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20220102:711号室の回:感知

711号室

わたしはを持つ土塊つちくれの星の

ストュスアイ王国セトフォルドに建つ集合住宅の711号室。

記憶と意思を持つ。


今日はマリエラセス暦3896年12月28日こく曜日。


今の・・グロリアスは、

日中5時間おきに滋養強壮作用の強い魚卵のパン粥を食べさせられては、

食後に鎮静作用の強い薬草茶を飲まされて眠らされている。

刀畿ときは、

看護精霊達の負担を減らすべく病室に留め置かれている。

後の・・グロリアスは、

わたしの存在を感知したようで、

楽し気に生まれ故郷と此処を幾度か往復しては見たものを語り、

刀畿へ短いふみをしたためた。


「かけがえのない友であり、最も頼れる下士官である刀畿へ。


ありがとう。

助かったよ。

大人気無おとなげな悪戯いたずらするつもりで向かった叔父おじの部屋で、

見慣れぬ聖霊せいれいとぴったり目が合って飛び上がったよ。

君の言う通り裁判関係の聖霊だった。

やしきには近寄らないよう命じられたよ。

ではまた。(たぶん。)


     享年不明グロリアスより」

以上が全文だ。


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