私と野良猫物語②ルキとの思い出

海で拾った猫は『ルキ(流輝)』と名付けました。

今思うと、かなりやんちゃで王様気質な猫だったと思います。彼は自分を人間と思ってたのではないかなと感じるところがありました。

ルキは凶暴でした。(笑)

室内飼いにしてたので、彼の周りには私と母しかいません。

私たちが動くと、シュッと手をのばしてきました。爪が出ていたのでいい迷惑でした。

妹は『お風呂あがりにルキちゃんに引っ掛れるのが怖かった』と語ります。

歩く足に向かってじゃれてくるのです。いい迷惑ですね。

妹が半泣きだったのを思い出します。(笑)

私が一番恐怖に感じたのは、拾ってから数日たった夜でした。

『猫と一緒に寝たい』と言う願望から、ルキと一緒に布団に入ってました。

ルキはすぐに寝る事はあまりなく、私の足元で遊んだり、枕元で髪の毛をクンクンと臭いをかいだりしてる事は多かったですが、寝れない事はありませんでした。

何日か過ぎた頃、私はルキに殺されかけました。

いつも通りにルキと一緒に二階に上がりベットに入りました。

今思うと、足元で遊んでるルキに対し足を動かしたりして遊んでしまって興奮させてしまったんじゃないかと思います。

ルキが寝ている私に爪を立ててきました。

私は布団をかけ、あおむけで寝ています。

ルキは、掛布団の上から目を爛々とさせて私の頭をひっかいてきました。

『痛い、やめなさい』

痛かったので、布団をはらってルキを足元の方に飛ばしました。

ルキはすぐに体制を立て直し、私にむかってきます。そして攻撃。

『なんなのやめて』

私はまた布団をはらい、ルキを足元へ。

ルキはすぐさま私に向かってきて、攻撃。

『ルキちゃん、お願いだからやめて』

こんなことを何回か続けてました。

ルキは今までのかわいいルキでなく、何かにとりつかれたような凶暴な生き物になっていました。

私は寝たかったので、布団をかぶりルキの爪から身を守りました。

ルキが布団を噛んで『フー!』という息遣いと、ガリガリと布団に爪をたててる音が聞こえました。

正直、恐怖でした。

猫ってこんなに凶暴な生き物なのかと認識しました。

ルキの凶暴化は本当に恐怖でしたが、今布団から出て動いたら本気で攻撃されると思い、ずっと布団にもぐっていました。

そして気づいたら寝てました。(笑)

翌朝、母に夜の出来事を話ました。

『ママ、ルキちゃんに襲われた、殺されそうになった。今まであんなに大人しくて可愛かったのに』

『猫かぶってたんじゃないの?』と、母は笑って言いました。

ルキは基本的に攻撃的な猫だったと思います。

リーダー意識が強く家にやってきた野良猫と喧嘩した事もありました。

ルキに殺されそうになったエピソードは実はもう一つあるのですが、この話は後程。

ルキはやんちゃな猫でした、私はルキにはかないませんでしたが。

ルキは母にはかないませんでした。(笑)

ある日、ルキが母にいたずらをして母を怒らせた事がありました。演出だとは思いますが、母は新聞をまるめ床を一度叩くと、その新聞を持ってルキを追いかけました。

『ルキ!いつまでふざけてるんだ!』

ルキは耳をぺしゃんこにして走って行く姿、廊下の端に追い詰められて『降参』というようにひっくり返ってる姿を数回見た事があります。

母は猫に対しても本気で怒ってました。

私も怒った事はありますが、母曰く『そんなんだからルキになめられるんだ』と言われてました。

凶暴なルキではありましたが、ルキが他の猫と違っていたのは足元で身体をこすりつけて甘えるという行為はしたことありませんでした。

ルキは基本、私たちと対等にいようとしていたと思います。

ご飯をねだるときや、挨拶するときは私たちの目線までやってきました。

テーブルにのり、顔を近づけ鼻と鼻でキスをします。

撫でようと手を出すと、ルキも手を出してきましたが

顔を近づけても手は出てきませんでした。

私はルキとのお鼻でのキスが好きで、他の猫ともしようとしましたが。この特徴をもってる猫には未だあえて居ません。


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みずたまねこ
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