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20220127:刀畿(とき)の回:善なる狂人

刀畿(とき)

「爺グロリアスへ


こっちのグロリアスにも同じ心配があるから

法律家に訊いてきた。


グロリアス・ワイズの名は、

界狭間越えその手の法律家の中で超有名人だそうだぞ!

他の十数名と一緒に、

参考書に五年位前から載ってるそうだ。

見せてもらった。

お前様達は、

『界狭間を自在に越えられる大層稀有な能力を有しながら、

薔薇の収集にのみ徹しているから

問題を起こすまでは好きにさせておくべしと

警察関係職の書類に記されている』ってよ!!

会った法律家が

『信じられない程の善人であるが、

ある意味、有り得ない程の狂人である』って言って

頭を振ってたから、

霊魂の爺の方は間違いなく善人になってたって肯定しといた。


大体、魔術に必要な材料の八割は

お前様達みたいな界狭間を越えられる連中が

他の星から仕入れてる訳だが、

皆、それだけで喰って行ける程度の利益を得てるだろ。

法外な対価を求めさえしなければ、

外つ星の物での商売は許されるんだそうだぞ。

外つ星から界狭間にこの星へ連れてこられて

帰れなくなった者の為もあるんだと。


界狭間の暴挙は不定期に起きてるらしい。

お前様のように翻弄されてる者がこの半年は頓に多いらしい。

界狭間に犯罪者のような意識は無いからか、

人目が有ろうと無かろうと、

攫うときは攫ってくってのが幸いして

立件されているんだそうだ。

目の前で誰かが消えて通報しない奴はいねぇもんナ。

そういう事で、

界狭間の怪については、

大規模に調査が始まってるそうだから、

大船に乗った気持ちで居たら良いサ。


     お前様の友でも在る刀畿より」


3897年1月24日せい曜日、上之城刀畿:記。


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嘉又夢了(かまた・むりょう)
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