あらかじめお断りしておきますが、この記事の経緯に沿ってapplyしたからといって、NY州の医師免許が取得できることを保証しているのではありません。
この記事を見て、NY州の免許は簡単だとは思わないでください。私が知る限り、NY州の医師免許はCA,FLに並んで米国でも非常にハードルが高いと聞いております。逆にハードルが低い州もたくさんあるそうです。

私はとある大学から外科医としての仕事のオファーを受けました。医師免許を取得することが条件でしたが、その大学は、USMLEを受けなくても医師免許が取れる可能性があるので弁護士と面談をしたらどうかと提案してくれました。
約1時間、紹介された弁護士さんとZoomで面談し、自分の経歴等について説明しました。待つこと1週間、書面で丁寧な返信が来ました。NY州の医師免許申請の手順にコメントが添えられていました。その弁護士さんはNY州の教育委員会(日本の医師免許は厚生省ですが、アメリカの医師免許は各州の教育委員会が医師免許を発行します)とコネクションがあり、私の経歴について打診してくださった結果、USMLEなしでも免許は交付されるだろうと言われたというのです。
大変ショックだったのは、弁護士さんと面談した時点ですでにUSMLE Step1, Step2 CKに関しては合格していました。いままでの努力はなんだったのかと。

それはさておき、私の経歴は、4年間外科研修医、4年間大学で研究生、その後常勤の勤務医として5年勤務、2年半留学(リサーチ)、帰国して5年間外科医として臨床をしました。その後再び渡米して今に至ります。
これをアメリカ的な経歴に変換すると、
Residency 4 years
Fellowship 4 years
Research 2.5Years
Independent clinician 10 years
となるようです。
NY州の医師免許の規定は、最低3年間のresidencyと記載されていますが、米国/カナダ以外でのresidencyの場合、その倍の6年間のトレーニングが必須、とうちうちで決まっているそうです。私の場合、4年間の研修医だけでは不十分だったわけですが、その後の研究生としての期間をトレーニング期間としてカウントすることでこの条件をクリアできました。
このNY州の医師免許に関する規定は、ちゃんとネット上に公開されていて、必要な書類も全てネットから入手できます。
弁護士さんは今回必要な書類について指示をくださいましたが、実際に手続きを始めると、書類の様式が変更されていたり、小さな規定が変わっていました。なので、自分で確認しながら対応しました。(弁護士さんも書類の作成に関しては自分でやってねということでした)なので、私の場合、医師免許の申請は全て自分でしました。では、何をしたか、一から順に説明して行きます。

まず初めにやるべき事は、FSMBのアカウントを作ってFVCSのcertificationを得る事です。ここから全てが始まります。

随分と前の話になってしまいましたが、私の場合、applicationを申し込んでからcertifiedされるまでにちょうど3ヶ月かかりました。
このステップはUSMLEを受験するときの作業とよく似ています。医学部を卒業していることをこの組織が再度確認をし、そして自分の意思で米国のライセンスを取得しようとしていることをノータリーを通じて宣誓します。
このFCVSのやっていることは、簡単に言うと申請者の医学部卒業の詳細を、州に変わって卒業大学に問い合わせて確認すると言うものです。それだけの事なんですが、ガッツリお金取られます。
なお、近い将来USMLE, FSMB, FCVS等の組織が統合されるという話です。なので、このステップは将来簡略化されるかもしれません。

以下は有料にする予定です。ご了承ください。



いいなと思ったら応援しよう!