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地元
『東京最低最悪最高!』という読み切り漫画を読んだ。東京在住の地方(福岡?)出身の女性が、結婚の挨拶をするために婚約者と実家に帰る、というストーリー。
読後、SNSで他の人の感想をのぞくと、ザ・賛否両論といった感じ。「おもしろい!最高!共感!」もあれば、「イラつく、ひどすぎる」という声もあった。(もっといろいろ物議を醸している感じもあるようですが……)
主人公と同じく、地方出身東京住み女のわたしの個人的な感想を書くと、「ここまでのは経験ないけど、わからんでもない」だ。
「〜げな」という懐かしい言葉とともに流れる、田舎独特の価値観とか空気は、たしかにわたしが知っているものだった。それは、わたしが地元に戻るのがうっすら怖い理由のひとつでもある。
一方で、地元や都会の悪いところをギュウギュウに煮詰めて、超極端に描いているな〜という印象も受けた。
そんなありきたりの感想は置いておいて。
わたしが衝撃を受けたのは、「嘘じゃない?」「彼氏の方に共感」といった感想たちだ。自分の感想とのあまりの違いに「ええ!?これ読んでそう思うなんてありえない!」と心底びっくりした。でも、ちょっと冷静になって、「そりゃそうだよなあ」と思った。生まれた場所がちがい、過ごした環境がちがう。この空気感に触れたことがなければ当たり前の感想なんだろう。そして、そんな人はたくさんいる。
正直に言えば、逆に、わたしは主人公の婚約者のことが全然分からなかった。どんなキャラクターなのかよく分からなかったし、主人公の気持ち分かってくれなさそう、とか思っちゃった。でもそれは、わからないからわかろうとしなかっただけなんだと思う。
東京(都会)に生まれた人と、わたしで、こんなにも真逆なんだなあと真正面から感じた出来事だった。
***
補足しておくと、それでも、私は地元が嫌いなわけじゃない。むしろ、離れている期間が長くなればなるほど、自分の中で地元の存在は大きくなっているように思う。地元の話を聞くと嬉しいし、地元を誇らしく思うこともたくさんある。なにより、「帰る場所がある」という安心感の大きさったらない。東京に生まれてたら、とか、もっと早くから東京で過ごしていたら、とか思ったことはあるけれど、今は自分に地元があってよかったと思っている。大事にしたい。
と、思えるのもわたしが恵まれているからだ、ということも忘れないでいたい。(地方出身者の「まじこれ!」「絶対帰りたくない」「大嫌い」的な感想もみたので……)