20211217:グロリアスの回:カレンダー
グレゴリオ暦2021年12月17日金曜日、
マリエラセス暦3896年12月12日緑曜日、らしい。
ベランダへの扉のカレンダーの日付に、下線が書き入れられていた。
刀畿の日課だ。
刀畿と私は毎夜22時頃まで談笑し、
その後私は自室の寝台で、
刀畿はバルコニーの藤棚で、
それぞれ休み、
出動前は10時に起きて、
刀畿は扉のカレンダーへ印を残してから台所へ入る。
一般的な蝙蝠獣人とは逆の生活だから、
「こうしないとぴんとこない」のだそうだ。
何故この事を忘れていたのか、
また、
バースセイバーとしての職務を果たす為の界狭間越えはできるのに
何故此処以外へは戻れぬのか、
これ等についての考察は一度棚上げする事とする。
最優先で解決すべきは、己に刀畿を認識させる事だからだ。
隊員達の困惑の原因は偏に、
私の私に視えぬ刀畿への振る舞い、
乃ち、彼らの眼に、
私が刀畿を大人気無く無視しているように視えていた事にあったのだ。
何故だ?
何故、私のかけがえのない友を、
何故、私だけが認識できないのだ?
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