べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 第二回感想
遊び慣れてない長谷川様のいいカモぶり。素直で育ちの良さが伝わる。
育ちはともかく、私も遊んではいないのであそこまでとはいかなくともああなりそうなリスクは孕んでるんだろうな。
対する源内先生と花の井の「粋」とが互いに引き立て合う!
面白い回でした。
大河の主人公あるある「力のある人にお願いしちゃおう(無邪気)ムーブメント」
そして「主人公を『おもしれえヤツ』認定すると相手はなんだかんだである程度応えてくれるムーブメント」の回
主人公があまりにも真っ直ぐで遠慮がないことが少なくないからヒヤヒヤする。蔦重は相手の身分などを知るとそれなりに弁えた接し方はするけれど、やはりズケズケした部分がないわけでもない。それが相手を怒らせかねないまずい事になりそうな危うさはある。
今のところ相手の懐が広いからなんとかなってる部分がある。
花の井ちゃんが菊之丞で現れなければ横浜流星の花魁が観れたのか。それはそれでイイ。
しかし鱗形屋さん、部下でもないのに面白い企画の言い出しっぺにお金を出させてその仕事をさせて、自分はそれを表にだすかたちをつくるだけってスタンスは大丈夫か?のちのち仕事奪われかねなくない?
前回は田沼様、今回は当代のマルチクリエイター平賀源内先生。
なんとか吉原にお招きできて、接待のお店に向かおうとしていたら、先生は花の井擁する松葉屋指定。加えての花魁の名跡『瀬川』をご所望。
今の松葉屋に『瀬川』を襲名している花魁が居ないことを知ると「ここにも瀬川は居ないのか」と残念そう。
その様子からお茶っぴき中の花の井はあることを察する。
蔦重は吉原の良さを伝えようとするも、男色の先生相手ではどうにもうまくいかず。
そうでなくても蔦重自身吉原については身内贔屓的なところがあり、それを抜きに魅力を十分に語れなさそうではある。
よく見てみたらいい男だと先生に迫られかけていたところ、花の井が現れる。
彼女は源内先生の求めていた『瀬川』が花魁ではなく、亡き恋人の人気女形役者『瀬川菊之丞』であると考えた。彼を悼む源内の気持ちに沿うべく、男の格好をして『瀬川』を名乗る。源内先生も突然現れた花魁の気持ちを受け止めてくれる。
2人には床が整えられるも、色っぽいシーンになることもない。源内先生のお願いで花の井は三味線もなく鼻歌で舞うことに。おかげで彼女の舞を通して自宅で稽古として舞っていた菊之丞との思い出に浸ることができた。酒宴の席で美々しく着飾った花魁が舞ってくれるよりずっと心の慰めとなっただろう。
実際吉原の花魁が役者の舞を知ることができたのかな?とは思うけれど、知ってる知らないどちらにしてもすごい度胸。カッコいい。
『天女』と『菊之丞』、それに応えようとしてくれる目の前の花魁が先生には繋がって見えたことだろう。
振付が同じかどうか上手下手じゃなく、そりゃあんなに目を潤ませてしまうわけだ。
元々馴染みの客というならともかく、初対面でこんな『戯れ』ができる関係性、イイな。これを『粋』と言うのだろう。長谷川様と花の井間では無理そう。もちろん源内先生と菊之丞がともに有名人であり、その関係もまた有名であることや、『瀬川』被りとか背景があっての面白い昇華ではある。元々花の井が客として以前に源内先生のコピー(歯磨き粉の宣伝文句の口上)が好きという設定も良かった。
吉原と田沼様ら幕臣含む徳川サイドが今後どのように絡んでいくのかもまた楽しみ。
治済、家斉、松平定信というと男女逆転大奥のイメージと結びつけられてしまうの混乱するけど面白い。