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AWSの社内教育を開始 - 第2回:AWSでのネットワークを昔の物理的なネットワークで説明する

AWSでの作業の順番は、だいたい以下のゆうになることが多い

ネットワークを作る  →  EC2とRDSをたてる  →  ディプロイする

この前半のインフラ構築の部分をどう説明するか、ということをまず考えた。

ネットワークもEC2もRDSも、AWSのなかではすべて仮想化されている。
仮想化されているということは、1つのネットワークケーブルやルータ、1つのコンピューター、1つのディスク、などの単体のハードウェアで存在していないということであり、その実態を正確に絵で書いて説明することは難しい。

無理やり絵にしてみると、↓こんなふうになっちゃう。

ちなみに下はラックに詰まれたサーバーのクラスターと配線を書いてます。雑(笑

そこで、一旦、正確性には目をつぶって、昔々、まだネットワークもサーバーも単体のハードウェアとして存在していた頃の絵を使ってこれらを説明することにした。
今の若い人はこの昔々を知らないので、いきなりAWSのクラウド、仮想化されたものを教えても、それは記号としてしか頭に入ってこないかもしれない。
そこで、昔々のお話をして、AWSに存在する種々のコンポーネントが実在したハードウェアのメタファーであること、そしてそれらの実在したハードウェアや構成の絵を見せて教えることによって、記号だけではなく、ビジュアル的なイメージを頭に持ってAWSの各コンポーネントを理解してほしいと思ったのである。

ここからは僕と同じ40代以上の人なら知っている昔々のお話です。

ただ、僕も昔々の人であるが、その昔も今もネットワークエンジニア、あるいはインフラエンジニアだったことが一度もないため、精度はかなり低くなるものの、こんな↓絵を書いて、ローカルネットワークというものが存在したんだよ、ということを教えた。

字も汚く精度も低いですが昔のネットワークのつもり💦

VPCを教える

上の絵を見せたところでいよいよ、VPC、すなわちバーチャルプライベートクラウドの説明に入る。

バーチャルプライベートクラウド => バーチャルなプライベートのネットワーク => 昔々のプライベートネットワークが仮想化したもの

というふうに話して、上の図のような空間を仮想的につくるのが、VPCをつくる作業だよ、伝える。

 このVPCの上に、サーバーである、EC2とRDSを置いていく、というのが次の作業、ただ、その前に、サブネットというものを作らないと行けない、ということを、下の絵を使って教え、

昧茫漠たるサブネットグループのイメージ図

サブネットが昔々どういうものだったかを描いた。

ここまで来ると昔々の
ネットワーク ⇔  バーチャルプライベートクラウド
の対比が頭のなかでイメージできるようになってくる、というのを教えていても感じられるようになってきた。

ここでやっかいなのがAZである。
上の絵の昔の大学のネットワークでは、サブネットは全部物理的にも大学の中にあったのだが、今のサブネットは、あるものは、東京のAの場所(ap-northeast-1a)に、あるものは東京のBの場所(ap-northeast-1b)にある、というふうに場所の概念はAZによって(悪く言えば)破綻しているので、そこは丁寧に説明した。
Wikileaksによると東京には8箇所くらいアマゾンのデータセンターがあるそうなので、そのどこかに分散しているじゃないかな、と、実際にデータセンターの場所がプロットしてある地図を見ながら説明する。

ここまでAWSの社内教育をして思ったのは、僕のAWSの社内教育の教え方は社外での教育には全く使えない、ということであった。

社内教育であれば「雑に説明できる」し、聞いているほうも流石に社長が言っているので内容が雑であっても信じてもらえる。
これがとても良くて、AWSはまず雑に説明するのが一番理解が進む。

だけど、これが社外で教えるとなると、こんな雑なコンテンツを人様に説明することも難しくなるし、また聞いている人も講師への信頼度が最初からあるわけではないので、雑に説明している人を信じて集中して聞くことは難しいだろう。
AWSは雑に説明できれば優しく教えられるが、外では雑には教えられないので、優しく教えるということは外ではできない、
というジレンマに気づいたのであった。
なので、このように日記には書けるのだけれど、もっと詳しくチュートリアルのようには書けないのが残念である。。

ただここまで“雑“の強みに頼って昔々のネットワークとVPCを強引につなぎ込んできたおかげで、AWS初習者のころに僕自身が一番苦しんだVPCの理解がかなりIさんの中で進んだ気がした。

次に、EC2とRDSを説明する。
EC2とRDSも割り切って、1台のサーバーだと説明した。
EC2は1台のLinuxサーバーだと思うのが一番良いといきなり説明した。もちろん、このブログの一番最初に貼ったあの汚いラックとワイヤーの絵をもう一度みせて、実態はおそらくこんな感じだろけど、昔々、EC2は床に転がった1台のコンピューターとして存在し、基本的にはそのように考えていいよとこれまったざっくりと教えたのである。

RDSはリレーショナルデーターベースサービス、とその名の通りに受け取ると何のことかさっぱりわからない。
そこで、下のような絵をみせて、RDSもただのLinuxサーバーであり、そこに、PostgresなどのDBMSのプログラムが動いていて、データーはファイルとして、SSDかハードディスクに保存されているのだ、と説明した。

ここまで昔々のネットワークを使って説明すると、VPCもEC2も、RDSもより物理的なイメージを伴って頭の中に入ってくるのではないか。

Iさんは昔々のネットワークに触れたことのない世代だが、ラズベリーパイにサーバープログラムを走らせて、iOSアプリからそのサーバープログラムのAPIに接続しないと行けないプロジェクトをやったことがあり、ラズベリーパイとiPhoneの”ローカルネットワーク”を体験したことがあったので、それが昔のネットワークをイメージする上で手助けとなった。

このように現代でもラズベリーパイのように昔々のテクノロジーは息づいていて触れる機会があるので、こういったものを使って実体験をさせて上げると更に覚えたことに自信をもてると思う。

AWSの各種のコンポーネントを”記号”として覚えさせるのではなく、メタファーのもととなっている実際のハードウェア、ソフトウェアを使って第2回の講義を終えたのであった。

続く。








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