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206.20220705:トゥの回:加護過敏
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目覚めると
加護過敏になっていた。
昼過ぎまでは楽しんで
手当たり次第に
ランに付いてきてもらって
幻のありかを
探し当てて回っていたけれど、
とうとう昼食後に
トゥはオーバーヒートして寝込んでしまった。
こんな事は初めて。
魔法を使った訳ではないので
魔力切れではなく、
あれきしの運動量ではバテないので
体力切れでもない。
ぐるぐる眩暈がして
ごうんごうん耳鳴りがするから
身体を縦にしておけない。
ちぇー。
とても楽しかったのに。
引っ越し当初ランの寝室にしていた部屋で
見つけた残らなかったもの一つは、
十輝氏ではない方のグロリアス氏の鼻歌。
何の歌かは分からなかったけれど
何かの歌に乗せて
十輝氏と話したかったなぁ♪と。
ランも知らない旋律だった。
彼等の国の流行り歌だったのかも。
絶えずの藤で見つけたのは、
おくれるおくれるおくれるるるる~♪
贈り物は送っても良いが♪
遅れちゃだめだろろろろろん♪
これは綴り歌だそうで
ランも小さい時に歌ったそう。
711号室の玄関を出て
アパートの階段を降りて
管理人室の扉の前で見つけたのは、
幻と謳われる銘酒だった。
誰かが留守の管理人氏へ贈ったよう。
アパートを出て数分歩いて
草むらの陰で見つけたのは、
脚も鱗も毛も目も無い
ぬらぬら光る焦げ茶色の生き物だった。
何やら弱っていたので、
駐在氏を呼んで
報告がてら相談したら
役人がすっ飛んできて
大層感謝された。
幻のナントカだそうで、
絶滅危惧生物保存園に送って
手厚く看病するそうだ。
報奨金をもらった。
最後に魔茸の気配がしたから
探したのだけれど、
どうにも耐えられない程に
具合が悪くなってしまったので
駐在さんに一応報告してから
帰宅したという次第。
魔鳥より先に見つけられると良いけど。
マリエラセス暦3903年7月15日白曜日24時00分。
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