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カバーカーライフ Mj9月号 より

松山市・自営業
三本淳子さん(54) 彰造さん(58)
1988年式 シトロエン 2CV
[ 所有歴:33年 ]

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「宝くじが当たったら3回色を塗ろうねっていつも言っているんです。」

可愛くてたまらない子どものような存在

 昭和30年代のレトロな空間を再現した大洲市のポコペン横丁に、そのルーツは1948年にまで遡るシトロエン2CV。そして、ひと昔前の世界へタイムスリップしたかのような光景にともに仲睦まじく写るのは三本淳子さん、彰造さん夫妻。愛車との付き合いは33年にも及び、その関係性は人とクルマではなく、もはや親子関係と呼ぶまでに深まっている。
 出会いは淳子さんの高校時代。学校の帰りに見かけた2CVに一目惚れをしたという。
「自転車で家へ帰っていた時にこのクルマを見て、『なんだこのクルマ。カワイイ』って思ったんです。とっさに車名の綴りを覚えて帰り、父親に『これ何て読むん?』って聞いたら『シトロエンじゃないか』って。このクルマ、免許を取ったら買おうって思ったんです」
 宣言どおり2CVを手に入れるも、左ハンドルにクセのあるミッション。故障も決して少なくないクルマだっただけに苦労もあったが、だからと言って見初めた愛車への愛情が失われることもなかった。
「このクルマで高知にも行ったし、熊本も行ったし、イベントで四国も回ったし。色々と壊れることもありましたけど、全然クルマに腹を立てることはなく、逆に可哀想に思うばかり。私が気づいてあげられなかったんだって。(クルマへの理解がなかったら)腹が立ってくると思うんですよね。もちろん故障すればお金はかかるんですけど、お金をかけて直るんならって。お金をかけても直らないクルマもあるんですから。エアコンもないから夏は暑いですよ。周りの人はバカやなと思ってるのかもしれませんけど、私たちはこのクルマが子どもみたいで可愛いくてたまらんのです(笑)」
 夫・彰造さんと二人三脚のカーライフ。彰造さんは車椅子生活を強いられているが、積極的にこのクルマで出かけ、一緒にドライブをエンジョイし、クルマに不具合が出たとなれば機械に強い彰造さんが細かく調べてアドバイスする。
「夫は私よりもメカのことはわかるから遠隔操作(!?)で私に指令が来るんです。私は『そんなんようせん』とか言いながら作業してます」
 溺愛する愛車に「このクルマを手放す気はないです」とキッパリ。仮に贅沢が許されたとしても、「いつも言ってるんです。宝くじが当たったら3回色を塗り直そうって(笑)」と“我が子”へさらなる愛情を注ぐことを選ぶようだ。

これまで33年間で色々故障はあったというが、 「(リビルト品は)クルマ一台作れるくらいあるんです」とパーツ供給の多さもあって何とかやりくり。手がかかる分、愛情を注げているようだ。
大洲市で毎週日曜に開催しているポコペン横丁では「禿茶瓶堂」というブースを夫婦で出店。彰造さんの描いた味のあるビンテージカー、バイクのイラストやグッズを販売している。

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