筑波大学人間学群教育学類推薦入試 合格体験記
(2020年11月 加筆・修正)
はじめまして。筑波大学人間学群教育学類1年生の、Mizutamaといいます。タイトル通り、この記事では私が受験した推薦入試の情報を、少しでも多く受験生の皆さんに伝えたいと思います。
合格者が7名という小規模な入試であるため身バレは不可避な気がしますが、なかなか情報の入手が困難だと思いますので、この記事が皆さんの助けとなれば幸いです。なお、できる限り詳細に記述することに重きを置いており、簡潔さは欠いておりますのでご了承ください。
入試概要
初めに、入試の概要をお伝えします。すべて昨年度の情報であることにご留意ください。
募集人数:7名
実施時期:11月28日、29日
推薦要件:調査書記載の成績評価A段階ほか(後述します)
提出書類:調査書・推薦書・志望理由書ほか
試験科目:小論文・面接
では、上から順に説明していきます。
募集人数
7人と聞くと少なく感じるかもしれません。しかし規模の小さい教育学類において、これは実に全募集人数の5分の1にあたります。推薦中心の入試計画を立てているわけでなくても、受験を検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。
実施時期
11月下旬です。私にとっては定期試験直前でした。例年2日間にわたり試験が行われるため、遠くから来る場合は宿泊施設を手配するケースが多いと思います。私は試験の前日につくば入りしましたが、周りにも同様の人が多くみられました。
推薦要件
3つの異なる要件が示されており、どれか1つを満たせば出願が可能です。かなり幅広い人に門戸が開かれている入試だと思うので、(今年度から変更となる可能性はありますが)、是非一度募集要項をご覧になってください。
提出書類
調査書について言及することは特にないかと思うので、その他の書類について。
<推薦書>どの要件で出願するか自分で決定し、その要件についての説明や出願者の人物像などを所定の様式の推薦書に記載してもらう必要があります。
詳しくは筑波大HPを参照していただければと思いますが、私の場合は教育分野のレポートを書いた経験があったため、要件2を選択し高校の先生に書類を作成していただきました。ちなみに評定は4.7でしたが、入試選抜にどれほど影響しているかは定かではありません。
<志望理由書>600字以内で作成する必要があり、これは他の大学と比較するとかなり少ない文字数だと思います。私は10月初めから準備を始めました。
また、あまり高校では入試対策をしてもらえなかったため、塾の先生と何度か原稿のやりとりをし、添削していただきました。面接の際に深堀りされる可能性が高いので、ネタを提供するというつもりで複数の要素を入れるようにしました。
試験科目
ここでは主に、各科目の対策についてお話します。
<小論文>制限時間120分で、教育に関する英語の長文を読み日本語で回答します。設問は例年、下線部の和訳や説明が数問あり、最後に文章を前提にした600~800字の小論文が課される形式となっています。英文の難易度は、英検準1級程度と感じました。
対策としてはまず、過去問を解くことが重要です。私は、解いた過去問を学校の先生に対策していただきました。
アドミッションセンターのHPで直近3年間の過去問が公開されています。現在掲載されているすべての年度の問題に著作権の問題から長文にモザイクがかけられていますが、出典は示されているためネット上で検索すると元の文章が出てくるかもしれません。
過去問を得るもう1つの方法として、赤本があります。推薦入試の過去問が出版されている例は非常に稀ですし、英文もモザイクなしでばっちり載っているので、買う価値はあるのではないでしょうか。赤本の欠点は、最新年度の問題が掲載されないことです(2020年度版の赤本であれば、2017・18年度分のみ)。
最新年度の問題も確かめたいという方はパスナビのサイトをチェックしてみてください(要会員登録)。どの時期に更新されるのかはわかりませんが、私が昨年の秋に確認した際には最新の問題を見ることができました。※2020年11月現在は試験の掲載を確認することができません
さらなる対策としては、毎日英文を読み、英語の勘を鈍らせないことでしょうか。私は何日も読まないと英文がまるで記号の羅列にしか見えなくなることがあったので、長文問題が何題も載っている問題集を利用して欠かさずに取り組むようにしました。
<面接>
塾の制度を利用して練習をしました。もともと面接が苦手なタイプではなかったですが、大学への熱意がきちんと伝わるように、また複数の答えに矛盾が生じないように意識して話すようにしました。また、先ほども言ったように志望理由書については確実に突っ込まれるだろうなと予想し、一文ずつ丁寧に想定質問と回答を考えるようにしました。
また、これは小論文にもいえることですが、教育の分野で今話題になっていることを知るのはとても大切だと思います。私は新書や、新聞の教育面の記事を積極的に読むようにしました。
入試当日
ここからは、受験のためにつくばに移動してから試験が終了するまでを順に追っていきたいと思います。
試験前日
試験前日につくばに移動しました。まず、11月下旬のつくばは想像以上に寒いので、しっかり防寒をして向かうことをおすすめします。私は現地でマフラーを買い足すことになりました。
前日のうちに行ったのは試験会場の下見です。つくば駅前から大学循環バスが出ており、会場付近のバス停で降車して会場に向かいました。
そこで、試験に関するインフォメーションの看板が設置されており、思いがけなく出願人数を知ることになりました。前年と比べて大幅に増加しており、試験前日にして心が折れました(笑)。試験の下見はとても大切ですが、覚悟の上臨んだほうがよいかもしれません。
ただ、試験2日目の面接試験を自分が午前・午後どちらに受けるのかもこのインフォメーションで知ることができるので、チェックの意味はあると思います!
試験1日目
出願人数を知ったショックであまりよく眠れませんでした(今となっては笑い話ですが、当時はガタガタ震えていた)。リラックスして、早めに寝ましょう。睡眠、大切です。
翌朝、ホテルの朝食場所にも制服を着た受験生がたくさんおり驚いたのを覚えています。
試験場には、前日と同じく大学循環バスで向かいました。集合時間は9時半で、それなりに余裕をもって出発したつもりでしたが、バス停は驚くほどの大行列でした。乗車までにはかなり時間がかかったうえ、教育学類の試験場は1番奥だったので、結局着くのは集合時間ギリギリになってしまいました。中には集合時間に遅れて到着している人もいたので、できるだけ早めにバス停に向かうことをおすすめします。
<小論文>ここからは実際の試験について詳しくお話しします。小論文は、人間学群すべての学類の受験生が1つの大教室で試験を受けます(無論問題は別々です)。3学類合わせてかなりの人数が集まっているうえ教室は静寂に包まれており、かなりの緊張感がありました。
試験時間は2時間と聞くと長く感じるかもしれませんが、かなりあっという間に過ぎてしまうと思います。入試結果は試験終了ギリギリまで変えられるはず!なので、時間をフルに使いましょう。終了後には、次の日の面接試験の集合についてアナウンスがありました。
試験終了後は「あれ、いけたんじゃない?」と謎の自信を見せた私でしたが、2日目の終了まではこんな風に前向きマインドでいること、すごく大切だと思います。うまくいったところをできるだけ沢山思い出してみてください。前日眠れなかった方は、お昼寝も!
ホテルに戻ってからは、全力で面接試験のイメージトレーニングをしました。不思議なことに、それまでの練習よりもこのイメトレが本番に役立った気がします。1日目に奮わなかったとしても、まだ挽回できるチャンスはあるはずです。しっかり準備しましょう。
試験2日目
私は集合時間が午前だったため、1日目と同じくらいの時刻にホテルを出発しました。バス停には行列ができてこそいたものの、午前午後に集合時間を分けている学群が多かったためか前日より人出は少なかったです。
<面接>試験場に着くと、昨日とは異なる建物の小教室に案内されました。教室内には人間学群志望者のうち、午前集合の生徒が全員集合していました。この時点で携帯の電源はオフにするよう指示された気がします(わりとどうでもいい情報ですね)。
ほとんどの人が面接の回答をまとめた紙や、志望の学問分野に関する本を眺めていました。どうしても周りの受験生が気になってしまうと思いますが、きっとみんな同じように緊張しています。「自分は役者だ!アイドルだ!」と言い聞かせて、堂々と面接室に向かえるようにしましょう。
そして試験時間になると、受験番号が前の人から順番に面接室に誘導されました。教育学類の場合、面接室は3つ用意されていたと思います。面接時間はどの人に対しても15分程度のようでした(1つ前の受験者も、私もそのくらいでした)。
面接室に入ると長机の前に面接官が3人座っており、それぞれの面接官から一定時間ずつ質問を受ける形式で試験が進みました。質問内容ですが、覚えている範囲では
・志望理由
・自分の長所、短所について1分話す
・その短所を改善するためにどんな取組をしたか
・学問以外で大学生活で取り組みたいこと
・研究論文の執筆から学んだこと
・(論文に関連して)◯◯という本はもう読んだか
・将来の目標
などについて聞かれました。後から他の合格者に聞いてみたところ、多くの人が長所と短所についての質問を受けていたようです。
面接には苦手意識もなければ得意だとも思っていませんでしたが、質問の後答えに詰まらないように気をつけました。また、私が例外だった可能性もあると思いますが、前日の小論文試験について何も聞かれなかったのは意外でした。
質問に答えている最中、面接官の1人に確実に首を傾げられ、冷や汗をかきましたし素直に「終わった」と思いました(笑)。しかし、実際には合格を頂くことができたので、面接官の反応を気にしすぎることはないと思います。
さて、これで試験は終了です。お疲れさまでした!
私は帰り道、気持ちを切り替えるために、真っ白な紙に自分の気持ちや反省点、ここはうまくいった!など、思うところを全て書き出してみました。
合格発表まではどうしてもモヤモヤした気持ちが続くかもしれませんが、しっかり自分を労わってあげてくださいね。
おわりに
私が試験についてお伝えできるのはこんなところでしょうか。さらに知りたいことや疑問に思うことがあれば、気軽にコメントしていただければと思います。また、コメントで公開しにくい内容であれば、メールアドレス mizutama.education@gmail.com までご連絡いただければ返信いたします。
大学についてよりよく知るために、ぜひキャンパスを訪れてください、あわよくば大学説明会でお会いしましょうと言いたいところですが、2020年5月現在、新入生である私さえも構内に足を踏み入れることができません。(2020年11月追記:筑波大でも、対面授業が少しずつ始まっています。私が受けている授業は相変わらずオンラインばかりですが、友人と会うこともできるようになりました!)
それでも皆さんが希望の進路に向けて力を尽くせることを心から祈っています。ここまでお読みいただきありがとうございました!