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情報の洪水の中に、“余白”をつくる【#8:「#私のタイムライン」】

チーム長谷川メンバーが、毎月異なるテーマでマガジンを更新する「言葉を共有していく感覚」。至極パーソナルな話をしながら、メンバーを相互に理解しあうことが主な運用目的です。そして、今月のテーマは「 #私のタイムライン 」。Twitterでフォローし、発言に影響を受けているユーザーを紹介しあいます。

はじめに言っておくと、この記事、前置きがけっこう長いです。けど、本題よりも前置きのほうが言いたいことだったりするので、お付き合いいただけると嬉しいです。


Twitterは有益な情報の洪水。だからこそ“余白”が欲しい

僕はあまりTwitterが得意ではありません。

編集やライティングを生業にしようとしている人間としてあまり褒められたことではないかもしれませんが、漠然とした苦手意識を抱いています。Twitterなんてくだらないとか、Twitterの空気が嫌いとか、Twitterで目立っている人が気に食わないとか、そんなことは微塵も思っていません。

じゃあなぜ苦手意識を抱いているのかというと、Twitterが有益すぎるからです。

多くの人がそうするように、僕も編集者・ライターの端くれの端くれとして、情報収集ツールのひとつとしてTwitterを使っています。そして思うのが、「Twitter、情報密度濃すぎない...?」ということです。

タイムラインを5秒間スクロールするだけで、業界の第一線をひた走るトップランナーのありがたいツイートが、湯水のように流れてくる。プロとしてのノウハウや、世の中の森羅万象への鋭い分析。さらには、処理しきれないほどの量の“必読”記事。

しかも困ったことに、ヒット率がかなり高い。そうした情報は大抵ほんとうに有益で、僕たちの世界の見方を多少なりとも変えてくれます。

完全無料で読めて、ページ数に終わりのない雑誌。フォローする人をちゃんと選べば、そこには有益な情報だけが流れてくる。そんな夢のようなツールが、Twitterなのです。


だけど、それには多少なりとも弊害もあります。

「忙しくて半日Twitter見てなかった...なんか有益な情報見逃しちゃったかも...」

「Twitterで見かけた面白そうな記事をEvernoteにクリップ。“あとで読む”のタグついてる記事、いま何記事たまってたっけ...」

そんな嬉しい不安・強迫観念が僕たちに襲い掛かります。そう、世の中に有益な情報多すぎ問題、“あとで読む”記事多すぎ問題です。


何度も言うように、Twitterはうまく使えば本当に有益な情報取集ツールになります。だから僕はTwitterがとても好きです。

だけど、実際問題疲れちゃいますよね。四六時中「有益な情報」の洪水に襲われ続けるのって。

人間の処理能力には限界があります。

あの聖徳太子でさえ、一度に10人までしか話を聴けなかった。10人“も”じゃなくて、10人“だけ”なんです。何百人、何千人ものツイートを日々追い続けている僕たちは、聖徳太子とは比べ物にならないほどの量の情報を処理しています。

そんなの、疲れて当然。人間だから。

だけど、事実問題Twitterにはたくさんの有益な情報が流れてきます。疲れるからといってこれを切り捨てるのももったいない

そこでおすすめなのが、タイムラインの中に“余白”をつくることです。

意味のある、有益な情報の洪水の中に、まったく意味のない情報を織り交ぜる。

息抜きタイムによってメリハリがついて、有益な情報に出会ったときの吸収度合いがアップするし、「意味のない情報もあるから、ちょっとぐらい見逃しても大丈夫」と心の余裕も生まれる。

Twitterを最大限活用するためにも、あえて意味のない情報を混ぜる。これってTwitterだけじゃなくて、まさしく情報の洪水である現代社会全般においていえる射程の広い話なんじゃないかなー、とか思ったり。

さて、前置きが長くなりましたが、ここからはフォローすると“余白”を生み出してくれるアカウントを3つご紹介します。

ここでポイントなのは、完全に意味のないことしか呟かないアカウントではなく、ちゃんと意味のあることも呟いてくれるアカウントを選ぶこと。有益な情報を発信している人が、たまーに全く意味のない呟きをしているからこそ、なんだかほっとするし和むのです。「あ、別に四六時中肩肘張ってなくていいんだ」と。

1. 千葉雅也さん(@masayachiba)

一人目は、哲学者の千葉雅也さん。昨年は著書『勉強の哲学』が大ヒットしたことで話題になりました。個人的には昨年読んだ本の中でナンバーワンの素晴らしい本でした。

千葉さんは哲学者なので、もちろん専門的な呟きもたくさんされています。

ただ、その傍ら、“余白”的な呟きも多いです。

なんだか安心します。言葉のリズムがとても心地良くて、何度でも眺めたくなります。ちなみに僕が個人的にかなり好きなのは以下の呟きです。まさにシンプルイズベスト。なぜだか頭から離れない、最強の“余白”。

2. 宇野常寛さん(@wakusei2nd)

僕が敬愛して止まない、評論家の宇野常寛さん。

宇野さんのオンラインサロンに所属している身でもあるので、ややポジショントークっぽくなってしまうのですが、宇野さんも安心感のある“余白”的呟きをすることに(僕の中で)定評があります。

上記の「おはようございます!」ツイートはほぼ毎朝観測できます。思わず「よし、今日も1日頑張ろう」という気持ちになってしまいます。

Instagramとの自動連携ツイートで語尾に意図せず「♡」がついてしまっているところも和みます。

3. ハマ・オカモトさん(@hama_okamoto)

最後はちょっと視点を変えて。

僕が大好きなベーシスト、ハマ・オカモトさんです。

彼はミュージシャンで、社会的な発言をするようなタイプでもなく、基本的にはライブやアルバムの告知をメインにTwitterを使っています。

そんな中、たまに、今気になっている音楽を紹介してくれます。そのキュレーションセンスが非常に優れているのです。自分が好きなミュージシャンが好きな音楽なので、もう好みのタイプの音楽しか出てきません。それでいて元から知っていた曲はほぼ出てこないので、これがまたワクワクを倍増させます。

音楽も情報だという捉え方もあると思うので、厳密には“余白”ではないかもしれませんが、いわゆる有益な情報とは一味違った良さがあります。好きなアーティストのTwitterアカウントをフォローしている方も多いとは思いますが、ハマ・オカモトさんのように曲を紹介してくれるアーティストのアカウントは、特に積極的にフォローされることをおすすめします。タイムライン上に素敵な“余白”がつくれます。


以上、長くなってしまいましたが「#私のタイムライン」でした。

次回は「ライティング・ミレニアルズ」初登場のイゲタさんです!

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