20211215：711号室の回：住人
（ベランダにある自慢の藤棚の写し絵）
わたしは環を持つ土塊の星の
ストュスアイ王国セトフォルドに建つ集合住宅の７１１号室。
記憶と意思を持つ。
昨日、歳経た魂で舞い戻った彼はグロリアス・ワイズ。
タングール連合王国の
コウドュク王国・ヒュウグス帝国・マリエラセス連邦との
辺境の地リヴィールを預かるワイズ家の嫡子。
マリエラセス暦３８９６年前後に
下士官である蝙蝠獣人の上之城刀畿と
此処で暮らした。
今日はマリエラセス暦３８９６年１２月１０日赤曜日。
刀畿は存命だ。
昨夜は今のグロリアスの入院した病室に泊まっただけだ。
だが、後のグロリアスは今朝帰宅した刀畿に気付かなかった。
午後、二人は当然のように部隊を率いてばーすせいばーとしての職務を全うしてきた。
刀畿はグロリアスの存在に気付いているが、待っているようだ。
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