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20211222:グロリアスの回:肉体
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マリエラセス暦3896年12月17日赤曜日、
C'mon諭の皆が居る世界はグレゴリオ暦2021年12月22日水曜日、
訓練のさなかで激しい頭痛に見舞われ、
気付くと見知らぬ天井を仰いでいた。
今度こそ本当に私は私の若い肉体に憑いてしまったのだ。
ほんの数分だったが。
肉体の持つ痛みに、
私はそれまで肉体を持っていなかった事に気付かされたのだ。
つい先週ナリスにせがまれて私が音読し、
チカッツが夢中になっていた絵本を思い出す。
キーワードは、幽霊と並行世界と過去の過ち。
過去におかした過ちが心残りとなって
聖霊になれなかった魂が並行世界で
ただ一人からたった一言を得る為に身を粉にする物語だ。
今の私に当て嵌めるならば、
私は刀畿に心残りが無ければならないが、
生憎我々は十二分に親しみ、
悔い残らぬ月日を過ごした。
ならば、
この私に此処に来る理由が無い以上は、
此処の私に経験豊富になった私が喚ばれた、
違うだろうか?
刀畿と話す方法を思い付いたので試してみる。
我々は些細な事もよく相談し合ったものだった。
こののんびり屋の端末は通信ではなく、
筆談に用いれば良い仕事をするだろう。
明朝が楽しみだ。
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