20220112:711号室の回:関与
わたしは環を持つ土塊の星の
ストュスアイ王国セトフォルドに建つ集合住宅の711号室。
記憶と意思を持つ。
確かにわたしには部屋の中の生き物を、
追い出したり閉じ込めたりする能力があるが、
しかし、
誓って此度の後のグロリアス留置には関与していない。
今日はマリエラセス暦3897年1月9日赤曜日。
今のグロリアスは、
模範的患者を継続している。
病院食は、
魚卵の米粥と、
加熱調理された緑黄色野菜とに変更された。
後のグロリアスは、
依然として出られぬ寝室に有る今のグロリアスの蔵書を読み耽っている。
同じ頃の己の蔵書と、
微妙に異なる事に気付いてから夢中だ。
刀畿は、
後のグロリアスが読書に熱中し始めた事を知ると、
安堵してグロリアスの装備を担いで訓練に出掛けた。
そして、最初の違和感の原因に気付いた。
連係魔法符が、復活の魔法符に替わっていたのだ。
何時からか隊員達が
復活魔法を必要としない程に優秀になっていた為に、
これまで気付かなかったという訳だ。
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スペインはグラナダへの長期取材を夢見ております。