一等好きな食べ物
チョコレート。マクドナルドのアップルパイとバーベキューソース。母の酢豚。マグロと海苔巻きとお寿司。フライドポテト。28年、変わらず好きな食べ物たちを思いのままに羅列してみた。
それらを抜き去る形で、私の一等好きな食べ物に君臨したのが、ヤマザキのチップスターである。のり塩味もいいけれど、オーソドックスなうすしお味が不動の一位で、何も食べられなかった悪阻のときもチップスターのうすしお味なら食べられた。その救われた経験から、私の中でチップスターへの信頼と好感度は抜群だ。
一人目を妊娠したときの悪阻は酷く、ケトンが出て、入院の一歩手前だった。水を飲んだだけで吐けた。体重が1ヶ月で6キロも減り、人生初の瀕死状態という感じだった。離島に住んでいるので、往復二時間のフェリーとそこからの移動も一人ではままならず、何度か旦那の送迎にも頼り、帰りの車内で、コンビニで買ってもらったチョコミント味のアイスクリームをちびちび舐めた。
飲まず食わずでは、お腹の我が子に申し訳ないし、入院は高いだろうから、何とか悪阻スパイラルを抜け出そうと、食べたら気持ちが悪くなって吐くだろうという恐怖を抱えつつ、食べられそうな物をなんとか口にしては吐いていた。
ヨーグルトやゼリー、りんごやバナナなど、風邪を引いたときに食べるであろう物たちをいくつか試してみたが、悪阻真っ只中の私はものの見事に吐き出して、ベッドに横たわった。具合が悪くても携帯を触ることはできたので、ずーんとした気持ちで、悪阻や妊娠について調べ、動画や体験談を漁った。
その中で「マクドナルドのポテトなら食べられた」という話をよく見聞きした。脂っこいもののほうが食べやすいなんてすごい。
幸い、ポテトは私の子供の頃からの大好物だし、それに賭けてみたくなった。だが、島にはマクドナルドはおろかチェーン店すらない。この具合の悪い中、キッチンに立って揚げ物をするなんてリスキー過ぎる。
ずーんとしながら、ポテトっぽいお菓子なら食べられるかもしれないという結論に至り、塩気のあるポテトっぽいお菓子で、私の頭に浮かんだのがチップスターとポテトチップスとじゃがりこだった。ベッドの中から夫にラインを送り、仕事帰りにスーパーで三種類を買ってきてもらい恐る恐るつまむと、チップスターが一番抵抗なく食べられた。
その日からSサイズのチップスターのうすしお味が、しばらく私の主食だった。こんなに美味しいお菓子だと知らなかったことが申し訳なくなるほどに助かった。夏場の一ヶ月ほどを私はチップスターを食べて生き延びたのだ。
今これを読んでくださっている方の中で、悪阻に苦しんでいる方がいたら、私のように試してみてほしい。それで気分を悪くしてしまったら本当に申し訳ないのだけれど、もし誰かの救いになることが出来たなら私も嬉しいです。
チップスター。チョコレート。マクドナルドのアップルパイとバーベキューソース。母の酢豚。マグロと海苔巻きとお寿司。フライドポテト。