884.20240511:ランの回:貝のクリーム煮
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久幸と凌司のお話
話中の万禮一家は、 メンバーシップ「夢了の皿」会員の万禮様のオリジナル・キャラクターで 設定その他は会員様御本人と話し合っております。
711号室出演者≒メンバーシップ会員様は常時募集中です♡
万禮様の偶さか日記も併せてお読みいただくと解像度とエモさが跳満です。
711号室
主な登場人物
本編
昨日は肝が冷えたよ。
採血があるから
帰りは無理をさせないでくださいって
プリントに書いてあったんだけどね。
泰市がぴゅーっと
商店街に走って行ったからね。
お店まで数十歩の処で
泰市が立ち止まったと思ったら
ゆらゆらってゆっくり揺れて、
一緒に走って行った真弓さんが
泰市を抱きとめてくれたから
泰市は頭を打たずに済んだ。
獣医に電話して訊いたら、
起きるまで寝かせておいて
お腹が減ったら
食べたがる物を与えてくださいって。
商店街で泰市が向かった先は
貝のクリーム煮がお気に入りの惣菜店だった。
貝には鉄分が豊富に含まれてるから
貧血にも効くでしょ?
華代に買い物を頼んで、
ランは泰市を抱いて先に帰ったんだ。
泰市は今朝、
普通の時間に起きて
クリーム煮を見つけて大喜びしたから、
みんなで揃ってホッとしてた。
朝食後には泰市の耳の
血の気が戻ってて
泰市が学校に行きたがったから、
ランが泰市を学校に連れて行って
先生に顛末を報告した。
毎年1人2人はそういう子がいるんだって。
自分の体が欲しがってる物が
ちゃんと分かる事はとても良い事なので
笑ったり叱ったりしないようにって。
子どもは走るものなので
誰かしらは一緒について走れるようにって。
冗談かと思ったけど
本気みたいだった。
そうか、子どもは走るもの……
そして、子どもが走る事を
止めちゃいけないっぽい?
マリエラセス暦3905年7月5日黒曜日25時04分
(この星の一日は26時間)
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