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反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

反応する前に「まず、理解する」

「悩みを理解する」だけで一歩踏み出せる

ブッタの考え方とは、悩みがあるという”現実”を見すえて、その”原因”を理解して、解決への”方法”を実践しようという、最先端の医学にも似た明解な処方箋なのです。

仕事・人間関係の悩みの「正体」って?

仏教の世界では、「苦しみの原因は”執着”にある」とよく語られます。
しかし、”執着”以前に、悩みを作り出しているものがあるのです。
それが”心の反応”です。

苦しみが何ゆえに起こるのかを、理解するがよい。
苦しみをもたらしているものは、快(喜び)を求めてやまない”求める心”なのだ。

初転法輪経 サンユッタ・ニカーヤ

”求める心”は、発生後”七つの欲求”に枝分かれします。
①生存欲(生きたい)
②睡眠欲(眠りたい)
③食欲(食べたい)
④性欲(交わりたい)
⑤怠惰欲(ラクをしたい)
⑥感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)
⑦承認欲(認められたい)

「満たされない心」と、どう折り合うか

”求める心”のことを、仏教の世界では「渇愛」と表現してきました。
「求め続けて、いつまでも渇いている。満たされない心」

大切なのは、「心とは、そもそもそういうものだ」と理解しておくことです。心とは求めつづけるもの。それゆえに渇きつづけるもの。

「心は求めつづけるもの」と理解すると、不思議な心境の変化が訪れることがあります。
つまり「このままではいけない」「何かが足りない」という得体のしれない欠落感や焦り、心の渇きが収まって、「人生はそういうもの」と、もっと大きな肯定が可能になるのです。

心の状態を「きちんと見る」だけで

反応せずに、まず理解する。
「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることが可能になります。

  1. ココロの状態を言葉で確認する(ラベリング)
    「言葉で確認する」ことを、「ラベリング」と呼ぶ。
    言葉で確認すると、「反応から抜け出せる」のです。

  2. カラダの感覚を意識する(マインドフルネル)
    呼吸しながら「お腹のふくらみ、縮み」や、「鼻先を出入りする空気の感覚」を感じ取る。

  3. アタマの中を分類する
    心の状態をいくつかの種類に分けて理解する方法。
    (1)貪欲――過剰な欲求に駆られている状態。求めすぎ、期待しすぎ。
    (2)怒り――不満・不快を感じている状態。
    (3)妄想――ぼんやりと何かを考えている状態。妄想をリセットする基本は、「今、妄想している」と客観的に言葉で確認すること。

良し悪しを「判断」しない

なぜ人は、自分のこと、他人のこと、さらには人生の目的や、生きることの意味まで、あれこれと「判断」したがるのでしょうか?

一つは、判断すること自体が「気持ちよい」ことが理由。
良し悪しや、正しい・間違っているといった判断は、それだけで「わかった気」になれます。

もう一つは、「判断することで認められた気分になれる」
自分は正しいと思える(承認欲を満たせる)快楽がある。

  1. 「あ、判断した」という気づきの言葉
    誰かのことを好きか嫌いか、いい人か悪い人かと「品定め」している自分に気づいたら、「あ、また判断している」と気づきます。

  2. 「自分は自分」と考える
    自分の心は、自分で選ぶこと、決めること――つねに自由に、独立して考えなさい。

  3. いっそのこと「素直になる」
    自分はエライ、正しいという、”慢”の心に固まってしまうと、人と分かり合えなくなります。「自分は正しい」という思い込みが、原因なのです。

「自分を否定しない」。どんなときも

失敗した――と思うことは、仕事でも、人間関係でも、人生全般に、必ず起こります。
大事なのは、そこで凹まないこと。けして自分を否定しないことです。

どんな状況であっても、「判断しない」(否定しない)というのが重要。

「自由な心を取り戻す」エクササイズ

では、どんなときも自分(相手)を否定しないためには、どうすればいいでしょうか。

  1. 一歩、一歩と外を歩く
    一つは、すぐに外に出ること。
    このとき肉体がキャッチする「感覚」に意識を向ける。足を運ぶ一歩、一歩の感覚にも、空の色も街の光も、今この瞬間に世界はどう見えるのか。
    今たしかに存在するのは「感覚」です。「苦悩」はありません。
    あなたはすでに、これまでとは違う新しい人生を”生きている”

  2. 広い世界を見渡す
    「執着」すれば、その一点が大きく見えるのは自然なことです。その「一点」が「人生のすべて」にさえ、見えてくるものです。昼下がりでも、たそがれ時でも、星が輝く夜でも、目を見開いて空を見上げてください。
    新しい世界に目を向けてみましょう。

  3. 「わたしはわたしを肯定する」
    「自分を否定しない」もう一つの方法は、「ただ肯定する言葉」をかける

マイナスの感情で「損をしない」

心の半分を前に、もう半分を後ろに使う

まずは、心を「前と後ろ」に分ける。
①前のほうを向く心
②心の内側(奥・後ろ側)を見る心をイメージする

前を見る心は、そのまま相手を見ることに使います。反応はしません。
相手をただ見て、その言葉が理解できるかどうかだけが問題です。

このとき、後ろ側(奥)にある心では、自分の「反応」を見ます。
怒りを感じているか、過去を振り返っていないか、緊張や、相手への疑い・妄想が湧いていないか。

禅の世界に「不動心」と呼ばれる心があります。これは自分の心を見る、見張る努力によって、はじめて可能になるものです。心が動くのは当たり前。
その動きつづける心を見張って、よく気づいて、それ以上の反応を止める。

困った相手と「どう関わるか」

  1. 相手のことを「判断」しない
    しなくていい判断は、しないほうがいい

  2. 過去は「忘れる」
    過去を引きずるというのは、「記憶に反応して怒りを生んでいる」

  3. 相手を「新しい人」
    心は一日に「七万個」もの想念を思い浮かべる。心が無常なら、人も無常

  4. 「理解しあう」ことを目的とする

  5. 「関わりのゴール」を見る



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