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会社員でいいじゃんと思ってたのに起業してみたくなった話

コンサルの仕事を始める数年前までは、「なんでコンサルの人ってみんなコンサル何年かやったあと、そのまま別のコンサル行くかベンチャーの事業開発か事業会社か起業するんだろう」って思ってました。工場で流れてくるコンサルが何らかの工程を経て、みんなそういう出力になっていくのが不思議でした。自分も気がついたらそういうレーンに乗っていたんですよね。なぜ?

今回は別に誰の何の役にも立たない、私の話です。

絶対起業なんかしないと思ってたのにしたくなった理由

誰かを幸せにした実感が欲しくなった

大学時代はコンビニ、着ぐるみ、レストラン、塾講師など人と触れ合える職業を選んでアルバイトをしていました。
そこでいろんなお客様に出会い、どういう人が、どういうものを選んでいるか?何に悩んでいるか?に触れた経験が広告代理店のプランナーになっても生きた実感があります。

そこから一転して、私は社会人になって以降はBtoBビジネスの世界でずっと働いてきたのでカスタマー個人と接する機会はありませんでした。自分の企画した広告がSNSで話題になっても、一つ一つのコメントを見て嬉しくなったあとは「XX件のインプレッションとXX割の好意的な反応がありました」と数字に変えていきます。「感動の定量化」はBtoBの仕事の大事なプロセスではあるのですが、アルバイトで感じた「誰かを幸せにしたうれしさ」は、SNSで何万と得られる好意的な反応とは質が違うと感じました。

もちろん、たくさんの人に喜んでもらえたこと自体はうれしいですし、人生の中で一つ一つが宝物の思い出になります。ただ、それでも少し寂しいような気持ちもあるのです。

結婚式のドレスでも有名な桂ゆみさんですが、サロンに行くとお会いできて、その人にあったドレスをお勧めしてくれると聞きました。その話をしている友人はみんな感動していて、一生の思い出と言っていました。ドレスを作り、そのドレスをたくさんの人に提供して幸せにすること。個人個人の良い思い出に寄り添っていることの両方を実現している点で、大変尊敬しています。

生きている時間は有限なので、自分の残り長くて60年、70年のうちで、たくさんの人に触れ合い、明確に「私は人を幸せにしたなあ」という実感をもって生涯を終えたいと感じています。その観点で、数えきれない人を幸せにすること、一人一人と接することの両方を叶えたいなら、BtoBビジネスから別の形に自分の社会との向き合いを変えていく必要があると気づきました。

ちなみに、BtoBやってた人が急に飲食店やるのはよく聞く、と聞きます笑
みんなもしかしたら考えてること一緒なのかもですね。

管理職のコスパが悪い

コンサル戦国時代において、既存取引の継続だけでは拡大できない(そして拡大できないと投資家に怒られる)ため、上場しているコンサル会社は新しい会社との取引、新しいプロジェクトを積極的に獲りにいく必要が出てきます。新しい取引をじゃんじゃんとっていくために「うち、人材豊富です、大丈夫です」と言えるようにたくさんの人を採用しました。これがコンサルヒヨコ人材です。以下ヒヨコと言います。

新規のクライアントになると、必然的にすでに他の大手の仕事についている古参だけでは担当できないため、一部ヒヨコ人材を活用しなければならない(会社としてもヒヨコを鶏にしなければならない)場面もあります。

新卒をはじめとしてみんないつかはヒヨコだった時代はあるのですが、コンサルに関してはデビューしたらその役職にあったパフォーマンスを出すことが前提になります。コンサルは1人で毎月何百万円という形の契約だからです。転職で中途入社しても右も左もわからなかろうが、その人のパフォーマンスに何百万の値段がつきます。

その結果起こるのが「ヒヨコが育つまでヒヨコの仕事を支援する」必要であって、契約内容の品質担保を担う管理職が責任を持つことになります。
ヒヨコの多くはいわゆる地頭の良い優秀な人が多いため、育成コストは世間一般よりは楽ではあるものの、コストはコストです。契約内容に含まれているのはあくまで企業に対する改善支援になり、そこには当たり前に育成コストは含まれていないため、日中8時間はクライアントのために働き、それ以外の時間でヒヨコ人材の育成(そしてフォロー)をすることになります。

ここからは会社によって違いますが、管理職はそれ以外に会社の組織的な仕事や、新しい提案活動に従事するため、この時点で構造的に中長時間の残業が確定します。

世間よりもいい給料をもらっているのは事実ですが、管理職になったコンサルはみんな一度は考えるのです。
「自分は月に何百万の値段をつけて契約しているのに、会社員でいるうちはこれしかもらえないのか」と…
起業したところでいま以上の給料を稼ぐことは難しいと思いますが、それでも「自分の力で稼いでみたい」という気持ちが沸々とわいてくるのです。

コンサルで独立開業したり、個人事業主として活躍する人が増えている理由は他にもたくさんあるでしょうが、私はこのルートで起業に興味がわきました。

起業のメリットを学んだから

コンサルの管理職になってくると、所得税の問題が降ってわいてきます。
いくら額面の年収があがったとしても、所得税は累進課税なので、思ったよりは手取りが増えないのです。年収1,000万円を超えると「節税対策」というワードが身近になります。

年収1000〜1600万円くらいの人が触れる節税対策としては、
一部の利益を非課税にする課税所得を減らす これにつきます。
要は俺そんなに年収ないですって言えるようにすればいいわけです。

①一部利益を非課税にしよう
・NISA/新NISA
・iDeco
(・親からの生前贈与)

②課税所得を減らそう
・寄付金、ふるさと納税による控除
・住宅ローン控除
・扶養家族控除
・生命保険、医療控除
・事業活動における経費の計上 👈これ
・不動産所得控除 👈人によってはこれも

事業を行う個人事業主、経営者になることで、「事業を行うために使う経費」は費用のため、控除の対象にできます。もちろん、個人の私生活の費用を経費として計上することはできませんが、法人化することで、所得を分散させたり、経費を多く計上したりすることで、節税効果が期待できます。

結局最後は「やってみたい」

事業開発の仕事って楽しそうだなと思っていましたが、会社に入って事業開発の経験をしなくても、自分でやってみればいいじゃんと気づきました。
ちゃんと成功させたいですが、失敗でもいい経験になる範囲でやって、何らか得られるものがあればそれもいいやと思えるようになりました。

事業計画書から作ろう(TBD…)

というわけでやってみようと思い立ったものの、具体的に何を世間に提供するか全く決めていないので、リアルタイムで作っていこうと思います。
仕事のかたわら、空いた時間で。

なぜ自分がやってみたくなったかを言語化すると、必然的になにを提供するかも固まると思ったので、書いてみました。
「なんでみんなコンサル入るとベンチャー行くか起業するの?」って思った人の参考にはなったかわかりませんが、今日はこれにて。

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