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【アラサー限界婚活】無趣味の男

秋の風を感じながら、婚活していたときの話をオムニバス形式で思い出しつつ書いてみようなど思った。もう何年も前の話。男も女も特定できないようにスペックは偽造を含みます。年々忘れていくことが増えるようにも思うので、備忘録として、ただ私が思ったことを素直に書いていこう。

今日の話は無趣味の男です。

私は某港区系マッチングアプリを利用しており、この男ともそのアプリで出会いました。

この某港区系マッチングアプリは、ハイスペ男女のみが審査に通ると言っていますが、男女ともにお世辞にも顔が整っていると言えない人間もいるし、年収もとてもハイスペとは言えない人間もいます。これが風評被害だと言われたらそれは申し訳ないですが、ユーザー目線でいえば「まあ審査してるっていっておきながら大体○%をランダムで落として、そこにイケメンとか美女がいると、そんな人でも落ちたみたいな噂になる、みたいな仕組みかな」と思っています。あのアプリで落ちてもあまり気を落とす必要はないです。

雑談はさておき、無趣味の男のスペックです。記憶の範囲で記載します。

男は、中堅大学を卒業後、メーカー勤務。年収800万以上、普段は郊外で勤務。住んでいるところは忘れたが、郊外勤務なので都心に住んでいることはなかったと思います。
容姿は身長170cm以上のややぽっちゃり。清潔感はあるものの、イケメンといえるようなタイプではない。

アプリではお互いどんな仕事をしているか、食べ物は何が好きかという話をしながら、Q&Aがまともに成立する相手であることをまず確認。絵文字を多用するおじさんチャットじゃないか?やたら長文じゃないか?こちらに会話のネタを委ねていないか?などのを諸注意をクリアの上、アポを取り付けます。

集合したのは銀座。土曜のランチにWAKOの前で待ち合わせ。
あまり私は駅で待ち合わせをして店に向かうのは好みではないです。理由としては2つ。1つは店に行くまで知らない人間と隣に並んで歩くというのが生理的に辛いこと。2つは自己紹介もそこそこに店に行くまでに適当に話をつなぐのが心理的に落ち着かないから。パーソナルスペースは対面だと数mだが、横に並ぶ場合はその限りでないと言われているものの、普通に知らない男が横にいるのは気持ち悪いだろ

とはいえ、実際に会ってみると、正直なところ「悪くない」。
私は見た目の要件は別に高くはないため、清潔感さえあれば問題ない判定。
顔より、よっぽど汚い靴を履いているとか、食事のマナーが悪い方が男性として「なし」になっていく。

店のセンスも「悪くない」。
普通アプリでのデートというとイタリアンとか、フレンチとか、おしゃれなカフェとかそういうラインを指定されることが多いものの、今回の男が連れて行ってくれたのは小料理屋。小さな店に大将が一人。釜で米を炊いてくれるタイプの店でした。

予約をしてくれていたようで、ランチコースは前菜から一つずつでてくる。
小さなお椀から始まり、最終的には釜で炊いたお米が食べれる。食事は終始美味しいものでした。

ただし、ここからが本題。

この男、とにかく趣味がない。
そして厄介なのは、本人としては「自分には趣味があると思っている」。

流石の私も一応アプリのデート前には相手のプロフィールと直近の会話くらいはインプットして臨みます。当然この男の趣味も確認済み。
「趣味、、Netflixね。まあ話題のものは見てるから、話はあうかな」
その程度の予習を経て話題を振るわけです。

「趣味、Netflixなんですよね?最近見たものとか、これいいよみたいなのってありますか?」

私は大体ランキングにのっているものはこの手のデートの話題にできるように履修しているため、ある程度のものには対応できる自信がありました。仮にそれ以外のものであっても、教えて欲しい、という切り口で話題を広げればいいので、2時間くらいであれば会話に困らない想定でした。

しかし男はこう言います。

「俺、他の画面みながらNetflix見てるから、全然画面見てなくて笑」
「え、なんか印象に残ってるのとかないんですか?」
「いやあ、あんまり」

お前それNetflix趣味って言わねえよ
てか別にもはやNetflixじゃなくてもいいからトイストーリー好きですくらい言えよ

「じゃあ休みの時間とかどうしてるんですか?」
「まあでもそうやってスマホ見てって感じですね」

お前の人生何が楽しいん?

この一瞬で色々なことを考えました。
もしかして、AV見てるとか、すごいカルト、オカルトちっくな物見てるとか、あまりにニッチすぎて説明するのも憚られるようなものに時間を割いているのでは?それなら言えなくて当然では?

いや、人に言えないプライベート抱えたやつと付き合えないだろ

このあとも、私から懸命に仕事の話について振りますが、普通にジョブインタビューでした。私のほうからもおすすめの映画やアニメの話をしたので、二人の会話は側からみたら盛り上がっていたのでしょうが、私は内心として「気持ちよく喋ってもらって、気持ちよく奢ってもらって、あと腐れなく帰ろう」でしかありませんでした。

結果として、気持ちよかったのか奢ってくれました。
お店を出て速攻で「今日はありがとうございました。私はこのあと映画でも見て帰ろうと思います」というと、「それなら自分も」というので、「いや、映画は一人で楽しむものですから。ありがとうございました」と笑って踵返して有楽町に向かいました。もちろん映画見るわけありません。メトロに乗ったらついてきそうだったので、露骨に逃げただけです。

スペックとか、見た目とか、それ以前に、自分が相手にとって、一緒にいて楽しいと思える存在になっているかどうかを考えることがそれほど難しいことだろうかと考えました。面接とか受けたことない?おじさんたちと楽しく会話するために工夫とかなかった?

本当に無趣味だったかはわかりません。ただ、これだけ聞いてわからないなら、もうそれはあったとしても「人には言えない趣味」なんでしょう。見えないものは無趣味と同じです。
そしてもはや無趣味でもいい。無趣味でもいいので、普通に女と食事する2時間の中で自分が強みをもって話せる分野を用意してくれ。仕事以外で。
好きな店でも、好きな食べ物でも、なんでもいいんだ。昔ハマった女優でもいいから。なんでもいいから「好き」に関心を持って語れるようにしてくれ。

これ以降、好きなものがない、得意なものがない男は容赦なく事前にメッセージで確認してごめんなさいしていくことに決めました。
いや、まじでNetflixって書く人多いと思うけど、書くからにはちゃんと見ましょうね。

おわり

行った店


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