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20220108:711号室の回:傍聴

711号室

わたしはを持つ土塊つちくれの星の

ストュスアイ王国セトフォルドに建つ集合住宅の711号室。

記憶と意思を持つ。


今日はマリエラセス暦3897年1月5日黄曜日、

今の・・グロリアスは、

大人しく養生ようじょうし、

主治医と看護精霊に笑顔を向けられるまでの模範的患者となった。

口当たりや風味の悪さで悪名高い魚卵のパン・・粥が

粥に変更される日も近かろう。

刀畿は、

グロリアス・ワイズ殺人未遂事件の量刑審議会を傍聴ぼうちょうに行った。

量刑審議会とは、

警察関係職や裁判関係職の二足歩行種族と神々や聖霊が

被告人と傍聴人の目前で、

――情状酌量じょうじょうしゃくりょうの余地が在る等、長い時は数日を費やして――

刑の量定を審議する場だ。

希望者は傍聴できる。

後の・・グロリアスは、

鉢植えの薔薇ばらの手入れをしてから、

ストュスアイ王立植物図書館へ出掛けた。

効率良くこの世界の薔薇の種類を調べるそうだ。

でーたべーすというものと、

ひかりつうしんというものが有れば、

一発・・なんだけどなぁと苦笑しながら。


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