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超豪華マイケル・ジャクソンコラボ楽曲図鑑Vol.2〜Thriller期その1〜

こんにちはKazuです。第一弾に対してTwitterやスキ等で反応いただきありがとうございました!第二弾は内容が濃すぎて、どこまで書こうか色々悩んでいる間にめっちゃ時間が経ってしまいました。今回は超豪華マイケル・ジャクソンのコラボ曲図鑑第2弾です!Thrillerで歴史的大ヒットを記録したマイケルは元BeatlesのPaul McCartneyやQueenのFreddie Mercuryなど、次々に大物とのコラボを行なっていきます!今回はそんなキャリアもコラボも最盛期なマイケルの共演作品をまとめていきます。

見出し横の()について

見出しのアーティスト名の横にマイケルがどれくらいボーカルで参加しているのか6段階に分けて一目でわかるマイケル度を記載しています。基準は以下の通りです。

マイケル度
5/5 マイケルがボーカルを取っている
4/5 バックコーラスで参加しているがデュエット並みに目立っている
3/5 バックコーラスに徹している
2/5 参加はしているが目立たない
1/5 参加しているか疑わしい
0/5 ボーカル/コーラスでは参加していない

またマイケルが楽曲提供、もしくは共作を行ったものには(MJ作曲)、プロデュースしたものには(Pro)と記載しています。

Joe King Carrasco(4/5)

Joe King CarrascoによるDon’t Let A Womanマイケルがレゲエ調の曲を歌うレアな瞬間がこの曲にはあります。サビのバックコーラスに徹しているマイケルですが、最後はリードボーカルがアドリブに徹するため、マイケルの声をはっきり聞くことができるのでマイケル度は3よりの4です!
このJoe King Carrasco。マイケルともマイケル周辺アーティストともなんの接点もないメキシコを拠点に活動するインディアーティストのようで、そんな彼がなぜスリラー発売直前のマイケルとコラボすることができたのか。。。彼の友人の回想をご紹介します。


(ジョー)は話を弾ませて興奮気味に語りました。「このアルバムに誰がバックボーカルで参加してるかわかる??」私は分かりませんでした。ボブ・ディラン?それともオジー・オズボーン?すると彼は叫びました。「あのマイケル・ファッキン・ジャクソンだぜ!!」(中略) カラスコは「超クールな出来事だったなぁ」とヒステリックに笑いながら言いました。「彼は僕らがレコーディングしている隣のスタジオにいたんだ。それから僕は「なんてこった、この世界で最高のとんでもないシンガーがいるじゃないか、彼に参加してもらわなきゃ」って、そして僕は彼を呼ぶことにした。まじでそうしたよ。そして彼と友達になったんだ」彼はどういう人だったの?、と聞くと、「彼はとてもナイスガイだった。彼を現実世界から遠ざけようとするたくさんのボディーガードに囲まれていた。だけどある日な、彼がオフィスで外をぼーっと見ながら座ってるのを見たんだ。俺はただ「やぁマイク、僕のレコードで歌ってくれないかな?」って言って彼を連れて行ったんだ。彼のマネージャー達が帰ってきて、彼が僕らと一緒にスタジオにいるのを見て、彼らはひっくり返ってたよ。でも彼らは手遅れだった。だってもうレコーディングしちゃったもんね。」
ーAllan Jones 訳: Kazu 
https://www.joeking.com/joe-king-carrasco-news/55-michael-jackson

マネージャ達が驚く様子が目に浮かびますねw そんな彼らの楽しそうなレコーディング風景がこちら。

スリラーが発売される前だからこそ、スタジオから暇を持て余し窓から外を眺めていたり、マネージャーが離れてどこかに行ったり、気軽に見知らぬアーティストの誘いに乗れる余裕があった最後の時間なのかもなとも思います。そういう隙のあったマイケルにたまたまJoeさんは遭遇したんでしょうね笑

サブスクでは現在マイケル版は配信されていないようです(ちょっと前まではあったんですが、、)
また同楽曲には別バージョンがあるようで、そちらはサブスクにありますが、マイケルは参加していないので注意してください。

Diana Ross (3/5)(MJ作曲)(pro)


Diana RossのMuscles作曲、バックコーラス、プロデュース。PVのクセがすごいんよ、と心の千鳥ノブが叫ぶほどの大グセPV。ダイアナロスの腕でマッチョ達が側転までします。いかにも80年代なPVですが、曲はBillboard Hot100で10位とヒット。

「ポール・マッカートニーとのアルバム制作のためにいたイギリスから帰るコンコルドの中でこの曲が頭に浮かんだんだ。僕は「ダイアナにピッタリじゃないか」って思った。僕はテープレコーダーを持ってなかったから3時間何もできず苦しかったよ。家に帰ってすぐにテープに録音したんだ」ーMichael Jackson 訳: Kazu 
https://www.cheatsheet.com/entertainment/michael-jackson-wrote-song-diana-ross-inspired-snake.html/

プロデュースはマイケルなのでオケもしっかりマイケルらしい、クールなアレンジが施され、冒頭からマイケルの多重コーラスも堪能できます。

Wikipediaのクレジットによると、次にご紹介するBill Wolferがシンセサイザー、It’s The Falling The LoveでデュエットしたPatti Austinがコーラス、JacksonsのツアーやHIStory Tour、This Is Itにも参加したJonathan Moffett、マイケルの作品で度々ギターを弾いているDavid Williamsなんかも参加してます。

Diana Ross – lead vocals
Michael Jackson – producer, uncredited background vocals
Ted Jensen at Sterling Sound, NYC – mastering
Patti Austin – additional backing vocals
Bill Wolfer[10] – synthesizer
Michael Boddicker – synthesizer
Ray Chew – keyboards
Eric Gale – guitar
Yogi Horton – drums
Neil Jason – bass
Denzil Miller – keyboards
Jeff Mironov – guitar
Jonathan Moffett – drums
Julia Tillman Waters – additional backing vocals
Greg Smith – synthesizer
Maxine Willard Waters – additional backing vocals
David Williams – guitar
Nathan Watts – bass

この曲、タイトルからもPVからもムキムキの筋肉男の姿をイメージするかもですが、タイトルの由来はマイケルの愛するペットの蛇、マッスルズから来ています。この蛇、温厚で優しいのですが、蛇が嫌いなクイーンのフレディ・マーキュリーの前でマイケルといちゃついてドン引きさせたり、We Are The Worldを共作したライオネル・リッチーと作曲中に寝室で行方不明になり、その後ライオネルの背後に回って驚かせたりとファンにいいネタを提供してくれる可愛いペットなんですw

Bill Wolfer(2/3)

Bill WalferのSo ShyとPapa Was A Rolling Stone(The Temptationsカバー)のバックコーラスに参加。マイケルはバックコーラスで参加してますが、言われないとわからないレベル。So Shyに関しては本当に参加してる?っというレベルです。

彼はBeat Itでキーボードを、Wanna Be Statin’ Somthin’とBillie Jeanでシンセサイザー、そしてPapa Was A Rolling Stoneの音を聞いてお気づきかもですが、Billie Jeanのシンセ・プログラミングも担当。一つ前のmusclesでもシンセを弾いています。アルバムThrillerで聞き覚えのある音がしますよね。リンドラムの音色も全く同じ音。

また、ジャクソンズのツアーにもキーボード奏者として参加されていたようです。

Paul McCartney(5/5)(MJ作曲)

マイケルが尊敬するPaul McCartneyとのデュエット曲”Say Say Say”と”The Man” どちらもマイケルが作曲に参加しています。プロデュースはThe Beatlesのプロデューサーだった巨匠Geroge Martinが担当となんとも歴史的なシングルにもなった”Say Say Say”は全米1位を6週間キープし、その年の年間チャートでは3位と大ヒット。マイケルにとってキャリア2番目に売れたシングルでもあり、ポールにとってもThe Beatles解散以降の最大のヒット曲となりました。Say Say Sayはビデオも制作され、この時のマイケルが大好きなファンは多いはずです。また2番目の”The Man”の動画はPaulのアルバム再発時のDVDに収録されたもので、マイケルがポールの家を訪れ、ポールの家族と楽しい時間を過ごす様子が曲に合わせて収録されています。(先程のダイアナののMusclesはこの帰りの飛行機の中で思いついたってことですね。)
作曲はマイケルとポールの共作。それぞれの自分のパートを作曲する形で曲が作られたそうな。

録音はこれよりも後だったようですが、マイケルのThrillerには彼とのデュエット”The Girl Is Mine”が収録され、これらの楽曲より先に発売されています。(こちらはマイケルの単独作。ポールは歌詞の”Doggon”という単語がロックじゃねぇとか思ってたようですね)

つい最近になってThe Girl Is Mineのレコーディング映像がネット上に非公式ながら公開されています。

The Girl Is Mineのレコーディング風景がとんでもないほど豪華。左からGeorge Martin(The Beatlesのプロデューサー)、Bruce Swieden(マイケルの生涯にわたるレコーディングエンジニア)、Quincy Jones、Michael Jackson、Steve Porcaro(Toto)、Steve Lukather(Toto)、そしてPaul McCartneyです。

またマイケルとはこれが初めてのコラボではなくOff The WallではGirlfriendをマイケルに提供しています。これも面白いエピソードがあり、ポールがこの曲をマイケルのために書いた旨をマイケルに伝えた後、先にポールが自分のバンドWingsの曲としてリリースしちゃうんですが、後日ポールとのやりとりを知らないクインシーがポールのバージョンを聞いて、マイケルにカバーを勧めたそう。マイケルに強い縁を持った曲ですよね

少し以前のプロジェクトについての話に脱線しましたが、こういう経緯を経てついにポール側のアルバムにマイケルが参加することになりました。

作曲はマイケルのパートがマイケル。ポールのパートをポールが作る形で進めたようです。

結局ポールから教わった版権ビジネスに魅了されたマイケルがThe Beatlesの版権を買ってしまったため、2人は疎遠になってしまいます。

2015年、Paul McCartneyはソロ作のリマスタープロジェクトの一環としてマイケルとのコラボが収録されたアルバムPipes Of Peaceのリマスター盤を発売します。その際ボーナストラックとして、2人の未発表ボーカルを使った新バージョンを収録。マイケルがポールのパートの一部を歌うという非常に興味バージョンです。

Freddie Mercury, Mick Jagger(5/5)

QueenのFreddie Mercuryとのコラボレーションについて、時系列にここに書いておこうと思います。録音から30年以上経った2012年、There Must Be More To Life Than ThisのWilliam OrbitによるリミックスバージョンがQueenのラブソング集Queen Foreverに初めて収録されます。

この曲は元々1983年、マイケルのエンシノの家にフレディを招き入れて作られたデモのうちの3つのうちの一つでした。

その3つのうち一つはState Of Shock。マイケル側から持ち寄った曲で、フレディとのバージョンはインターネット上で聴くことができます。お互い個性的な歌声の持ち主ですが、お互いを食わず、しかも調和している素晴らしいトラックです。個人的にマイケルのコラボの中で一番相性が良いのではと思います。お蔵入りになったのが悔やまれますね、、

結局本曲はJacksonsのアルバムVictoryで正式に録音されますが、フレディと予定が合わず、代わりにRolling StonesのMick Jaggerが代役を務めています。

Mick JaggerはQueenの伝説的パフォーマンスでも有名なLIVE AIDでTina Tanner(We Are The Worldにも参加)とこの曲を披露しています。

そして2曲目”Victory”。これは今までリークもされてない曲で、マイケルとフレディの共作。同行していたフレディのパーソナルマネージャーのPeter Freestoneが、ドラムの代わりにトイレのドアの音を叩いて録音した、と証言しています。フレディの2001年に発売されたソロBox Setへの収録が検討されましたが、権利問題なのかはたまたマイケル側からNGが出たのか不明ですが、なんらかの理由で未収録に。

そしてもう一曲がフレディ側が持ち寄ったThere Must Be More To Life Than This。エンシノではフレディがピアノ、マイケルがボーカルという形で録音され、こちらもインターネット上で非公式ながら聞くことができます。


曲の途中フレディに「アドリブで歌詞を入れてみて」と指示され、即興でマイケルが歌詞を入れる様子も確認できます。

この曲はフレディの1985年のソロアルバムに、フレディのみのバージョンが収録されています。2019年に新たにミックスされ直したものが再発されているので是非。フレディによると、マイケルはこの曲を自分のアルバムに入れたがったようですが「(スリラーが売れて)君は十分稼いだからいいだろ?」と断ったというエピソードも。

そしてマイケルとのデュエット版はWiliam Orbitによって別個の3つの音源を主にミックスし、さらにQueenのギタリストのBrian Mayがギターをオーバーダブした形で発表されます。その音源が、、

  1. 1982年、アルバムHot Space制作時のQueenのメンバーによる演奏

  2. 先ほどのマイケルのソロボーカル in エンシノ

  3. フレディの未発表ソロボーカル(ソロアルバムのものとは別テイク)

マイケルの遺産管理団体からいろいろ言われたようでクイーン側もあまり納得のいく形のリリースではなかったようです。その証拠に、Queenのブライアンが手掛けたとされる”Gold Mix”なるものが流出済み。こちらはマイケルのボーカルもリリース版より多めな上に、楽器も少なめで2人の声をはっきり堪能できるものに。

他にも音源をリリースする予定だったようですが、これもエステートからいろいろ言われたようで結局1曲のみのリリースとなりました。

フレディとマイケルのエピソードも本当に素晴らしいものがあり、面白くて大好きなものばかりですが、ここに書くと大変なことになるので、レコーディング時の様子はぜひマイケルのファンブログ「マイケルジャクソンを語らせて」さんに掲載されている、Peter Freestone氏のエピソード記事をご覧ください。

https://ameblo.jp/love-michael/entry-10799020388.html 

不仲説等、色々ありますが、僕は単にお互い忙しくなってなかなか会えなくなったというのが真相だと思っています。というのも、フレディのパートナーであったジム・ハットンの自伝によると、フレディは晩年までマイケルとの思い出を楽しそうに語っていた、という記述を見た覚えがありますし、マイケルの娘のパリスはマイケルの死後のインタビューで「パパはフレディマーキュリーの大ファンで私も好きだったわ」とも。Queenのブライアンによるマイケルの追悼声明でも、フレディがマイケルから次のアルバムがBADになると聞いて、「次のクイーンのアルバムは”GOOD”にしようぜ」と冗談を言ったと回想しています。(ちなみにブライアンはマイケルと空港で鉢合わせした時、マイケルがブライアンの息子の面倒を見てくれたことも書いていました。)
以上のエピソードからもお互いを想い続けリスペクトし続けていたことがわかりますよね。

(余談ですが、僕はこのコンピのおかげでQueenにどハマりしました。ヒット曲ばかりのベストではありませんが、隠れた名曲もたくさん収録されており、あまり彼らを知らない方々にも自信を持ってお勧めできる作品です。)

と、内容が濃すぎて内容が長くなってしまったので今回はここまでです!
投稿が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。いいねを押していただくと、今後の投稿のモチベになるのでぜひ押していってください😊
この記事の参考元となりましたmoonwalker.jp様に再度感謝したいと思います。ありがとうございました。

第一弾

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