どの印刷所で作る? 文庫以外のカバー付き小説同人誌(1)
ここでは、下記の条件に当てはまる印刷所の中からいくつかご紹介します。
文庫サイズ以外のカバーを手がけている
小説向きの本文用紙を取り扱っている
10部以下から注文できる
条件に「文庫サイズ以外のカバー」と書きましたが、文庫サイズ以外のカバーを手がけている印刷所なら、たいてい文庫サイズも取り扱っていると思います。
では、どうしてあえて「文庫サイズ以外」と明記しているかというと、わたしがカバー付きのA5小説同人誌を作りたいと思ったとき、その体験談や作り方等について書かれたブログや記事をまったく見つけられなかったからです(泣)。
文庫サイズについてならブログも記事もたくさんありますが、A5やB6となるとめったに見つけられないんですよね。わたしの探し方がへたなだけかもしれませんが……(汗)。
そうでなくとも、わたしは同人誌作りに関し、超初心者だったので、カバー付きA5小説同人誌をどの印刷所に頼むか決めるのに、たいそう時間がかかりました。
手元にある同人誌はほとんどカバーなしだったし、唯一カバーがある本は文庫サイズだったので、参考にできなかったんですよね(泣)。
そこで、いろんな印刷所のウェブサイトを渡り歩いたところ、文庫サイズなら、多くの印刷所でカバー付きのお得なセット料金がもうけられているのですが、そのほかのサイズとなると、ガクッと減る印象を受けました。
つまり、文庫サイズ以外のカバー付きの本って、需要が少ないんでしょうね(泣)。
でも、数少ないながらも同志がいるかもしれないし、備忘録を兼ねて、A5やB6、新書など、文庫以外のサイズで、カバー付きの小説同人誌を作るのにおすすめの印刷所を紹介していきたいと思います。
まずは、わたしが利用したことのある印刷所から!
グラフィック
この印刷所には同人関連商品に特化した専用ページ、「コミグラ」が用意されています。
なので、コミグラを利用すれば同人誌の冊子も作れますが、わたし自身はコミグラを利用したことがありません。
基本情報
対応サイズ:カバーは基本的にどのサイズでもOK。冊子はA4、B5、A5など。文庫や新書、B6はなし(カバーはグラフィック、冊子はコミグラのみ)
カバーと冊子のセット料金:なし
最小部数:10部
小説向き本文用紙:淡クリームキンマリ 72.5kg(コミグラにて取り扱いあり)
メリット
PP加工しなくていいなら、料金が安い
背幅と折り込み幅にかなり余裕を持たせられる
合計金額が2000円以上なら送料は無料
デメリット
PP加工や折りスジ加工が標準装備されていない(サイズによってはオプションでできる)
自分でカバーを巻かないといけない
「折りスジ加工」は、印刷所によって、「スジ入れ加工」などとも呼ばれます。大半の印刷所では、表1側に折り線を1本入れて、本には巻かずに納品されます。
下の(カバーを折らずに広げた)図で説明すると、表1側の折り線とは赤い点線です。ここに折りスジが入ります。
メリットにも書きましたが、カバーにPP加工しなくていいなら、グラフィックがおすすめです。ただし、PP加工をオプションで付けるなら、そこまで割安感はなくなるかなと思います。
また、「A5の本を作りたいが、背幅や折り込み幅に余裕がほしい」という方にもおすすめです。
おたクラブや印刷通販ちょいのまも、割安料金でカバーが作れるんですけど、両社ともA5の本の場合、背幅が厚くなると折り込み幅に余裕がなくなります。
たとえばおたクラブの場合、背幅26~30mmなら、折り込み幅は60mmになります。
一方、グラフィックは「A4・3面(A3寸延~297×630mm)」を選べば、長辺が630mmもあるんで、好きなだけ長くできます。
ところで、グラフィックでカバーを注文する際、気をつけてほしいのは、「チラシ・フライヤー印刷」の「変型サイズ」を選択すること。
「え、チラシで大丈夫なの?」と不安になるかもしれませんが、「コート紙 135kg」や「マットコート紙 135kg」など、同人誌のブックカバーに使われている紙を選択できるのでご安心を。
サイズは、A5本のカバーなら「A4・3面(A3寸延~297×630mm)」、B6本なら「A3寸延(A3~305×450mm)」を選択すればいいと思いますが、背表紙の厚さによって、必ずしもそうだと言い切れません。自分が作るカバーのサイズをきちんと確認してから選択してくださいね。
ちなみに、「A4・3面(A3寸延~297×630mm)」には、オプションにPP加工が付いていません。ご注意ください。
カバーを注文する方法については、下のブログに詳細が書かれています。
上記のブログで紹介されているのは文庫カバーですが、それ以外のサイズを作る際にも参考になると思います。わたしもたいへんお世話になりました。
家に届いたとき
この中にカバーが入っていました。開封前に撮影するのを忘れてしまったので、これは開封後の画像です。
上の画像は、いったん中身を出した後に撮影したものです。実際は製品が動かないよう、きちんとテープで固定されていました。
オプションを付けると、もっと厳重な包装もしてもらえるようです。わたしはオプションを付けず、通常の包装で送ってもらいましたが、それで特に問題はありませんでした。
おたクラブ
上記のホームページの紙製品印刷をクリックすると、ブックカバーを注文できるウェブページが出てきます(下記)。
セット料金をもうけていないので、カバーはカバー、冊子は冊子で注文しなくてはいけません。
なので、カバーと冊子で、別々の印刷所に頼むことも可能です。
ここでは、カバーも冊子もこの印刷所に注文すると仮定して書いています。
基本情報
対応サイズ:A5、A5正方形、B6、文庫
カバーと冊子のセット料金:なし
最小部数:10部
小説向き本文用紙:書籍用紙 90kg/70kg
メリット
かなり安い
「コート紙 135kg」ならクリア/マットPP加工が標準装備
折りスジ加工付き
デメリット
背幅は30mmまで
追加料金を払えばカバーを巻いてもらえるが、マットPP加工の場合は不可
10部以下、かつPP加工(クリアかマット)された「コート紙 135kg」のカバーなら、ここが最安値なんじゃないかと思います。しかも、折りスジ加工まで付いてますからね~。
いったん折りスジ加工のラクさを味わってしまうと、知らなかったころには戻れないな~と思います(笑)。
個人的に、ここのマイナスポイントは折り込み幅のせまさです。
おたクラブの折り込み幅は下記のようになっています。
背幅2~14mm:70mm
背幅16~24mm:65mm
背幅26~30mm:60mm
わたしの本は背幅が16mmだったので、折り込み幅が65mmでしたが、正直、80mmはほしかったです。
でも、ほかの印刷所でも、折り込み幅が同じところが数社あるので、一般的にはそれで十分なのかもしれません。なので、デメリットにはあえて書きませんでした。
家に届いたとき
わたしはカバーと冊子、両方注文したので、上の画像の箱に、本と一緒に入っていました。
カバーを1枚取り出し、撮影した画像です。この画像だと分かりにくいですが、クリアPP加工しているので、めっちゃテカテカしています。PP加工するのとしないのとでは大違いだなと思いました。
入稿の際の注意点
本文データを入稿するとき、PDFファイルだと、1ファイルの上限は100ページとなります。100ページを超える場合は、複数回に分けてアップロードしないといけません。
わたしの本は300ページ近くあり、章ごとに分けてPDFに変換していたので、ファイルが15個もありました。
アップロードする順番を間違えると、最初からやり直しになります。そそっかしいわたしは、何度もやり直すはめに……(泣)。
ファイルを結合し、数を3、4個に減らしてから入稿すべきだったと反省しています。
長くなったので、続きは下の記事にて!
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