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スキルシェアってどうすればいい?(番外編)

こんにちは、ITEGパラレルキャリアマガジン管理人水野です。
第二回で投稿してくれた橋本さんが、「スキルシェアってどうすればいい?」の番外編を書いてくれました。
番外編のテーマは「ピザ窯づくり」。え!?ピザ窯つくったの?スゴっ!
では、本編をどうぞ。。。

(執筆者プロフィール)

橋本さん2

橋本 智之
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ ビジネス開発部
API担当、新規事業開発担当
大学院卒業後、食品の品質管理(残留農薬検査など)、商品政策等の仕事に携わる。2020年6月より現職。中小企業診断士。
趣味は田舎暮らし、畑、食とお酒

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こんにちは、橋本です。
第二回の理論編を書きながら、「スキルシェアって何だろう?」と考えていた時、ふとピザ窯を作ったときのことを思い出しました。なので、番外編としてピザ窯について書くことにします、どんな話に着地するでしょう?わたしも予想がつきませんw。

やりたいことができた!
昨年、家の庭にピザ窯を作りました。中学校時代の同級生と、「いつか作ろうね」と言っていた夢が実現したのです。ピザ窯で焼いたピザって美味しい!しかし、本当にできるなんて、完成するまで誰も思っていなかったんです。これまでの人生で、誰もレンガを組んだことなんてないし、セメントを練ったことすらなかったのですから・・・

ピザ窯1

ジョブ型雇用?
仕事でも、実現したいことはあるけれど、何をどうすれば良いのか誰にもわからない、という状況は往々にしてあります。むしろそういうことの方が多いでしょう。
今回のピザ窯もそうでした。どうやってレンガを組んだらいいか分からない、どんな道具をそろえれば良いのか?材料は何をどのくらい買ったら良いかもわからない、、、わからないことだらけ。そもそもどのくらい時間がかかるのか?その間、子どもの面倒はだれが見るのか?ちょっと待って、ピザってどうやって焼くんだっけ・・・?
ピザ窯作るよ~と友人たちに話していたところ、何人かの友人たちが興味をもって集まってくれたのです。その中に誰もピザ窯を作った経験者はいなかったけれど、みんなの意外な能力を持っていることはわかってました。例えば、レンガを切ったり組んだりするのを仕事で見ていて知っている子、部品や素材についてやたら詳しい人、進捗管理をしてくる子、子どもと遊んでくれる子、完成イメージのカッコ良さにこだわる子、写真が上手な子・・・


 みんな忙しいから、都合の良いとき思い思いに参加、友人が友人を連れてくることもありました。やっていくうちに、いつのまにかそれぞれの役割が定着し、少しずつスキルアップしていったのです。そして、8か月後、ついに完成!!終わった後の感想は、「やったーもう二度とやりたくない!」ではなく、「もう一回作りたいね。だって次はもっと上手にできるから!」でした、さて、次はどこに作ろうか・・・

ポータブルスキル
 ところで、今回のピザ窯をつくるにあたり、素直に求人するなら「ピザ窯職人」とか、「ピザ窯づくり歴5年以上」とか、「ピザ窯検定3級」とか、せめて、「ピザ窯づくり経験者」にしときゃもっと楽につくれたかもしれません。でも、残念ながらそんな知り合いはいません。みんなピザ窯づくりは素人だったけど、中学生のときからの仲、それぞれ何ができるか、得意分野はよく知っているし、進め方は阿吽の呼吸で、何より一緒にいて楽しかった。家族(妻や子ども)にとっても、家に誰が遊びに来るかは大事で、一日の充実度が変わりました。今回は「遊び」だったから、一番大事なのは「楽しさ」で、人の話をよく聞いてくれたり、何をしても楽しい遊びに変えたり、一緒にいるだけで楽しくなってしまったりする人って、これもひとつの能力ですよね。
一度、煙突をどうやって設置するかで議論になったことがありました。そのとき、流体力学の専門家が友人にいて、困っているからとアドバイスを求めてみました。そしたら彼は「ピザ窯の作り方」という本を読みながら、そこに書いてあることを丁寧に教えてくれました。実はその本は僕たちもピザ窯をつくるにあたり、読んではいたのだけど、彼がいうポイントのところは読み飛ばしていました。でも、なんだか専門的な知識がありそうな彼がその記事を見つけて「こうだよ」と言ったら(正確には音読したら)、いままでバラバラの意見だったみんなの意見がまとまったのです。もしかしたら彼は「どこに煙突つけたら熱効率が良いかなんて知らないよ、ちゃんと本読んで考えなよ」と思ったかもしれないけれど、とりあえず役に立ちそうな「友人のスキル」はちゃっかり活用させていただいてwww。少し遠い友人だったけど、これを機に距離が近づいた気がした。

パラレルワークって楽しいかも
 こうやって、たくさんの友人に支えられてピザ窯は完成しました。本業じゃなかったからここまで楽しめたと、自信をもって言えます。正直面白くない作業やきつい作業もあったけれど、普段の仕事から離れて、久しぶりのメンバーでワイワイやること自体がとても楽しかった。また、仕事の進め方や価値観が、みんな違うのもすごく面白かった。その中で友人の意外な能力を知ることができて、それをうまく共有して達成した体験そのものが「充実」のひとことでした。

ピザ

 スキルシェアによるパラレルワークは、今回のピザ窯プロジェクトに似ている気がしています。明確な「ジョブ」があり、それぞれの「スキルや経験」を持ち寄って、片手間でひとつの成果物を作っていく、その成果物は、自分ひとりや、その組織だけのメンバーだけでは絶対できないものでした。そしてこのプロジェクトに必要なスキルは、ドンピシャな専門性ではなく、ちょっとの専門性と、それぞれのスキルをうまく発揮したり、充実させたりする能力だと感じました。このプロジェクトが完了したことで、参加者は「ピザ窯づくり経験者」にレベルアップするという配当も得られる!「一石二鳥かもしれないな」とこのブログを書きながら、彼らにも何か持って帰ってもらえるものがあったのだと、嬉しく思いました。


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水野
橋本さん、ありがとうございます。
すごい、庭にピザ窯つくっちゃったんですね。。。(お腹すいた・・・)
しかも、旧友とのいいハナシも・・・
スキルシェアの視点もおもしろいですね、「ドンピシャな専門性ではなく、ちょっとの専門性」それを組み合わせる。スキルシェアならではの考え方かもしれません。
仕事って、新しくバリバリの専門家になろうとすると、すごい努力が必要ですものね。「今、持っているちょっとの専門性」から広げていくハードルの低い取り組み方は、ステキな方法と思いました。

さて読者のみなさん、6回にわたってお送りしましたITEGパラレルキャリアマガジンですが、2021年はこちらで終了です。
2022年も引き続き活動して、また新たな気づきをご披露したいと思います。

ITEGパラレルキャリアマガジン、読んでいただいてありがとうございました!

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