PERFECT DAYS
映画の無料鑑賞ポイントが貯まったので、
日曜に映画館に行こう!と思い立った。
最近はアニメばかり見ていて映画はあまり見ていない。
上映作品一覧を眺めているとカンヌで役所広司さんが賞を取った映画があったので、それを観ることにした。
元々殺しやバイオレンス、ミステリーなどはあまり好きではなく、
何も起きないほのぼのとした作品を好むのだけど、これが大当たりだった。
主人公は、下町に住む都内のトイレの清掃員。
境内の掃除をする箒の音で毎朝目が覚める。
開始5分で、やっぱり役所広司という俳優はものすごい、とため息をついてしまった。
ベテランもベテラン、その道数十年の俳優なのに、なぜ古びたアパートに住む、毎日肉体労働をする清掃員に見えるのか。
起きて布団を畳む動作
階段を登る足音
自販機でいつものコーヒーを買う仕草
スカイツリーを見てからカセットを入れる流れ
全てが何年も続けてきたことのように自然。
前半はほぼセリフがない。
平山の息遣い、目線、表情で
この人がどんな人なのか観てる人にわからせてしまう。
そのことが本当に感動で、しばらく見惚れてしまった。
毎日の平凡な日常。
自分で選び取ってきた住むところ、仕事、好きなもの。
日々の習慣こそがその人自身を作っている。
それは簡単に変わることはないし、自分から変えることこそないのだけど。
思い出して、ニヤニヤする日もある。
ストレスが溜まってイライラする日もある。
悲しいやら寂しいやらで泣いてしまう日もある。
毎日同じ流れの繰り返しなのに、
変わらないものなんて何もない。
それこそが完璧な1日なんだと気付かされる。
楽しくても悲しくても寂しくても嬉しくても、
全てがここにあり、完璧すぎる1日。
ラストの平山の表情が人生の寂しさを表してるようで、
それでもここからまた1日が始まって行くような希望のようで、とても良い映画だった。
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