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2024秋 デュエルトライアングル「蕾禍リンク」デッキ解説

植物族使いのみょるにるです。今回のデュエルトライアングルには植物族を軸にした蕾禍種族のリンクデッキで臨みました。称号を取るところまでやったし、直近の成績は良かったです。

環境の解釈

とりあえずシンクロがほとんどだろうな、という予感はありました。天盃龍もそうですがビギナー向けにデッキが配られた相剣、フェスごとによく見る5Dsデッキなんかは来るだろうなと。カードの効果を複数回無効され、かつ破壊されることは覚悟したほうが良さそうです。

融合も超融合は脅威ですが、アルバスは以前ほど見ません。2体までは超融合でガルーラにされて処理される可能性が高いので、ラー球のリスクを考えても3体以上の先攻展開を意識したほうが良さそうでした。

構築方針

シンクロには捕食植物のレベル操作が刺さるだろうという予感はあったのですが、自分が捕食植物を苦手としているのに加え、先攻展開に茶々を入れることは難しそうだなという予感もありました。

またEXデッキの色を統一する必要があるため、複数召喚方法を採用する植物族テーマであるアロマと蟲惑魔、ナチュルは候補から外しました。エクシーズ召喚が使えないため、六花と森羅も主軸にはなれなさそうです。植物族には融合モンスターが限られていますし、この時点でサンアバロンを軸にしたリンク召喚デッキにしないといけないかなという気がしてきます。

しかしサンアバロンには妨害にめっぽう弱いという特徴があります。予想GUY、聖天樹の幼精、聖種の天双芽などの最初の展開に必要なカードはすべからくうららで止まります。特殊召喚(以下、SSと表記)回数もかなり多いので、展開を終えたあとでニビルでも使われたらぺんぺん草も生えません。墓穴の指名者や抹殺の指名者などの対抗策を積んだとしても、妨害を乗り越えられるかは怪しいものです。

そこで初動を増やすために蕾禍を採用しました。蕾禍ノ毬首と蕾禍繚乱狂咲を積めば、1枚初動と言えるカードが倍近く増えることになります(手札コストは考慮しない)。初動が複数種類手札に来る確率も上がるので、2枚程度であれば妨害を乗り越えられる可能性も出てきます。

また蕾禍リンクモンスターは自己蘇生の能力を持つので、聖天樹の大母神の効果を発動するコストとしても優秀です。対象にとらない5枚破壊とか、だいぶロマンがありますね!

他には天盃龍はフィールド魔法に依存しているので、超融合デッキともどもナチュル・バンブーシュートが刺さるかもという期待がありました。ただ相剣には全く刺さらなかったので、若干博打ではありますね。

構築上の注意点

蕾禍を採用するうえで考慮すべきなのは、SSできるモンスターが蕾禍種族(植物族、爬虫類族、昆虫族)に限られてくるというところです。ですから機械族を含むコンボであるセリオンズ("リリー"ボレア+"キング"レギュラス+リング)は採用を避けました。蕾禍は六花のような「このモンスターが場にいる間」でも「効果発動後」でもなく「この効果を発動するターン」にSS制限がかかるので、うっかり機械族をSSしてしまうと蕾禍ギミックがすべて死んでしまいます。

また爬虫類族や昆虫族に頼る場面も多いため、植物族縛りがつく六花やロザリーナの採用も避けました。一応蕾禍→六花のように縛りの少ない順に展開していくことも可能ではありますが、天盃龍からはどんな妨害が出てくるかわかりませんので、相手の妨害に合わせて臨機応変に動けるようにすることを重視しました。サンアバロンで必須級の聖蔓の播種だけは避けられませんでしたが…。

基本的な回し方

最初は先攻でも後攻でもやることは変わりません。妨害をどんどん吐き出させて乗り越えていく形です。採用カードの中では聖蔓の播種にだけSS制限がかかるので、蕾禍とサンアバロンどちらからも展開できる場合は蕾禍からはじめていきます。

蕾禍の初動

蕾禍の初動は蕾禍ノ毬首を手札に持ってくるところから。ワン・フォー・ワンと蕾禍繚乱狂咲と合わせて5枚積んだ40枚デッキであればわりと引けます。なお召喚権を使うならローンファイア・ブロッサムも候補にできるので8枚中40枚ってことになりますが、妨害を考えるとここではあまり使いたくないところ。

蕾禍ノ毬首の効果をローンファイア・ブロッサムや薔薇恋人などを捨てて発動し、蕾禍繚乱狂咲と蕾禍ノ矢筈天牛をサーチします。その後の除外は蕾禍ノ矢筈天牛が基本ですが、デッキにいてほしいモンスター、たとえばナチュル・カメリアを素引きしていた場合はこれを除外しても構いません。蕾禍ノ矢筈天牛をSSする際にデッキに戻せます。

蕾禍繚乱狂咲か蕾禍ノ矢筈天牛の効果で蕾禍ノ矢筈天牛をSSしたら、次にこれら蕾禍モンスター2体で蕾禍ノ武者髑髏をLSし、蕾禍ノ矢筈天牛の効果でローンファイア・ブロッサムを蘇生します。この動きが強い。そんな手軽にローンファイア・ブロッサムを蘇生していいんですか?ただ蕾禍初動だとローンファイア・ブロッサムを墓地に送れるかは引き次第なので、おろかな埋葬も一応採用しています。

蕾禍ノ武者髑髏の効果で蕾禍ノ毬首を蘇生すると、この時点でリンク値4(蕾禍ノ武者髑髏、ローンファイア・ブロッサム、蕾禍ノ毬首)相当のモンスターが揃います。ローンファイア・ブロッサムでイービル・ソーンをSSすればリンク値5まで伸ばすこともできますし、聖種の地霊を呼んでサンアバロン展開につなげることもできますし、ナチュル・カメリアを呼んで魔法罠を牽制することもできます。

サンアバロンの初動

予想GUYやワン・フォー・ワンが手札にあればまずこれから使います。サンアバロンのよくある展開である、聖種の地霊SS→聖天樹の幼精リンク召喚(以下、LSと表記)、聖蔓の播種をサーチ→聖蔓の播種を発動、聖種の天双芽をデッキからSS→聖天樹の幼精と聖種の天双芽の効果で聖種の地霊を蘇生&聖蔓の癒し手をSSを回して植物族を4枚揃えつつライフ差をつけます。ここでうららやエフェクト・ヴェーラー、無限泡影などが飛んできても問題ありません。残った植物族は蕾禍のリンク素材として使えます。

妨害がなければ植物族4体からアロマセラフィ-ジャスミン2体をLSしますが、墓地にローンファイア・ブロッサムを溜めておきたいのと、アロマージ-ローリエの墓地送り時効果を発動したいのとで、ちょっと寄り道します。
まずアロマセラフィ-ジャスミンを1体だけLSし、その効果を発動してモンスター1体をリリース、ローンファイア・ブロッサムをデッキからSSします。次にローンファイア・ブロッサムの効果で自身をリリースし、アロマージ-ローリエをデッキからSSします。もしデッキ圧縮を狙うならローンファイア・ブロッサムでローンファイア・ブロッサムをSSする動きを何度か重ねても良いです。
この状態でアロマージ-ローリエを含む植物族2体から2枚目のアロマセラフィ-ジャスミンをLSすると、ローリエによるライフ回復でジャスミン2枚の強制効果が発動し、植物族2体をサーチできます。蕾禍展開をまだしていない場合は、蕾禍ノ毬首をサーチしましょう。2体目は臨機応変に決めますが、神星樹が手札に来てしまっていればナチュル・バンブーシュートを、そうでなければ場に出しやすいバラガールをサーチするのが基本形です。

このように蕾禍とサンアバロンを組み合わせていくと、植物リンク4を含めたリンク値10越えの展開ができます。サンアバロンの制約で昆虫・爬虫類族のモンスターをSSできなくなる前にEXデッキから大型の蕾禍リンクモンスターを引っ張り出しておくとリンク値が伸びやすいです。

大型リンクモンスターを呼ぶ前の状態。EXデッキからのSSには植物族縛りがある点に注意。

此処から先は先攻・後攻によって変わってくるため、分けて解説します。

先攻展開

先攻であれば聖天樹の大母神、ベンガランゼスなどをSSして相手の展開に備えます。エンドフェイズに手札誘発が引けるように、展開の過程で蕾禍ノ御拝神主などの効果で蕾禍ノ姫邪眼を除外しておきましょう。

サボウ・クローザーによる特殊召喚制限がないので普段の植物族GSには劣りますが、聖天樹の開花でモンスター効果を無効にしつつベンガランゼスで相手の場のモンスターをバウンスできる盤面が揃います。

展開例:ジャスミンと蕾禍ノ武者髑髏で聖天樹の大母神をLS→聖天樹の開花をサーチ、聖天樹の灰樹精とバラガールでベンガランゼスをLS→聖種の地霊で聖蔓の守護者をLS。モンスター効果や壊獣などで処理されるのはちょっと怖いですが、魔法罠に頼ったデッキには強く出られそうです。

リプレイも載せておきます、途中プレミもありますがご参考まで…

後攻展開

相手の場のモンスターをできるだけ取り除き、聖蔓の剣士による連続攻撃を通すことを目指します。ライトニングストームが通れば最上ですが、そうでなくても盛悴のリザルドーズで蕾禍ノ鎧石竜を除外して攻撃力をゼロにしたり、ベンガランゼスでバウンスしたり、うさぎを通すなどして場からモンスターを取り除いていきます。聖天樹の大母神が対象を選ばずに破壊したり、聖蔓の剣士が攻撃力3500〜4300で連続攻撃したりできるので、ワンキルも圏内に入ります。

展開例:蕾禍ノ武者髑髏とジャスミンで聖天樹の大母神をLS、聖種の地霊で聖蔓の剣士をLS→聖天樹の大母神を対象として攻撃力を4300にアップ、バラガールで聖天樹の幼精をLS→聖天樹の灰樹精の効果を聖蔓の剣士に発動して3連続攻撃を可能に、聖天樹の大母神の効果を聖天樹の灰樹精をリリースして発動→3枚対象を選ばずに破壊。

後攻展開の例。武者髑髏と灰樹精でベンガランゼスを呼んだほうが打点は高かった。

妥協展開

相手の手札誘発でサンアバロンギミックが仕事をしなかった場合、蕾禍だけでなんとかする必要があります。その逆もまたしかりです。

一応三戦の号が手元にあれば、ワン・フォー・ワンや予想GUYをサーチして展開をやり直せる場合もあります。

他には薔薇恋人が手札にあればこれを召喚して、場の効果が無効化された聖天樹の幼精などと合わせてジャスミンをLSし、墓地の薔薇恋人の効果で手札から植物族をSSすればジャスミンの効果でデッキからローンファイア・ブロッサムをSSして蕾禍ギミックにつなげることができます。

蕾禍ノ姫邪眼が手札にあればその効果で適当な蕾禍種族を手札からSS、場の効果が無効化された聖天樹の幼精などと合わせて蕾禍ノ武者髑髏をLSできます。そこから武者髑髏の効果で蕾禍ノ姫邪眼を蘇生すれば、聖天樹の灰樹精をLSして墓地の聖種の地霊を蘇生できます。聖種の地霊をデッキに戻して武者髑髏を蘇生すれば、灰樹精と合わせて蕾禍ノ大王鬼牙を呼ぶこともできるでしょう。相手ターンに2枚破壊という抵抗手段が残せます。

調整の余地

リンク値を伸ばすことに特化させるため、六花のしらひめやセリオンズ"リリー"ボレアのような、手札から特殊召喚できる植物族を入れても良いかなと思います。SSしたしらひめが場にいる間は植物族しか呼べない点には要注意です。

あと蕾禍から動きたいのにサンアバロンのほうが手札に来やすいのは気になるところで、スモール・ワールドやピリ・レイスの地図みたいな蕾禍ノ毬首のサーチ手段を増やしてもいいのかもしれません。特にスモール・ワールドは蕾禍との相性が良いので、展開次第では腐ることもあるイービル・ソーンあたりと入れ替えても良さそうです。モンスターじゃないのでコストにしにくいのは気になるところ。

最後に、高リンク値の植物族がほしいっすねぇ。。。星界樹イルミスティルがそろそろ来るとは思うんですが、そうじゃなくて先攻展開の終着点にできるようなのがほしいです。切実に。

まとめ

今秋のデュエルトライアングルを完走した「蕾禍リンク」デッキについて解説しました!初動が12枚と豊富で複数種類の初動を手札に持ってくる可能性が高く、妨害を乗り越えて展開できる可能性が高いと感じています。モンスター効果への対抗策が薄い一方で、魔法罠を中心とするデッキには強く出られます。攻撃力4000越えモンスターの複数回攻撃もできるため、ゴリ押しデッキが好きな方にもおすすめできます。

蕾禍を他の植物族テーマと組み合わせると初動を増やしつつリンク値をブーストする手段としても頼れるので、サンアバロンや蟲惑魔、アロマなどを回している方にはぜひ試していただければと思います。植物族最高!

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