20220117☆:刀畿(とき)の回:写真
生まれて初めて目にするカラフルな写し絵が、
ポンコツ端末と共に、
扉の下の隙間に置かれていた。
先日ダーザインのエージェントが届けに来た
手紙の中に入ってたらしい。
爺グロリアスの帰るべき部隊の仲間らしい。
写真に色を付けた(モノクロ写真がデフォルト)のか、
あっちでは色もそのまま写し撮れるのか、
どっちにせよ、
これが俺様の見届ける事のできない将来のグロリアスの姿。
赤目を気にして常時下ろしていた長い前髪を、
邪魔くせぇから切るか括るかしろと俺様が幾度も云った
長い前髪を括ってる!
誰も見たことの無い
リラックスした微笑みまで浮かべてる!
きっと我が最後の士官のほうのグロリアスも、
何時の日か、
下らねぇ事を下らねぇと気付いて、
気にしなくなれるんだろ。
安心した。
「爺グロリアスへ
良い写真だな!
実に良い絵だ。
そっちの俺様はお前様のその姿を見届けられたか?
俺様には無理だから、めちゃんこ嬉しい。
子も持ったのか。
同じだった残酷な性質も変わるのか。
良かった! ほんッとうに良かった!
来月安心して逝けるってもんだ。
ありがとうな!
お前様の友でも在る刀畿より」
3897年1月14日白曜日、上之城刀畿:記。
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