自分史4(良い出会いに恵まれて少し進める)
その社員さんをSさんとします。
共通の趣味があって、Sさんとは仲良くなって、私が職場で緊張しやすいことなどの相談にも乗ってくれました。
私は当時、人の輪の中に入って行ったら自分だけ追い出されるんじゃないのか、という感覚があって、慢性的に怖がりながら仕事をしていたのですが、
「〇〇さん(私の名前)が人殺ししたりしない限り、周り全員から攻撃されたりしないと思うよ」
とか、Sさんは私が「ほんとだ、そうだよな。」と安心させてくれるような、胸にすっと入っていくような言葉をよく言ってくれていました。
私はものすごくSさんに感謝して、アルバイト先もなぜか、私が絶対に無理となってしまうような苦手なタイプの人がほとんどいなくて、3年ほどそこのアルバイトを続けることができました。
本当に奇跡に近いような、私に合っているアルバイト先でした。
私がフリーターなのに全然稼いでいないことは絶対ばれていたと思うのに、そういうところを突いてくるような人は奇跡的に誰もいませんでした。
当時もまだまだ不眠に対する恐怖が強かったのですが、大学へ毎日行く必要がないので、毎朝好きな時間に起きていました。
時間をアラームにセットした時点で眠らなければならないという強迫観念が起きてしまうため、アラームなどはセットせずいたので、14時起きとかザラでした。
アルバイトは夕方からの時間帯しかなかったのもありました。
母は、私が強引に大学を辞めたあたりから、干渉することが減ってくれました。だんだん、私をきちんとさせようとしても逆効果だし、どうしようもないという感じになっていったようでした。
夢のための行動もそれなりにしていたけど、あとはアルバイトに対するプレッシャーとかで精一杯で、(毎朝起きることもできないのでどちらみち正社員も無理、という状態)
どうすれば普通の人のようになれるのだろうと思いながら、アルバイト先へ恐怖感と戦いながら通うことは頑張ろうと思っていました。
ある日、母と大げんかして、気持ちがどうにもならなくて家を飛び出して、Sさんに電話をしました。
とにかく話を聞いて欲しくてたまりませんでした。
Sさんは困っていましたが、時間を調節してくれ、会って話を聞いてくれました。
私は家族に対して色々感じていることや、自分なりに努力してきたことを話し、Sさんは「家族がどうにも話を聞いてくれないなら、○○さんは手をひいていいんだよ。関わらなくていいんだよ」
と言ってくれ、ああ無意識に私は家族と関わらなくちゃ、離れちゃいけないと思っていたけどそれは違うんだ、と気がつきました。
また、Sさんは、私が悩みや迷いを話すと、「○○さんは考えすぎて損をしている。でも、何にも考えてないで日々生きている人に比べたら、○○さんはきちんと考えられていると思うよ。○○さんは何もおかしくないよ」
と言ってくれ、他人にそう言ってもらえると、確かにそうだなと思えて、
慢性的に自分を信じられないような不安がある私に、大きな勇気をくれました。
バイトへ行くと家に帰りたくなくて、やっと外の世界の世界に出られたという感じがして、だんだん家という存在が私から遠のいていきました。
1年ほどそこでのアルバイトを続けた頃、地に足をつけて前より考えられるようになり、学校に行って普通に就職したいと思うようになりました。
母はもちろんそれには賛成してくれ、もう一回短大へ入れてくれ、アルバイトも続けながら、英語の勉強をし始めました。
年下の子たちばかりで、日々緊張の連続だったけれど、英語の勉強ができることが嬉しかったし、親にお金を払ってもらって申し訳ないという気持ちが芽生えて、無駄にしないように勉強していました。
父から「何も最後まで努力したことがないのでは?」とその頃言われたのもあり、確かにそうだと思って、英語は限界まで一生懸命やってみよう、とも思っていました。
2年生になった頃から、だんだん疲れが出始めたというか、ちょっとずつ頑張りが続かなくなってきました。
うまく睡眠が取れない日が増え始め、精神的に追い詰められる感覚が増してきてしまいました。
就活が始まり、母からの追い詰められるような言動がまた出てきて、余裕がなくなっていきました。
母に、「お願いだからそういう風に追い詰めないで、プレッシャーを感じると絶対結局うまくいかない」と話しても、母も強迫観念が止まらない状態になってしまうと、どうにもならないので、私はまた追い詰められていきました。
2年生の秋頃だったか、私の体はしょっちゅうのぼせたり、寒気がしたり繰り返すようになり、頭も働かなくなり、何かがおかしいと思ってもどうにもできなくて、限界がきて、学校を休学することになりました。
後で色々調べて、自律神経失調症とわかって、鍼灸院に通って、だんだん元気を取り戻した頃には、卒業するはずだった年の春頃でした。
アルバイトは少しずつ続けていました。Sさんもシフトの調節など親身になっていてくれていました。
学校へ行くようになって、毎朝起きることはできていましたが、それだけで精神的にやっぱりギリギリな感覚があり、やはり就職して職場に毎朝起きて、朝から夕方まで拘束されるのは、ちょっと耐えられないかもしれない、と感じて、とりあえずフリーターに戻ろうと思いました。
もともとカフェで働くことに憧れていて、挑戦してみたくなり接客が多い職場に変えました。
そこでは年下の大学生の女の子たちが友達感覚で接してくれて、部活のようで、高校の頃体験し損ねたような感覚を経験できて、とても嬉しかったです。
高校の頃も友達関係はありましたが、薬でふわふわしていたし、基本は恐怖とワンセットだったので、楽しむ余裕がありませんでした。
それでも私は友達に対する恐怖感、ある日突然嫌われたりしないかとか、そういうのが消えなくて、精神をすり減らしていたけど、それでも楽しかったのを覚えています。
短大の時は自分が周りの年上だったので、友達はいたけれどちょっと感覚が違ったのかもしれません。
続きます