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あの頃のRADWIMPSを聴く夜

私の中学、高校時代はRADWIMPSとともにあった。
ロキノン系を聞いている自分に酔いしれている時期だった。
この言葉、いつの間にか目にしなくなったけれど。

高校1年生の登校初日。
静まり返る教室に「ます。」が大音量で流れた。
もしかすると「トレモロ」だった気もする。
私の着信音だった。
当時、全員がガラケーの着信音に好きな曲を着うたで設定している時代だった。

クラスのほぼ全員が知らない人で、前略プロフィールで事前に繋がっていた子達と初めましての会話をして。
HRが始まる数分前、全員が席に着いたその時、メールが届いてしまった。
マナーモードにしておいたはずなのに。
初日から失敗しないよう何十回も確認したはずなのに。
何故かマナーモードは解除されていた。

幸い先生はまだ教室に来ていなかったし、
クラスメイトは全員知らぬ振りをして見逃してくれた。
それが1番恥ずかしかった。
人生で1番恥ずかしかった経験だと思う。
ただその後、休憩時間の度に「RAD好きなんだね」「よかったらお昼ご飯一緒に食べない?」等と話しかけられ、あっという間に友人がたくさんできた。
結果、RADが高校生活の扉を開けてくれた。

クラスのホームページ、所謂「ほむぺ」にはRADとBUMPの歌詞をたくさん散りばめた。(主に運営する友人はBUMPが大好きだった。)
ブログのタイトルは全てRADの曲の歌詞にした。

好きな人からアジカンのCDを借りて、私は好きな人へRADのCDを貸した。
RADのライブに行ったときは、好きな人に頼まれたグッズと同じものを自分用にも購入した。
親のベースとアコギを借りて曲を練習をしたけれど難しかった。
友人と毎日のようにプリクラを撮ってカラオケに行ってRADを歌った。
受験勉強の時には聞き慣れた音楽を聴くと集中できるらしいから、と自分に言い訳してイヤホンでずっとRADを流していた。

まさに全てが青春だった。


大人になった今、思う。

「ありがとう」と名付けるような恋はなかった。
地球はずっと丸かったので端っこで泣けない。
足がちぎれ落ちるのも忘れるほど走って向かう場所は無い。
けれど、夏のキラキラを惜しむ9月が好き。
誰かを愛せたあの時の気持ちでいつもいたい。
誰かを傷付ける言葉を使わないように。

仕事が行き詰まって眠れなくなったので
あの頃のRADWIMPSを聴きながらこれを書いてみた夜。


ちなみに、蛇足でしかない小言。
新海監督の作品は「RADWIMPSのMV」になる前が大好きだったなぁ。


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