年上バリキャリ女が年下男子と結婚した
大好きな男に振られて「もう恋愛とか無理」「一生一人かもしれん」「誰にも舐められないように仕事だけは一流でいよう」と思っていたアラサー女です。「私、結婚できないわけじゃないから。しないだけだから」って言いたくて、家賃17万の部屋に一人で住んでました。
アラサーの婚活女が売れ残りだのなんだの揶揄する人間を見たので、雑多なエッセイ形式で私の話をします。限界アラサー婚活女を擬似体験しろ
女性の人生は初見殺しなことがいっぱいあります。
誰かに聞きたかった、「25歳」超えると徐々に若者向けの服や色があわなくなっていくこと。誰かに教えて欲しかった、マッチングアプリのマッチ率は「30歳」超えると数がいきなり下がること。
女性はいつまで経っても美しい人は美しいし、魅力的な人は魅力的だけど、それを自分に置き換えた時に本音でそれが言えるかというとNOで、結局若さは絶対的な資産であり、それがあるタイミングを境に価値が減っていくことによる喪失感を、少なくない数の女性が知っていると思います。
人との出会いは運と縁とタイミングで、いつ来るかわからない中、日に日に価値が減っていくように感じる自分に対する不安が常にありました。
自分に対する世間の8割は無神経だと思っています。ただし、それはその人たちの性質が悪いなどではなく、互いに大事にしているものや、コンプレックスに思っていることが違ったり、人生のタイミングが噛み合わないことで、私から見て無神経に感じるだけです。大抵、それを言った相手に悪気はないんですよね。
それでもアラサーは「無神経」に、色んな人に色んなこと言われるわけです。悪気がないことがわかっていると何が起こるかっていうと「ノーガードで世間や他人の価値観で殴られる」みたいな心理状況になるんですよ。
出会いは運と縁とタイミングであるというのが私の持論で、焦ったところでどうにもならないことは十分よくわかっていました。ただ、世間は問答無用で私を「人生のお手本みたいなタイムライン」にのせてこようとします。
インスタには結婚しました子供できました投稿が流れいいねを(見えない圧力で)強いられ、久々に連絡きたかと思ったら結婚式に呼ばれます。
世間のスピード感は私を一人にさせてくれません。自分の価値観を貫きたい中で、他の人の人生や価値観に引っ張られるような状況自体がストレスになっていきます。それでもその人たちにはその人たちの人生があり、彼らの幸せを邪魔したいわけではありません。何も言えず、おとなしく巻き込まれていかないといけません。
かたや、SNSでは30歳を超えた人をBBAと言う男がいます。売れ残りだと揶揄する女も男もいます。シンプルに悪口です。悪口なので普通に傷つきます。
諸悪の根源のSNSをシャットダウンしソーシャルなネットワークと縁を切り離しても、通勤中の電車の広告でゼクシイを見せられ、ふとしたタイミングで指輪の画像だけがSNSのタイムラインに流れてきて、好きなドラマで推しと女優のキスシーンがあり、など、なんでもない情報に過敏になって、ナイーブになります。この辺からだいぶ限界がきます。
そしてこの限界ナイーブ状態になると、人から言われたこともだんだん受け入れられなくなっていきます。自分の心の中でひねくれたことを考えながらも、相手にぶつけるわけにもいきません。これが「ノーガードで世間や他人の価値観で殴られる」状態です。
実家に帰れば父親に「子供はいたほうがいいよ、老後もあるしさ」と言われ
(産んだことねえだろ)
年下の後輩に「XXさんに紹介したい人いるんですよ!バツイチで商社勤務の人で」と言われ
(お前まじでどういう神経してたら序の口にバツイチ紹介するんだよ)
友達からは「もっといい人いるよ!」と言われ
(元気づけるために悲しい嘘つくのやめろ)
みんなそれなりに私を心配してくれているんだろうと思いますが、誰よりも私を心配しているのは私であって、私が悩んでいることのコアを理解してくれていないコメントは全部私にとっては「無神経」でした。
このアラサーのどうしようもない気持ちを理解できるのは同族だけです。
働いている職場の女性は晩婚、独身バリキャリが多かったので「まだ全然焦るタイミングじゃないじゃん」「私なんかそのくらいの頃さあ」と話してくれて、それが一番の救いでした。
結局のところ、悪気がなかろうが、本人の立場になったことがないなら、気休め、慰めも含めて、もう放っておいてくれ、なんですよね。
この、「ノーガードで世間や他人の価値観で殴られる」状態が続くと、逃げるように仕事に没頭して、残業して、評価されて、もらったお金で独身仲間とお酒を飲んで、「ノーガードで世間や他人の価値観で殴られる」記憶を上書きしようとします。不健康です。
「自分は頑張っている」という証明のためにハイブランドを買うようになります。悲惨です。
ハイブランドを買う人間はこの世の中で2種類います。「ハイブランドを買ってもらう女」と「自分で買う女」です。ハイブランドを買ってもらってホクホクしている女に舐められないために、「自分で買う女」になるためです。
この辺まで来ると生まれるのが限界バリキャリアラサー婚活女なんですね。
この限界バリキャリアラサー女の厄介なのは、複数の「厄介」が混在している状態にあります。
過去の恋愛における心の傷、世間的な価値観をふりかざされる虐待で受けた心の傷(と思っている)、同じ世代の女性への嫉妬や対抗心、自分がキャリアに打ち込んでいるという自尊心、自分の性格・容姿へのコンプレックスや背徳感情
この辺の複数の厄介を一気に解決しようとした女がどうなるかというと、全てを吹き飛ばす王子様を探すんですね。だいたい少女漫画みんなそうじゃないですか。貧しく生まれていじめられたかわいそうな私を救ってくれた王子様みたいなね。結局ね、バリキャリで自分で立身出世したとしても、女はみんな「女の子」なんですよ。自分を救ってくれる王子様に状況の解決を託すわけです。さすがに双肩にかかる負担がデカすぎる。
実家が太いイケメンで、優しくて、清潔感あって、経営者か士業か医者か商社かコンサル勤めで、年収2000万以上あって、美味しいお店を知ってて、美味しいご飯を奢ってくれて、結婚したらハリーウィンストンをニコニコ現金払いで買ってくれる。
まあ普通にいないです。正確には、「存在するけど、そいつは厄介な女の厄介なコンプレックスを解消する気はないので、厄介を感じたら逃げる」ので、出会ったとしても次の瞬間視界から消えます。
当然今までの男をベースにそれ以上の男を探そうとするので、妥協水準は下がらないまま要求ばかり増えます。ね、限界でしょ
最近婚活コンサルって増えましたけど、客観的にこういう限界アラサー婚活女がどうして生まれてきているかがわかると、こっすい商売だなと言う感想しか出ません。限界アラサー婚活女を作った「厄介」自体が複雑化している中で、「みんなこうしなさい」みたいなアドバイスは無意味です。
自分の厄介に向き合い、自分の厄介をときほぐした状態にならない限り、見たことがない王子様を探すか、婚活コンサルに言われるがまま「自分の背丈に見合った人と”妥協して”付き合う」みたいなことが起きます。結婚するのがゴールなら婚活コンサルが言うことも正しい一方で、本当の自分の問題が解けていないままにする結婚に本当に「妥協(と本人が思っている)」が残らないかというと、本当かね、と思います。
私は最終的に、色々はなかったけど、トントン拍子で2つ年下の男子と結婚しました。自分のいろんな厄介、葛藤を消化するには何年かかかりました。
それでも、自分が自分を納得できること、誰かへの嫉妬や葛藤がない状態
になったことで、はじめて「一緒にいて楽しい人」を感じられた気がします。
いろんな無神経(と自分が感じるもの)に出会います。その中で自分の大事なもの、大事にしている価値観、好ましい生き方、今まで生きてきた年月の中で至った自分に自信がなくなってしまうのがアラサーだと思っています。でも、それを無理に変えたり、世間のスタンダードに合わせる必要も別にないと思います。
自分の人生なので、自分が思うようにしたらいいと思います。
アラサー女性に何が起きているかわからないまま、無邪気にいろいろ言ってしまう人が、これを読んで少し気持ちがわかってくれますように。
擬似体験になってるかな。この辺で。
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