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イラストレーターをRPG風に考えてみた!(前編)
こんにちは。
フリーランスの背景イラストレーターの水獅子と申します。
イラストレーターをRPGで考えたらどうなるのだろうかと、ふと思い執筆しました。かなり長めの妄想話にはなりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。背景イラストレーターなので、背景イラスト系メインのお話になります。
(後編)の記事について
自分自身の人生赤裸々な内容につき、恥ずかしいので
こちら1週間限定の無料公開記事とします。(2025/03/09)からは¥500の有料記事とさせていただきます。
前編は無料の記事とさせていただきます。
●お読みいただく前の注意事項●
(2025/03/02時点の私水獅子が知っている情報)である事に留意して参考程度に考えてもらえたらと思います。背景業界の皆様へ「ここは大きな誤解だ」というものがあれば、DMでこそっとその場所と詳しい内容を教えていただけると幸いです。そちらの情報を元に表現の変更や加筆をさせていただきます。
物語の始まり
私は、見習い絵師Lv.10の水獅子です。「絵で生活をする事」あるいは「神とも呼ばれる絵師」を目指して訪れる場所があります。その名も「お絵かき列島」です。
全く違った特徴があるその島にも、共通点があります。
それは、雲にも届くような巨大な山々が島の中に必ず存在しているというのです。
どうやら…その山の頂上を制した時、Lv.100の神絵師になれるともっぱらの噂です。その噂を聞いた私は、目を輝かせて「お絵かき列島」にある島に行くことを決めたのでした。
船着場と沢山の島々
「島に行くには、船着場に行くのが手っ取り早い」と情報を得た私は、
船着き場に到着しました。そこに着くまで全くと言っていいほど情報がなかったのですが、初めて「列島の地図」を入手することに成功しました。
地図を広げてみると、そこには複数の島の名前が書かれていました。
・背景島
・人物島
・モンスター島
・広告島
・漫画島
などなど、数多くの島があるではないでしょうか。
●船着き場での会話に耳を傾ける
船着き場で悩んでいると、どうやら私のように初めて島に向かおうとしている人だけではなく、島から戻ってきた人もいる事に気がつきます。
A「島の空気にやられ、しばらくは島以外の場所で暮らそうと思う。体調が良くなったら戻ってこようかな?」
B「元々、『人物島』に挑んではみたが、どうも自分のスタイルと合わなかったな。他の島の方が向いていそうだ。勉強し直しだが、まぁ他の島に行ってみれば、なんとかなるだろう!」と豪快に笑う人。
C「もう、島には挑まないかな。元いた場所で楽しく暮らそうと思う。」
D「ずっと諦めていたが、島に行ってみたいと思う。若者より不利かも知れないが、島以外での経験が活きるかもしれん。」
色々な年代の方々の色々な想いが交差する…そんな場所でした。
●自分は船でどの島に向かおうか…
見習い絵師Lv.10の私は過去を振り返ります。
レベル上げという名の自主練習落書きの数々。
Lv.100の最強絵師への憧れはありました。
背景もキャラクターも1枚の絵を美麗に仕上げる最強絵師●●さん。
しかし、自分自身の絵描きスタイルを振り返ると、憧れていた最強絵師●●さんのような絵を描けておらず、画力以前に方向性として違う気がしていたのです。
何より一番描いていて、楽しく描くことができたもの…
それが背景イラストだったのです!
船着き場にいると色々な情報が入って来ました。
山は簡単に登れるような場所ではなく、山の頂を目指して登り続けるには、そこで仕事をして生活をしていくのが近道だという話。仕事は商人ギルド(会社)からであったり、ゲスト(個人)からのご依頼と2種類あります。そのどちらをメインにするのか悩む人もいました。
また、島に来ても山に登らず楽しく暮らす(絵の仕事ではなく完全な別の仕事をしつつ、趣味として絵を最大限に楽しむ)という選択肢もあります。ごく稀に山に登っていないのに、恐ろしい実力者の方もいます(天才肌)。そんな方が口にするのは、「山を登るのは自分では楽しめない、自分は山に登らない今の生活が気に入っている」
自分よりも才能がある人間、努力を努力として認識しないタイプの人も居たりするのです。
正直、私は若くはないです。しかし、私は山に登ることを諦めることができなかったのです。才能はなくても一度きりの人生なので、挑戦する事にしました。
山に登るには、登り方をしっかり分かった上(自分の目的にマッチした努力)で鍛錬した場合には、最低でも3年ほどあれば3合目までいける可能性は高いです。目指す山によっては、それ以上かかる場合があります。逆に山との適性が高く、体力があり本気で1年頑張り成果を出す人もいたりします。年数をかけてもどこまで登れるかも含めて未知数なのです。
背景島への到着
背景島は自分がいた街より、
控えめで穏やかな人が多かったです。
しかし、すぐにやばい場所だと気がつくのでした。
控えめな姿とは対照的な恐ろしいほどの「Power(画力)」を持った高レベル帯の方が大勢いるのでした。
●色々な山と登る前の基礎
「ここで、私はやっていけるのだろうか…?」
島に来るまでに意気込んでいたのに、そこに広がる現実に圧倒され、ついつい不安が口から溢れる。
すると、後ろから温かな声が聞こえてきました。
「好きで続ける事ができれば、きっと大丈夫だ。はじめは誰でもLv.1からスタートだ。続けて行く内に必ず自分を見てくれる人は現れる」
そんな優しい言葉をかけてくれた人がいました。(今後:先輩と呼ぶ)
励まされた事もあり、いつかを目指して、山を登頂することを決意したのでした。
山に臨む前に、まず島全体について理解したいと思い、調べてみる事にしました。この島の山は一つではない。山は複数あり、その形も全然違う事に気がつきました。「アニメ背景山」「漫画背景山」「ゲーム背景山」「VTuber配信背景山」など様々で、かなり多くの山が存在していた事を島の地図で知る。島に入るまでは、全然気がつかなかった世界との出会いである。
どの山を登ろうか迷っていると、先輩がタイミングよく顔を出しました。
先輩「どの山か迷っている段階では基礎が大事だ。バイブルであるジ●リのイラスト模写*1も勉強になるし、デッサン*2も勉強になるからしておいた方がいいぞ。」
私「デッサンならやって来ました!模写もやってみます。」
先輩「Lv.上げにもってこいだから頑張れよ〜!あと、パース*3についても理解しておいた方がいい。」
私「はい!パースについての理解も深めていきます!」
【模写】*1
対象のイラストや写真を見ながら、そっくりそのままイラストとして描くというものです。二つ並べて見分けがつかないレベルであればあるほど学びが深いです。デッサンと違い、モノトーンのイラストや写実的なイラストに限らず、元のイラストをそっくりに描く練習方法です。
【デッサン】*2
鉛筆や木炭などの描画材を使用し、モチーフの形をモノトーンでとらえて描くことを言います。立体感(面の意識)・陰影・質感を練習するのにもってこいです。
【パース】*3
絵画で遠近感を表現する技法で、英語では「Perspective(パースペクティブ)」といいます。透視図法とも呼ばれ、空間を表現するための技術です。
「1点透視図法」「2点透視図法」「3点透視図法」こちらは理解しておいた方が良いです。
練習していくうちに画力レベルはLv.25になっていました。
Lv.10からLv.25になるまでもかなり期間はかかりました。才能が特になかった私にとって、先輩の助言で少しは早くレベルアップできたように思います。
私と同じレベルだった人は、短期間でメキメキ上がってLv.60になっている人もいましたが、こればかりは成長スピードを妬んでも仕方がありません。
他者の成長スピードと比較しては、つらくて前に進めなくなる。
でも少なくとも、過去の自分と比較すれば努力しなかった自分よりはずっと強くなれたと!努力に意味はある!と感じる部分は大きいです。
きっとこれが自分の苦手な島だったらレベル上げもきっと困難だっただろうなぁと思いました。いよいよ山に挑むために先輩に詳しい話を聞くのでした。
●背景ギルド(会社への就職)に入って登るのか、一人(個人事業主)で登るのか
先輩「山にはよるが、イラストギルドに入って登るのが普通だな…アニメ背景山、漫画背景山、ゲーム背景山もそれぞれのイラストギルドが管理していることがほとんどだ。たまに傭兵のような、ギルドに所属していない手練れ背景絵師を助っ人として仕事を回したりする。だが、仕事があるかどうかはその時々によるから不安定ではあるな。ギルドに入った方が安定して身を守ってもらえるし、入らないと目指せない頂き(役職や肩書き)もあるがどうする?」
▶︎背景ギルドに入る未来の選択
私「背景ギルドに入りたいです!」
先輩「背景ギルドに入るといっても、誰でもウェルカムではない。なにせ、山の高いところを登ることになり、成果を残すのだからな。やる気がない者を入れるわけにはいかない。そこで、ギルドに入れるかどうかのテストとして作品集(ポートフォリオ)の提出だ。その作品集に入れて欲しいものについては、ギルドが出しているHPの入団者に向けにヒントは書いてある。作品集が通れば面接だ。ギルドによって特徴は様々だが、そのギルドに入りたいという思い(熱意)が伝わる作品が多く入っているのが望ましいな」
私「はい!背景ギルドに入れるよう頑張ります!」
お詫び:書き手は一人で登る選択をしているので、あなた自身でその後の物語を紡いでください。背景ギルドには入らないとわからない世界やキャリアというものもあります。
▶︎一人で登る未来の選択
私「色々と悩みましたが…自分一人で生きていく生存力を身につけたい、自分の決めた絵師名(個人事業主名)を背負って頑張りたいと考え、一人で登ることを決心しました。」
先輩「一人で登るという事は、自分で道を探さないといけないっていう事だ。自由ではあるが、責任も全て自分でなんとかしないといけない。周りに教えてくれる人もいない中、仕事を取ってくる方法、絵についての改善、金銭的な不安定さなどと向き合う事になる。それでも一人で登るのか?」
私「それでも、登りたいです。大変なのは間違い無いのですが、全て一人でやる覚悟で決めました。それに私は、この島に来るまでに街で別の仕事をして来たので多少の余裕はあります。結果はすぐじゃなくても、絶対に出します!」
先輩「それなら止めないが、自分の武器やステータスの偏りはどうなのか?どの山にその形があっているのかは考えた方がいいぞ。俺自身は背景ギルド所属だ。一人での登り方はよく分からないから出番はここまでだな。幸運を祈ってるよ。」
先輩からのありがたい言葉を元に自分のステータスと山の特徴について考えてみる事にした。
(後編)に続きます。2週間後の(2025/03/16)に後編のみ有料記事に切り替えます。