メルマガ解除記
無性にいやな気持ちになった。
だから私は、メールマガジンを解除しまくった。
今日は温かいのか寒いのか、よくわからない日だ。こういうときは、なんだか掃除をしたい気分になる。
視界に入る情報量と、ストレス量は比例するって、どこかの誰かに聞いた気がするからだ。
ただ今日は、頭ではそう考えても、気力が無くて、ベッドから出られそうにも無かった。無気力に流されるまま、自堕落にスマホをいじっていた。
そうして目に入ってきたのが、毎日10通程度届く、メルマガだった。
こいつは毎日様々なところから届いた。服屋、家電屋、ごはん屋、ゲーム屋、公共料金、ふるさと納税。
実のところ、その半数以上は開けていない。
思い返すと、メルマガには毎日がっかりしていた。
私のために届いているはずなのに、私自身はそれをほとんど必要としていない。家のポストに毎日入ってるチラシと、大差なかった。
ああ、これは今なんだろうなっておもった。
めったに訪れない、メルマガ解除時というやつ。
私は、パスワードも忘れた会員サイトの、もう何年も〝購読〟していて、何年も読んでいないメルマガをガンガン解除した。
そのついでに、もう何年も使ってない会員登録も解約した。
これからは、私が本当に欲しいものだけが届くように。
嵐のような勢いでメルマガ解除通知が届いたあとは、メールボックスがシンと静まりかえった。
あんなにうるさかったのに、全く動かなくなってしまった。
これはこれで少し寂しかった。
本当に私宛のものなんて、ほとんど無いことを、自ら可視化してしまったからだ。既に家のポストで可視化されていることに関しては、もう何も言うまい。
ただ、感傷にひたっても、行き違いで届くメルマガ最終便を開くことは無かった。
メールボックスの隅に埋もれて、きっと明日には忘れているだろう。
明日からは、メールの新着通知が全然来ないことに、がっかりしないように生きていきたい。