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マイケル・ジャクソンのメジャーデビュー前の音源。正規品はあるのか?

こんにちは、Kazuです。本投稿は5年前の2017年5月に私のツイッターにて投稿した一連の内容から再編成してお送りします。

さて、マイケルジャクソンは1969年、11歳という若さで、当時の大手レコード会社MOTOWNから”I Want You Back”(邦題: 帰ってほしいの)でデビューします。そこから”ABC”、”The Love You Save”、”I’ll Be There”と全米1位を4連発、それからKING OF POPの道を駆け上がっていきますが、そんなメジャーデビューよりも前に、地元のレーベルからシングルを2枚ほど出しています。今回はその音源を正規品で入手できるのかどうか、注意点とともにまとめていきます。

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マイナーデビュー当時のシングルについて

ジャクソン一家は地道な努力の末に、地元の小さなレーベル”STEELTOWN”と契約。レコードの発売にこぎつけます。まずは1968年に”Big Boy”を発売。B面はメジャーデビュー後のファーストアルバムでもリメイクされている”You’ve Changed”が収録されています。

そして1970年、Jackson 5のMotownでの成功にあやかって蔵出しされたとみられる”We Don't Have To Be Over 21 (To Fall In Love)” 


B面は”JAM SESSION”ですが、こちらは音質の悪いデモのようなものです。

CD何買えばいい??

マイケルオタクの方は思う方多いのではないでしょうか、マイケルのデビュー前音源のCDあるなら欲しいなあ、と。しかしCDの種類が多すぎる。色々出過ぎているんです。しかもみた感じ本当に正規ルートのものなのか、なんならブートに見えるものもあります。

僕は当時よく調べずに適当にBig Boyが入ったCDを買いました。すると聞こえてきたのは気持ち悪いシンセや謎のボーカリストが声を重ねた謎リミックス仕様、、、

オリジナルのBig Boyはこれなんですが、、

僕が初めに買ったものに入ってたのはこれです。(動画の曲名が間違ってますが、Big Boyです)

キモい!!センスもクソもない安っぽいシンセ!!

聞けたもんじゃなかったんですねw だから正規品を探すことにしました。

落胆させたくないんで、結論から先に申し上げます。正規品はあります。しかし、正規品にも関わらず正式にスタジオ録音された4曲を除いたデモ音源には、先程ご紹介したようなオリジナルにはない安いシンセサイザーや謎のボーカリストのオーバーダブ(追加録音)のあるリミックス仕様。。。
まぁ”Big Boy”や”You’ve Changed”と言った正式にスタジオで録音した音源はオリジナル通り収録されているということですのでご安心を。。。

では正規品のご紹介です。

”Pre-History: The Lost Steeltown Recordings”, Invented Records, 1995

まず一つ目。1995年発売の”Pre-History: The Lost Steeltown Recordings” 現在廃盤。たまーに中古に現れます。

まずなぜこれが正規品だと言えるのか説明していきます。

実はマイケルの本当のデビュー作とも言える”Big Boy”のマスターテープは長らく行方不明でした。それがSteeltownの共同経営者だったBen Brownの自宅から発見されたんですね。こんな歴史的なもん発売するしかねぇと。これが発見された1995年、マイケルはJackson 5の成功をも超えるとんでもない成功を収めていましたから。。Ben BrownはInvented Recordsと契約し本作を発表します。というわけで、当時のSteeltownの共同経営者だったBen Brownから了承を得て発表された正規品なんですね。

Ben BrownとInvented Recordsが結んだ契約書

マーティン・バシールというジャーナリストがマイケルにインタビューし、その模様を放映したドキュメンタリーで、ファンの間では悪意のある編集をされた胸糞ドキュメンタリーとしても知られる”Living With Michael Jackson”でも、マイケルがこのCDを手に取って聞いている映像が放映されました。

トラックリスト
1 Let Me Carry Your Schoolbooks
2 I Never Had A Girl

3 Monologue
4 Michael The Lover
5 We Don't Have To Be Over 21 (To Fall In Love)
6 Big Boy
7 You've Changed
8 Jam Session (Part One)
9 My Girl
10 Jam Session (Part Two)
11 Under The Boardwalk
12 Soul Jerk
13 Saturday Night At The Movies
14 Tracks Of My Tears

太字が余計な追加録音なし、純粋にオリジナルのスタジオ音源です。あとは変なシンセサイザーが何者かによって追加録音されたデモ音源ですね。冒頭にスタジオ録音された高音質&謎のオーバーダブなしの曲は4曲と言ったんですが、ここでは6曲太字になってますよね。これには理由がありまして。

アルバム冒頭に収録されている”Let Me Carry Your Schoolbooks”と”I Never Had A Girl”。これはJackson 5名義ではなく、Ripples & Waves Plus Michael名義の音源。しかもどうやらこのMichaelが、マイケル・ジャクソンじゃないみたい、なんですね。DiscogsにもMichael Jacksonではないのでご注意を。と注意喚起されています。(少し前までYoutubeで聴けたんですが現在は消去済み)

さらにRipples & Wavesから「勝手に俺らの曲収録して金稼いでんじゃねぇ!」ということで、このアルバムに一切関わっていないジャクソンの方のマイケル本人が訴えられるというスーパー謎展開も起きます。

そういう曰く付きの曲ですが、オーバーダブもされていないようなので、太字で表示しています。何%かはマイケルジャクソンの可能性もあると思いますが、そこは信じるか信じないかはあなた次第ということで、、

また同レーベルからBig BoyとYou’ve ChangedのシングルCDも発売されました。こちらも正規品です。

The First Recordings, Charly Records, 2009

Charly Recordsは1970年代から存在するレコード会社で、現在は権利者から正式にライセンスを取得して昔の作品のリイシューを主に手掛ける老舗レコード会社です。Wikipediaにも英語ですがページがあります。

そんなCharly Recordsから発売された本作は、ひとつ前のPre History〜を発売したInvented Recordsから了解を経て、曲目を変更して再リリースされたものです。

今回のFirst Recordingsと先程紹介したPre History〜両方にInvented Recordsのロゴがあることが確認できます。

トラックリスト
1 Big Boy
2 We Don't Have To Be Over 21 (To Fall In Love)
3 You've Changed
4 Some Girls Want Me For A Lover (aka Michael The Lover)

5 My Girl
6 Under The Boardwalk
7 Saturday Night At The Movies
8 The Tracks Of My Tears
9 Soul Jerk
10 Monologue
11 Jam Session (Part 1)
12 Jam Session (Part 2)

トラックリストも、曲順を入れ替え、95年のリリースで問題のあった2曲を除いたものとなっています。正式にレコーディングされた太字の4曲はオリジナルの状態です。そのほかは邪魔な追加録音が施されています。

こちらも現在は廃盤のよう。あまり中古でも見かけない気がします。このアルバムについて調べた2017年当時はまだ購入可能で、HMVのオンラインストアで購入しました。

以上です。もしかしたら95年以前にも、ちゃんと許可を取って発売されていたものがあるかもしれませんが、情報が少ないのと、マスターテープが発見される前の”Big Boy”の音質や追加録音のことを考えますとこの2枚を買ったら安心かもしれません。やはりマスターテープによるものなのか、”Big Boy”と”You’ve Changed”の音質が特別にいいです。

なにか新情報が入りましたら、次第更新していきますね。

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