『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』のわたぴーさんに色々インタビューしている記事
こんにちは、みずれと申します。
普段はニコニコ動画に音MADを投稿したり、Twitterで好きなことをつぶやいたりしています。
2023年2月某日、私はかねてから詳しくお話を伺いたいと思っていた音MAD作者さんとコンタクトを取ることに成功しました。
今回はその作者さんへのインタビュー記事になります。かなり長編になってしまいましたが、ぜひお楽しみください。
わたぴーさんとご対面
みずれ(以下「みず」) わたぴーさん、本日はよろしくお願いします!
わたぴー氏(以下「わた」) よろしくお願いします!
みず では、簡単な自己紹介をお願いします。
わた わたぴーと申します。普段、ニコニコ動画で『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』の音MADを作らせていただいております。
みず いや〜、本当に受けてくださるとは思ってなかったです。
わた 実はこういう機会が欲しかったんです。自分の動画の話って、なかなか自分からはしないじゃないですか。恥ずかしいから……
みず そうですね。恥ずかしいですし、いざしっかりまとめようとすると面倒くさかったりしますよね。僕は前から、一人のファンとして、これまでのわたぴーさんの活動を振り返るようなものが欲しいなと思っていたんです。わたぴーさんの大百科記事はすでにあるのですが、その記事はわたぴーさんご本人の紹介のようなものなので、活動を細かくまとめた記事が欲しいな、と思って今回企画しました。
今回は大きく分けると三部構成になります。最初にわたぴーさんの生い立ちをお聞きし、次に音MADの過去作品を総ざらいします。最後は普段の作品制作についてのアレコレや今後のビジョンなんかをお聞きしたいと思っております。
改めて、本日はよろしくお願いします。
わた よろしくお願いします。
生い立ち
わた 投稿動画を見ながらお話ししましょうか。一番最初の投稿動画は『四脚折り鶴の折り方』ですね。
折り紙にハマるきっかけは小学校まで遡ります。小学生の時、おばあちゃんが『ORIROBO(オリロボ)』という折り紙の本を買ってくれたんです。
みず あ!前に見たことあります。Twitterに載せていましたよね。
わた そうですね。当時、この本を見ながら折ってみたんですけど、小学生の僕には難しく、途中でやめてしまったんです。
みず 諦めてしまったんですね。
わた そこで終わりのはずだったんですが、ある時、学校の担任の先生が偶然にも学級文庫として同じ本を買ってきたんです。「これは『やれ』ってことか……?」と思って、改めて折ってみたら……出来たんです。そしたらクラスのみんなが食いついてきて、一気にクラスの中心になれたんです。
みず 「折り紙でロボ作れるすげーやつ」みたいな。
わた そう。このときに、折り紙のおかげで周りにちやほやされる喜びを知ったんです。
みず なるほど。
わた この四脚折り鶴が生まれた経緯は、4つの鶴の羽が繋がって輪になっている「四ツの袖(よつのそで)」という折り方があるのですが、最初はそれを折りたかったんです。でも、折り方が全然わからなかったので、とりあえず1枚の折り紙に鶴が4つ入るように折ってみたら、羽どころか全部がくっついてしまったんです。キメラみたいに。
みず (笑)
わた さらに折っていったら、なんか脚が生えたんです。
みず えっ、この「四脚折り鶴」ってわたぴーさんのオリジナルなんですか?
わた はい。これはオリジナルです。
みず そうなんだ!! てっきり昔からある折り鶴のバリエーションのひとつなんだと思っていました。
わた だから、四脚折り鶴は数少ないオリジナルキャラなんです。でも、中学に上がると折り紙ではちやほやされなくなってしまい、すんごい喪失感を覚えたんです。
みず うんうん。
わた そんな中、再起の一手がスネ夫だったんです(後述)。死に物狂いでいろんなものを試した中、垂らされた一本の蜘蛛の糸が(笑)
みず (笑)
みず じゃあ活動初期の頃は、本当に大好きな折り紙の動画を上げていたんですね。
わた あと「Scratch*」もですね。
(*Scratch…命令が書かれているブロックを積み重ねるように置くことで直感的にコードが書けるプログラミング言語、及びコミュニティサイト。)
みず そうでしたね!Scratchではかなり前から活動されていますよね。
わた これはかなり古いですね。
みず 僕もScratchと似た「プログラミン*」というサイトにハマっていました。
(*プログラミン…文部科学省が開発したプログラミングツール。Scratchと同じく直感的にコードを組めるのが特徴。「Adobe Flash Player」のサポート終了に伴い、2020年12月31日をもって閉鎖。)
わた あぁ、プログラミン!なつかしい!! 実は俺もScratchより前にプログラミンを使っていたんです。父に「Scratchだともっといろんなことができるよ」と紹介されたので、Scratchに乗り換えました。例えば、Scratchではこういうものを作っていました。
みず これは!!
わた これは小学校の自由研究として作ったシューティングゲームです。俺が降ってくる。
みず このゲームの敵キャラが現在のわたぴーさんのアイコンになっているんですね。当時はそんなつもりで描いてないですよね?
わた そんなつもりではないですね。本当に敵キャラのひとつとして描いたものです。今となっては俺ですが。
みず (わたぴーさんのプレイを見ながら)おぉ…それぞれ敵キャラの動きが違うんですね。
わた そうです。敵は3種類います。一定のスコアに達するとボスも出てきます。実は、これをNHKの番組サイトに投稿してみたら、選ばれたことがあるんです。
みず 本当だ!
わた NHKに褒められちゃった。他には、2人対戦用のゲームを多く作っていました。弟と遊ぶためです。
みず 自分でゲームを作って、弟さんと2人で遊ぶ。いいなぁ〜。
わた 「スネ夫紀元前」はそんな感じでした(笑)
ニコニコ動画との出会い
みず 現在のわたぴーさんを構成する重要な要素がよく分かりました。では、ニコニコ動画や『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』との最初の出会いはどこだったんでしょうか?
わた 小学生の頃、正月に親戚と集まったとき、いとこがニコニコ動画を見ていたんです。その時にまず「こういうサイトがあるんだ」というのを初めて知りました。
その時にいとこと一緒に見ていた動画は、スマブラのキャラのグルメレースMADとかですね。いとこは『アイクのグルメレース』が好きで、俺はマリオしか知らなかったので『マリオのグルメレース』しか分からない(笑)。その後、『チャージマン研!』にハマっていきました。
みず あ、『チャー研』に!
わた チャー研はめっちゃ大好きだったし、小学校で語録を言うというちょっとイタいこともしていました。でも学校では誰もチャー研を知らなかったので、おかげで俺の持ちネタだと思われてました。折り紙とチャー研のおかげで、俺の小学校生活は幸せでした。
みず なるほど、乗り切れたんですね。
わた そのあとニコニコにハマっていく中で『スネ夫がEDMフェスで踊っているときに流れている曲(フル)』を見ました。
当時は「へ〜こんなのもあるのか〜」くらいに思っていて、自分の中での『自慢話』の存在はそこまで大きくなかったです。
みず ということは、原曲より先にEDMアレンジを聞いていたんですか?
わた そうかも。きっとそうですね。
スネ夫との出会い
みず 先程少しだけ触れていましたが、そもそもなぜスネ夫を推すようになったんですか?すごく気になります。
わた これはとても良い質問です。
みず Twitterで、「スネ夫との出会いは自慢話からではない」みたいなことを拝見したので、どういう事なのかな、と。
わた 本日は真実をお話しに参りました。
みず はい(笑)
わた 中学生のとき、生物の授業で出されるプリントをまとめるファイルが配られたんです。その裏面に、シーラカンスの写真が印刷されていたんですね。そしたら周りのみんなが、そのシーラカンスに落書きをするわけです。他の魚を描いて一緒に泳がすとか、串に刺して焼いちゃうみたいな。
それを見て、「俺もそれやりたい!」と思ってたんですけど、シーラカンスの顔が、かなりスネ夫の髪のとんがりに似てたんです。俺には似てるように見えたんです! なので、帰ってからスネ夫を画像検索して模写して、翌日学校へ持っていったら、まぁウケたんですよ。そのウケ方が普通じゃなくて、異常だった。
みず (笑)
わた 実は、中学に上がるときに、小学校の頃の友達が全員別の中学に行ってしまって、友達がいなくなっちゃったんです。だから、その時はすごくアウェーだったんです。
中学校に入ってそんな経ってないし、周りのみんなはワイワイやってるけど俺はひとりぼっち……みたいな状態なのに、クラス中がスネ夫で爆笑。この時、スネ夫には俺の知らない未知なるエネルギーが詰まってるんじゃないか、ということに気がついたんです。
そこからしばらくは模索し続けました。スネ夫を使えば俺はのし上がれるんじゃないかという期待から。初期の投稿動画を見ると、その思惑がうっすら透けて見えるんですよ。
みず たしかに。音MADを投稿される前に、別の曲を自慢話アレンジしているものとかありましたもんね。
スネ夫が霧の中でニンゲンと戦うときに流れている曲
わた 最初のスネ夫動画はこれですね。
みず Undertaleの曲ですね。あっ、音源はバンブラ*ですね。
(*バンブラ…ニンテンドーDS、3DSで発売された音楽ソフト「大合奏!バンドブラザーズ」シリーズの略称。)
わた そういえばバンブラです(笑)
みず そうですよね。 ……タグに「初犯」って書いてありますね(笑)
わた (笑) このへんは見返してもいないので、改めて見ると面白いですね。動画説明文とか、今見るとだいぶ恥ずかしいです(笑)
みず わかります。僕もあります、そういうの。この動画で使っているスネ夫は原作漫画の顔っぽいですね。
わた そうですね。この時はまだそんなに「あの画像」と紐づけてはいないです。この動画の次に、スネ夫関連の動画を上げたのは……これですね。『0から9の数字で描く何か』。これも「スネ夫でなんかやる」の模索のうちの1個です。
みず あったあった。0から9の数字でスネ夫の顔を描く文字絵ですね。
わた そうです。中学の時、美術部に入っていたのですが、かなり緩かったので部活動がほとんど自由時間だったんです。その頃に作ったものです。そして文字絵と同時期に出来上がったのが……こいつだ!
みず あ!出た!! ……え、ちょっと待ってください、これって首が動くんですか!?
わた 首動きます!
みず (爆笑)
わた でもこれ、はじめは接着していて動かなかったのですが、旅行に持っていったときに首がもげちゃったんです。もげたからには首が動くようにしようということで、軸を刺して動くようにしました。
みず なるほど〜。動画投稿を始めた頃よりずっと前から、友達からは「スネ夫でなんかやるやつ」みたいなキャラに見られてたんですね。
わた 「スネ夫にもがく男」として(笑)
スネ夫が柴又話をするときに流れている曲
みず 少しずつ自慢話に迫ってきました。ではなぜわたぴーさんは自慢話MADを作るようになったのでしょうか?
わた 先程言ったとおり、動画投稿初期は色々模索していたわけです。その中で、スネ夫の動画は初めて再生数が4桁まで行ったんです。それで「やっぱスネ夫って良いんだ」という確信が持てました。その後もいくつか出していった中で、『スネ夫が柴又話をするときに流れている曲』が初めて再生数5桁いって、みんなに冒頭で「草」って書かれました(笑)
みず 僕も投稿された当時、見ました。最初は「こんな懐かしい素材でクオリティの高い音MADを作ってるの面白いなぁ」と思った記憶があります。
わた これがまぁやけにウケたものだから調子に乗ってもう1個作るじゃないですか。
流れている曲スネ夫が自慢話をするときに流れている曲
そしたらこれが10万再生ですよ。
みず あ、そっか、これ10万行ってるんですね。
わた もう本当に、「(俺が求めていたのは)これだよ……!」って思いました。
みず 「俺はこれで行けるぞ」みたいな。
わた そう。「ここだ、俺の生きる道は」って。
みず (爆笑)
わた 実は、この動画の動きはScratchでやっているんです。
みず えっ、そうなんだ!?
わた この動画まではAviUtlが無かったんです。導入方法も分からなかったし。この頃使っていた動画編集ソフトでは、テキストとかは出せるんですが、座標を動かすことができなかったのでScratchを使って冒頭の動きとかを作りました。
みず すげーな……
わた 腕を回す所とかも「毎フレーム15°回す」を繰り返させたりして。
みず (笑) この頃から既にマーライオンがドラえもん達5人と同列に扱われていますよね。
わた マーライオン、最初はいなかったんですよ。でも5人だけ切り抜くと左下に空白が出来てなんかバランス悪いなって。で、元画像を見てみたらマーライオンがキャラと被ってないので、同列なんだろうな、と思ってマーライオンも置いてみました(笑)。そしたら良い感じになったし、コメントのみんなが「マーライオンもいるんかい」って感じで食い付いてくれたので、「あ、こういうのも良いのね」っていう新しい発見に繋がりました。
みず なるほど〜。音声はこの頃からREAPER*ですか?
(*REAPER…Cockos社が開発・販売しているDAW。音MAD作者の利用率が異様に高い。)
わた 最初からREAPERですね。音MADの作り方を調べたらREAPERの使い方が出てきたんで。
みず 『柴又』の頃から思っていたのですが、耳コピが上手すぎませんか?
わた 耳コピは、この前にやっていたバンブラの経験が活きているんだと思います。動画投稿はしていないのですが、Undertaleの曲をひたすら耳コピして母親に聴かせるということを繰り返していました。途中から母親はうんざりしてたけど(笑)
みず その土壌があったんですね。
わた そうなんです。だから最初の頃から音合わせっぽいことは出来ていました。
スネ夫の自慢話が!
みず 既に2つやっちゃいましたが、この調子で全作品を振り返ってみましょう。
わた 次の動画は『スネ夫の自慢話が!』ですね。
みず 「ぼくはタヌキじゃなーい!」(笑)
わた (笑) これも流行りに乗った感じですね。
みず この動画でマーライオンから音が鳴り始めたんですよね。
わた 8分割にしようとしても、スネ夫、のび太、ドラえもん、しずか、ジャイアンの5つで終わっちゃうんですよ。だから次はマーライオンかなと思って。で、次に目立っているのは太陽だろうと。んで、そういえば下になんかロゴみたいなのがあるぞ、ということで8つ目に。
みず この動画で初めてNEWSISをイジったんですね(笑)
わた そうですね。
みず この動画のサビ前からもう「喋らない」みたいなネタが入ってますね。
わた まぁ声が無いから必然的にそうなる。
みず のちに声は付くことにはなるんですが……
スネ夫が柴又話をするときに流れている曲(フル)
わた 次が柴又話のフルですね。
これはショートバージョンに「フルも作ってくれ」というコメントがあったので、「やったろう」と思って作りました。
みず このフルバージョンは嬉しかったです。
わた 「せっかくやるなら」と、色々改善しました。
みず 聞きやすくなってますよね。と言いつつ、僕、音楽の知識ゼロなんですけど……
わた 俺もそうですよ。和音の耳コピも2,3音までが限界です。
みず そうだったんですか!?
また、この動画から建物たちが段々覚醒していきますね。
わた さっきは8つだったからキャラ5人とマーライオン、太陽、NEWSISだけで済んだんですけど、柴又は要素がいっぱいあるので。他にも、原曲が菩薩像だから同じ石像のマーライオンにしたり、猫パートはドラえもんにしたり。
みず コメントで「この部分の音ですみたいに映されても…」って言われてますね(笑)
わた コメント良いですよね〜。おかげで持ってる感じがする。
みず わたぴーさんの動画には良いツッコミがありますよね。
そっか、飴切りパートはちゃんと2人になってるんですね! 今コメントを見て初めて知りました。
わた そうなんです。このコメントはすごい! よく気付いた!!
スネ夫が棺桶で運ばれるときに流れている曲
わた 次が『棺桶』ですね。
みず 僕の中では、意外とためらわずにドラえもん本編を使うんだな、と最初に思いました。かといって以降の作品には使われていないので、結果としてかなり特徴のある作品ですよね。
わた この時点ではあんまりこだわりが無かったんです。この動画を作ったきっかけは、自慢話の「テッテテテッテ テッテテテテテテ」という音のタイミングが『Astronomia』と一緒だという事に気づいた事でした。「棺桶ダンス」のミームには「死んだら棺桶ダンスに切り替わる」という要素が必要だったので、ドラえもんの原作でスネ夫がボコられた回を持ってきたというわけです。
みず 確かにリズムが似てますよね。
わた もう、置くだけでかなり合います。そして動画後半には手描き素材。当時ガビガビの画像しか無かったので、1個くらいちゃんと高画質なものが欲しいと思って頑張って描きました(笑)
スネ夫がつちからじまんばなしをするときにながれてくるんだ
わた で、次が『イワシ』ですね。
みず 出た!!
わた これは当時としてもなかなか頑張ってたと思います。この時は夏休みだったので、特に気合いを入れて作りました。この動画もScratchで動かしてます。実は、この時のプロジェクトファイルがまだ残ってるんです……
スペースキーを押すと動きます。
みず すげぇ! みんな同時に動くんですね。
わた この時、曲のテンポに合わせてAviUtl上でキャラを動かすのが面倒だったので、自分でトン、トンと曲のリズムに合わせてキーを押して、その画面をそのまま録画したんです。
みず え? その作業を1曲分撮ったって事ですか?
わた はい。
みず (爆笑)
わた それまでにやってた事(Scratch)が活かされると嬉しいですよね。「あれは無駄じゃなかったんだ!」っていう気がして。
この動画は頑張った甲斐あって当時の2番目くらいまで伸びました。1回10万とかいっちゃうとその後が物足りなく感じるじゃないですか。「こんなもんか〜」みたいな。
みず う〜ん。この時は『ダンロボ』が1番だったんでしょうか?
わた そうですね。
みず なるほど。えーでも、手の込みようはこっち(イワシ)の方が……圧倒的に……
わた そうなんですよね〜。でも、頑張ったらそのぶんちゃんと反応が変わるんだな、というのが分かって、ここでまた再燃した感じでしたね。
没集 スネ夫が自慢話をするときに流れている曲
わた その次が『没集』か。
これは初投稿から『イワシ』までの間に作ったけど上手くいかなくて没にした動画たちですね。
『新宝島』はフルで作ったのですが、長すぎました。この尺を埋められるほどのネタが無かったんです。
今ではよく2番をカットしますが、この頃は2番をカットするという手をあまり考えていなかったので、音声をフルで作って力尽きる、というのが多かったです。
『サンドキャニオン』は音が原曲に近すぎて、どこに『自慢話』が入ってるか分かりづらいので没にしました。
没ネタの中で、「原曲にマッチしすぎ」という理由は結構な割合であります。
次の『Feather Fiend』も同じ理由ですね。
みず 親和性が高すぎると、逆に面白みが減ってしまうということなんですね。
わた そうなんですよ。初めて聴いた人が「これ原曲じゃない?」ってなっちゃうともったいないし。そういうこともあって、『Feather Fiend』は途中でロボが動くところまで作ったのに没にしました。
この動いてるロボも、実はScratch製なんですよ。
みず なるほど! でもこのメカをスネ夫の身体で作っちゃうのが面白いですよね。
わた その辺は、たぶん『チャージマン研!』のMADを見てた時の影響な気がします。
みず 言われてみれば確かに、チャー研のエッセンスは入ってる感じがしますね……
わた 『Bonetrousle』は最初期に作った動画のリメイクです。でも、元動画のリメイクのさらにリメイクだから、流石にくどいな、と思ったんです。
『カチューシャ(熱血高校ドッジボール部)』は、同曲でオレンジジュースのCMの音MADがあって……
みず あぁ! なっちゃんですね!
わた 「♪誰も教えてくれなかった 誰も…誰も… Lalala…」っていうのを見て、俺もこれ欲しい!ってなって……
みず 「俺も欲しい」で作るんですね(笑)
わた 結構「欲しい」で作る事が多いです。「これのスネ夫バージョン要るだろ!」って。で作ったんですが、そこ止まりでした。
次の『論理空軍』も同じ理由ですね。作ったはいいけど、違いが無さすぎて。
没集はこんな感じですね。
ジマン / スネ夫が自慢話をするときに流れている曲
わた 次が『ジマン』。
かなり以降のベースとなった作品です。
みず 現在のわたぴーさんのスタイルはおそらくここから確立されていますよね。
わた 途中で原曲を流すのは、当時1番伸びていたのが『ダンロボ』だったので、それの何が受けたんだろうって分析した時に、「ここかな?」と思って入れました。
みず コメントで「いつもの」と言われてるやつですね。
わた 原曲を置いておくと、元ネタを知らない人でも「この曲が元なんだな」というのがわかるので、やっとくだけで自己紹介になるんですよ。
みず なるほど、確かに。
わた で、サビは頑張る。建物を文字のように配置したり、アスペクト比を途中で4:3から16:9に変えたりするのはこの作品が最初ですね。それと面白いことに、この時点では「NEWSIS」が「NEWSIS」だって分かってなかったんですよ。
みず そうそう!切り抜きがうにょうにょした形になってましたよね。
わた 右下にロゴがあるな、というのは分かってたのですが、画質が悪くて「なんて書いてあるんだろう?」と。今は「NEWSISだ」って分かってるから読めるけど。
みず ラスサビのイラストはわたぴーさんが描かれたんですか?
わた 俺です。頭は前半のスネ夫を持ってきて、身体はScratchでベクターで描きました。ただ書き出しが高画質にできなかったので結局ガビガビになっちゃいました。
Big Jimanbanashi
わた 次が『Big Jimanbanashi』。
早速アス比変更芸に味しめてますからねこれ。(00:43〜)
みず ほんとだ(笑) 4人の顎が伸びるのも面白いですよね。
わた この顎も!Scratchなんです。でもこれは絶対にScratchじゃない方が作りやすいと思います。当時は作り方がわからなかったので、とりあえず使えるScratchで無理やり作ったんです。今だったらAviUtlで作ります。
「NEWSIS」も「NEWSIS」だと判明したので、切り抜き直してますね。
みず 僕がTwitterで「何故シンガポールなんだろう」みたいなツイートしたのってこの辺りでしたっけ?
(検索してみて)やっぱりそうだ。このときついでに、右下の文字がNEWSISって読めたから調べてみたらビンゴだったんです。
わた 「キミNEWSISっていうのか!」みたいな。名前も知らないのに仲良くなっちゃった友達みたいでした(笑)
みず ずっと名前が書いてあったはずなのに(笑)
あの琴みたいな音はこの動画ではタケコプターなんですね。最近はしずかちゃんが担当してることが多いですが。
わた なんか決まってきてはいますが、どれがどの音で鳴ってても良いというスタンスで作っています。
スネ夫はみんな自慢話
わた 次がこれです。
みず この作品は2020年の10選に選ばせていただきました。
わた そういえば入ってた!この当時としてはたぶん一番頑張った作品です。
実際のシンガポールにある、画像の建物の元ネタであろう建築物が特定された時期だったんで、大百科記事を見て「ここ実在するんだ!?」ってびっくりしてました。
みず その実際の建物も実写マーライオンも織り交ぜてオシャレMVとして仕上がってるのがすげぇな…と思います。
わた 原曲のMVが実写入ってる感じだったので、「ちょうどいいな」って合わせました。そうだ、Vocalizer*を初めて使ったのはこの動画ですね。まだ新加ポルがいない頃の、声だけがある状態(笑)
(*Vocalizer…どんな音も人間の声っぽくできるエフェクター。新加ポルの他にも、ヘーベルハウスや4って鳴く犬などの人力ボーカロイドにも用いられる。)
みず しかも歌詞が「君で笑っていたい」ですからね。
わた 「君で」、これは本心です(笑)
みず (爆笑)
【合作】スネ夫が自慢話をしている時に流れている曲合作
わた 次が合作か。
みず 合作だ! 一人合作。
わた チャー研のMADから入って、その後は『ジャガーマン』とか『たべるんごのうた』にハマっていったので、その流れで「一人合作ってこうやるんだ」というのを学びました。「最初はBBEMYBABYを入れるんだ」って。
みず お通しですからね。
わた この動画は個人的に結構好きですね〜。全体で見てもわりと上位に来るくらいには好き。
みず (コメントで)「クソ雑温泉巡りすき」って(笑)
わた そう、温泉「巡り」です。
みず あ、そうなんだ!本当に意識してたんだ。
わた 意識してました。各地を巡ってるんです。
わた コメントでバンカズっぽいって言われてますが、これも本当にバンカズを意識してます。スネ夫の目とレア社の目が似てるからやったネタです。
わた そうそう、大成建設はこの動画が最初!
みず 出た!大成建設初登場!!
みず そういえば、今回プレゼントがございまして……
わた え!?なんだろう……
みず このタイミング?って感じではあるんですけど……
大成建設のクリアファイル・メモ帳・付箋のセットを差し上げます。
わた (爆笑)
ほんとだ、ちゃんとCMの締めだ(笑)
文章も載ってる!!
すげー!!CMに無いところも書いてある!こんなグッズ展開してるんですか(笑)
みず おそらく、会社説明会とかで配ってるノベルティなんだと思います。僕はメルカリから入手しました。ぜひ使ってください!
わた ありがとうございます!!
……(しみじみと)面白すぎるなぁ……これは予想外だった……
みず ご家族に自慢してください(笑)
わた します! 戦利品ということで(笑)
みず 一人合作の振り返りに戻りましょうか。
わた こいつ、ここしか出番がないのにやけに人気なんですよね。
みず たしかに(笑)。なんででしょうね。名前が面白いからなのかな?
わた これも良いですよね。これは確か『オイルこうじょう』の原曲解剖みたいな動画があって、「これ多分スネ夫でいけるな」と思って作りました。でもこのままだと寂しいから、「音MADの作り方」として提供しようと思って。作り方といえば『おとうさんスイッチのつくり方』だな、と思って置いてみたら、この2曲のテンポがかなり近かったので、繋げてこのようになりました。
みず コメントで「スネッチャマン」って呼ばれてますね(笑)
わた タイトルを特に考えてないやつにコメントで良い案が付いてたりするとお得感あります。「やるぅ〜!」って(笑)
わた コブラも「ジャガーマンシリーズ」からのネタですね。
二人 「スネオガジマンバナシヲシテイルトキニナガレテイルキョクじゃねーか!」(笑)
わた 後半が好評だったのでのちのメドレーで採用しました。
わたぴーさんTwitter開設
みず このあたりの時期にわたぴーさんがTwitterを開始されたんですよね。
わた あー!そうだそうだ。Twitter開設の理由は、本当に「複数人合作をするから」という一点だけでした。
みず えっ、そうなんですか!?
わた そうなんです。それまでは、自分の言葉を発信したいという気が無かったんです。「なんにも喋らないのに作品だけ出してるヤツ」ってカッコいいと思ってたので。
そういうタイプに憧れてやってたんですけど、合作をやるとなると流石にそうもいかないよな、と思って。
みず 確かに、何も発信してなかった人がいきなり「合作を主催します」と言っても、参加するのはちょっと怖いですよね。
わた 連絡のしようが無いですし。
みず でも、わたぴーさんってTwitterの音MAD界隈の中ではわりと寡黙なほうですよね。
わた タイムラインをずっと見てはいるんですけどね。
みず そうそう、わたぴーさんってあんまりツイートしてないけど、僕が自慢話関連のツイートをすると必ずと言っていいほどいいねしてくれてるんですよね(笑)
わた 発言をしてないだけで、タイムラインにはずっといるんです(笑)
みず 自慢になってしまうんですが、僕、わたぴーさんのTwitterのフォロワー第一号なんですよね。
わたぴーさんが初ツイートをする前に僕にアクションをしてくれたから一人目になれたんです。
わた 僕が最初にフォローをしたのもみずれさんです。ベクター化や画像の出所の件でよく見る人だったので、「Twitter始めるならこの人からだな」と思っていました。
みず ありがとうございます……! 僕は、アイコンが黒背景同士なので勝手に親近感を抱いていました。
自慢話した。/スネ夫が自慢話をするときに流れているわよ!
わた これは当時の流行りに乗った感じですね。ほんとにまっすぐに。
一人合作が結構伸びたので、直後に出せば伸びるだろうと思って、すぐ作れそうな短めの曲を選びました。
ベクターのスネ夫はこれが初登場ですね。
みず 「早速使われてるよ」って言われてましたね(笑)
わた なんなら素材としての配布前に切り抜いてましたからね、Twitterの画像から(笑)
『スネ夫が自慢話をするときに流れているわよ!』も同じく流行りに乗って作りました。
何でもスネ夫が自慢話をするときに流れテイルキョク
わた これはmmさんの二次創作ですね。
mmさんの動画は、自慢話音MADを作る前の「ジャガーマンシリーズ」にハマった時に見ていて、俺より前にスネ夫でずっとやってる人だったので、リスペクトを込めて作りました。
みず 後々に喋りますが、これがMOGRAで流れた時はめちゃくちゃ面白かったですね……
改めてmmさんの元動画を見てみると大沢たかおは登場していないんですね!これはリスペクトとして入れたんですか?
わた そうです。リスペクトですね。
金星の自慢話
わた 次は『金星の自慢話』。
これは完全に「BDD戦法」に憧れて、そこを作る為だけに他のパートをとりあえず雑に埋めました……(笑)
サビでやりたい事があるから、それ以前のパートを頑張って埋めるということが度々あるんです。
その過程で出てくるのがチェ・ヨンギュさん(笑)
みず この作品がチェ・ヨンギュさん初登場ですからね(笑)
わた サビからBlender*を使用しています。
(*Blender…3DCGアニメーションを制作できるオープンソースのフリーソフト。)
建物は四角いから初心者でも作れるだろう!ということで。
「ポーズが同じ」というネタも我ながら良いなと思います。
みず 原曲のMVが単色背景だとスムーズに素材配布ができるので良いですね。
わた そう!これを思いついた時は「あっ、イイね」と思いました。
S.J.B.S.N.I.K.
わた 次は『S.J.B.S.N.I.K.』。
これは元々のMVがかっこいいですよね。
みず 僕らが今着ているこのパーカーの元になった作品ですね。実質この動画のグッズとして見ている節があります。
わた はい。俺もわりと半分くらいそんな感じです(笑)
前々からTwitterでも「服が欲しいね」という話をしていて、自力でここまでデザインしてみたんです。
でも、流石にまずい、ダサすぎ!となって、お袋に「どうしたらいい?」と相談してみたら「こないだのイラスト貸しな!」と言われてコレ(着ているパーカー)が出来上がりました。
みず えっ、このパーカーのイラストの配置は……
わた 母さんが置いたんです! 自分だとこんなスタイリッシュにできないです。やっぱり絵を描いてる人ってそのへんが上手いんだと思います。
自慢解剖
わた で、『自慢解剖』。
みず 専属絵師のお母様。
わた 乙女解剖の音MADを作るってなったら、やっぱり後半の絵が欲しいじゃないですか。でも自力じゃ無理だよな……って。そこで、
それで実際に動画を見せてみたら、
と言って、描いてくれることになりました。
イラストは2枚で発注したんですけど、母に「君、これは差分も含めたら3枚だよ」と言われてしまって、「あ!それはすみません!!」と(笑)
それでもちゃんと描いてくれました。
みず (爆笑) それ以前の、自慢話MADに対するご家族の認識ってどれくらいあったんですか?
わた そうですね…… 「最初の2作品がめっちゃ伸びたよ!」って言ったときに「えースゴいじゃん!」と言ってくれるくらい、結構常に好意的に受け取ってくれましたね。
みず 嬉しいですね。
わた 動画はまず親に見せるので、「親に見せても恥ずかしくない動画」を作らないといけないんです。
みず なるほど〜! 確かにわたぴーさんの動画って下品なネタが少ないですよね。
わた そういえば『自慢解剖』もVocalizerを使用していますね。
みず そうですね。……あ、じゃあ今この動画を作ったとしたらイラストはポルちゃんになってたかもしれない……?
わた かもしれないですね!
ジーマンバナス / スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(別ver.)
わた 次が『ジーマンバナス』。
みず 別ver.メインですね。
わた せっかくフルの素材なので、これで1本行きたいな、というのがあって。
フォーマットは『ルマ』の時と全く同じやり方です。
みず 確かに。最初に原曲を流したり。
わた これはもう寄せにいってます。原曲の作曲者が同じ人だし(笑)
サビで手描きになるところも一緒。この絵は父が描いてくれました。
おふくろには頼み込んであったんですけど、父が「この流れで来たら俺がやるべきだろう」と言って、父の方から「なんか(仕事は)無いのか?」と聞かれたので、「こちら、どうすか?」みたいな(笑)
みず (爆笑) すごいな~。
ˡ̗͐͐͟ˋ̨̮̑͞͞ˊ̮̑͏͜ʹ̍ᵓ̗ͥ
わた で、次が……これか。読み方がわからない。「クラゲ」のやつですね。
このタイトル、何かわかりますか?
みず スネ夫の顔文字ですよね?
わた その通りです!コピペしてきたら全部崩れてしまったので、視聴者によく伝わったな、と。
みず ニコニコの動画タイトルの表示だと崩れやすいのかもしれませんね。
わた でも、原曲の雰囲気に合ってるしいいや、と今は思っています。
みず そもそも原曲のタイトルが無いようなものですからね。
わた この作品もかなり気に入っています。曲として全編ちゃんと聴けるし。
みず 左の模様がよく見るとNEWSISになっていたり、芸が細かいですね……
わた この左で流れていってるのも……!
みず まさか!!
わた Scratchです。
みず やっぱり! だいぶわかってきました(笑)
わた Scratchはしばらく使っていなかったんですが、これはパターンが決まっていたので、AviUtlで手作業で並べるよりScratchの方がいいだろうと。
みず ポルちゃんが動画内では初登場ですね〜。
わた 表に出るのはここが初めてですね。Twitterでは12月くらいから作っているところを見せていて、ここで動画初登場。
みず かわいい……
わた かわいい。
やっぱりポルちゃんを出すならイラストが必要なんですが、自分で描くのは無理だと思いました。
ただ、これくらいの解像度のドット絵なら多分できるだろうということで、この曲を選んだんです。
みず かわいい……
Cynical Jiman
わた 次は『Cynical Jiman』。
みず これはもう「おやくそく」があったから出来た、という感じですか?
わた そうですね。同じドラえもんだし。
みず このルーレット(笑)
わた この辺も頑張って間を繋いでるやつのひとつですね(笑)
「おやくそく」のまんますぎるとアレなので、ちゃんと「自慢話ならでは」の物が必要だな、と思って色々入れました。
自自自自慢話
わた 次が……これか。
この動画こそまさに「サビがやりたかっただけ」の極致(笑) AメロBメロでほんっとにやることが無さすぎて、もうなんかいいや、って(苦笑)
ここで右下にいる橋とかもよくわかんないし。
みず これ本当になんなんですか……?
わた これは、リズム天国の「あなた」って書いてあるやつを意識してます。
みず あーーー!!!! そういうことなんだ……!! たぶんコメントでも誰一人わかってないですよね?
わた わかってないと思います。こっちも「伝わんねーだろうな」と思って使ってるので(笑)
みず このインタビューでの初出し情報ですね(笑)
で、この持論を展開するパート。
わた これ、今見ると「もっとやれたな」という箇所があって……
ここ!! 「ドヤ!」と「ふわり」が似てると言っているんですが、左下の「ドラえもんチャンネル」の方が、文字も角ばってるし「ド」も「ャ」もあるので、「そっちにすりゃ良かったな〜」と今は思っています(笑)
みず たしかにそっちの方が説得力ありますね(笑)
出た! 弟さん初登場ですね。
わた 弟も「母、父と来たら俺も出たい!」と言うんですが、絵はちょっと拙いので…… 「じゃあ君、体格がスネ夫に近いからスネ夫になってくれ」つって(笑) 本人もわりとノリノリでやってくれました。
実は、この弟の正面顔には発想の元があるんです。
17:26〜 参照
これ(笑)
被り物を作るとなった時にスネ夫の正面顔は難しいという話を聞いていて、自分でもできる造形は無いかな〜と考えてた時にこの動画を見たんです。「これじゃん!!」って思いました。
だから、最初は目が向かって左側面に2個だけだったのですが、どうせ作るのなら左右どちらから撮っても成立するようにした方がいいだろう、となって、結果目が4つのバケモノが生まれたんです。
流れている曲に自慢話をされたスネ夫が自慢話をするときに流れている曲のグルメレース
わた 次がこれか。
みず この動画までの経緯が経緯なので、おそらくこれが一番下ネタに近いですよね(笑)
わた これは投稿前に親に見せてないです(笑) のちに結局見られたのですが、元ネタは分かってなかったみたいです。
みず 良かったですね(笑)
わた でもどうしよう…… このインタビューを親が見るはずでしょ……? そうなるとこの動画が下ネタだとバレる……
みず ここはカットしておきましょうか?
わた ……いや、大丈夫です(笑)
みず これは元々Twitterの一発ネタだったんですよね。
わた 最初はニコニコに出す気はなかったんです。サビだけ作って、Twitterに上げていました。
あと、この動画は珍しく音程を変えてないんです。1時間足らずで作ったわりには伸びたなと思います。
RY自EE慢
みず 『RY自EE慢』。読み方は「ライジーマン」で合ってますか?
わた 合ってます(笑) この動画はおふくろプロデュースです。「なんか良い曲ないの?」と聞いたら「この曲とかどう?」と『RYDEEN』を勧められました。
古い曲だけど聴いたことはあったので、「なるほどね」と。
みず 動画は過去素材がたくさん使われてますよね。
わた そうそう。せっかく作ったので……
この音声は最初原曲ありで作ってたのですが、おふくろが「原曲無しでやれる所まで詰めてみないか?」と言ってきたので原曲不使用でやる事にしました。
おふくろはこの曲が好きなので、粗とかが全部分かっちゃうんですよね。
間奏の終わりからAメロに戻る時も、最初は自慢話原曲の音程がうまく繋がらなかったのですが、母さんが「ここの音をちょっと下げると綺麗に繋がるよ」と言ってくれて、その通りにすると上手くいったりしました。何者なんだろうあの人…… 不協和音に強いんですよね。
みず お母様凄すぎるな……
あと、コメント欄で「弟くんが学校でこれ俺wとか言ってたら笑う」と書かれているんですが、弟さんは言ってるんですかね?
わた たぶん言ってる(笑) 実際どんな反応をされたのかは本人しか知らないけど。
みず 言ってるんだ! いいな〜そういうの。
わた ありがたい事ですよ、こっちがやってる事が彼の役に立つなら。こっちは一方的に素材にしてるだけですから(笑)
【合作】suneoMAD-☽newsis.mid【スネ夫が自慢話をするときに流れている曲】
わた 次は……合作か!!
合作は、やってみたら新鮮な空気をいっぱい吸えたので良かったですね。「自分じゃこれやらないな」とか「こんなやり方があったのか!」みたいな。
この合作をやったおかげで、この後いい作品をいっぱい作れたな、というのはあります。
みず 新しい風が入ってきたんですね。
わた そうなんです。
初めての多人数合作というのもあって、なるだけ俺に負担がかからないような方式を探してました(笑)
みず 結局何人集まったんでしたっけ?
わた 27人ですね。コメントでは「わたぴーが半分くらいやってる」と言われてたりするんですが、実際は36パート中9パートが俺担当なので、実際は1/4なんです。
自分の過去作と同じ曲のパートだと、作り直すのも楽でした。色々使いまわせるので。
みず 「新宝自慢」。これいいよなあ(笑) そっか、弟さんはここで既にサカナクションのダンスを踊っていたんですね。
わた そうなんです! 何かと縁がある。
あとはダンロボパートとか。
ここもキャラが増えてるんです。マーライオン以外にもこんなに仲間が増えたんだな、と感極まります。
みず 本当だ!! 感慨深いですね……
わた そしてラストの新加ポル。
みず このイラストが動画に出るのは初めてですよね?
わた そうですね。最初、新加ポルのイラストは母さんに頼んでいたのですが、本人のやる気が尽きてしまって、見かねたオトンが「じゃ俺が描くよ」と代わってくれました(笑) ちなみに、父が描いた新加ポルの頭にあるこのパーツは貝なんですが、意味は無いらしいです。
みず えっ? マーライオンの耳じゃないんですか?
わた マーライオンの耳は普通の耳なんです。「のぶ代ドラと同年代のアニメって頭にこういうパーツ付いてるよね」という理由だけで、父が勝手に付けたらしいです。
みず 『うる星やつら』のラムちゃんのツノみたいなことですかね?
わた そうそう。そういうノリらしいです。
Death by Jimanbanashi
みず 次がこれか……
わた この振り返りインタビューの「サビ」ですね。(笑)
合作を経て、やる気がいっぱい出てきたので作りました。
最初に思いついたのは「サビでスネ夫がディスコで踊ってるところ」なんですが、実はこのダンスも元ネタがあるんです。
0:31〜 参照
みず これ!?
わた この「両手を広げて足を交互に前に出す」というポーズがスネ夫だったので、これは同じことができるだろう、と。そしてこの時はまだ「3Dモデルを作って動かす」なんて事はハードルが高いので、2Dでやることにしました。まぁ3Dモデルは後々作ったのですが。
父さんに「2Dモデルのちびキャラを動かすのってどうやんの?」と聞いたら、「Unity*に2D Animationというのがあるからそれを使うといいよ」と教えてくれて、出来上がったのが……これです。
(*Unity…Unity Technologies社が開発・販売しているゲーム開発プラットフォーム。機能が豊富で、ゲーム開発だけでなくアニメーション業界、建築業界、医療教育などの分野でも用いられている。)
みず 元ネタのダンスよりもだいぶアグレッシブになってますね(笑)
わた そうですね。やっぱり地味な動きだと見劣りするな、と思ったので。
そしてその流れで他のキャラも元のポーズに合わせて動かしました。
ここはだいぶウケましたね(笑)
で、これ。
二人 (爆笑)
みず これ、ぶっちゃけコメントで「ゴミ探し」って言われてるじゃないですか。
わた 言われてますね(笑)
みず これはわたぴーさん的にはどうなんですか?
わた なんかね、「イイな」って思ってます(笑) 気兼ねなく物を言ってくれる感じ。
ここの動きは『NIGHT OF FIRE』のパラパラです。
最後はみんなで踊らせようとしたのですが、2Dだと身体をひねったりできないので動きが限られてくるんです。
今度はおふくろに「どうすればいい?」と聞いたら、「パラパラが良い。パラパラというのは上半身を固定して踊るから今回のダンスにかなり向いてるし、曲もディスコっぽいから。」と教えてくれました。
みず お母様凄いな。なにかと困った時に助言をくれるんですね。
レジエレキ(シンガポールのすがた)
わた 次がこれ(笑)
ポケモンの対戦動画をなんとなく見ていたら、レジエレキのコの字型の足が橋門に見えたんです。そう考えると、真ん中が膨らんでいる腕のシルエットも橋に見えてきたので、残りのパーツもこじつければ動画が1本できるな、と思って作ったのがこの動画です。
みず 何を見てても自慢話に結びつける頭脳になっちゃってるんですね……
わた 探せば案外あるんですよ。スネ夫っていうのは何処にでも。
みず 名言出たな……
わた サムネで全部わかっちゃうのはつまらないので、対になるレジドラゴも作りました。
みず 変形してマーライオンになるのがかっこいいですよね。
わた 元のポケモンも両腕が変形してドラゴンの頭になるので、そのわざのモーションを再現しました。
全編GBでバケモノを映すというのは、俺の中ではこれが元ネタです。
シンガポールトレイン
わた 次が『シンガポールトレイン』。
これですね。(ものを取り出す)
みず あっ、そっか、この動画か!! 画像の方はだいぶしわくちゃになってますね。
わた でも大丈夫です。こいつはまた印刷すればいいので(笑)
最初に思いついたのは「あの画像を印刷して貼って回す」という映像でした。また、それとは別に手描きアニメに憧れがあったんです。最初、その2つを合わせて作ろうとしたのが『ローリンガール』でした。でも、その2つ以外のシーンが何も思いつかなかったし、手描きの枚数も多くて難しかったのでボツにしようとした時、ちょうど『ラグトレイン』が流行り始めたんです。
『ラグトレイン』だったら手描きトレスも頑張れば出来るぐらいだし、トレインだから回転する映像も合うだろうと。さらにシンガポールでトレインと言ったら大成建設のCM。奇跡的に要素が3つ揃って出来上がったんです。
回転と手描きアニメの発想は元々あったのでスタートダッシュが早く、おかげでそこそこ伸びましたね。
みず このおもちゃ触ってみてもいいですか?
わた いいですよ。これ、元々は仮面ライダーのおもちゃだったんです。前面に『仮面ライダーウィザード』の顔がくっついていました。ただ、顔は画像を回転させる時に干渉してしまったので外しました。
みず 上手く回すのが意外と難しいですね……
わた 実は、実際に回してみたら思ったより綺麗に回らなかったので、理想に近づけるために色々と捏造しています(笑) 音は他のプルバックカーの空回り音だし、回転速度も上げたかったので早送りにしています。これくらいのインパクトが無いと動画が成り立たないと思ったので。
またシンガポールのトレインが出てくるなんて奇跡ですよ。本当はあの1回(一人合作)で終わるはずだったので。
で、新加ポル。
みず かわいい…… サムネには写ってないんですよね。お楽しみとして取っておいてあると。
わた そうそう。 ……このビルの動きもかわいい。
みず このビル、最近グッズ化されてましたよね。
わた はい。
「建物が動く」っていうのはやっぱり『チャージマン研!』のエッセンスな気がします。
みず あのうにょうにょ動く「頭狂タワー」とかでしょうか?
わた そうそうそう。
スネ夫 vs 自慢話
わた 次がこれか。
みず 出た(笑)
わた このあたりの時期は粒揃いなんですよね(笑)
この動画は、やっぱり元々持ってる武器(Scratch)を活かせば良いものが作れると思って。
みず Twitterで弟さんとも遊んだとツイートされてましたね。
わた 投稿後も結構ずっと遊んでます。ここでも一戦やってみましょうか。
みず ありがとうございます!
結構難しい!
わた 元のゲームからかなり要素を削って、出来るところを再現しました。俺の技術力だと画面外の処理ができなかったので敵キャラがいなかったりします。
みず あ〜。僕はlosesisだ(笑)
IQジマンレース
わた 次は「IQジマンレース」。これもイイ。
これは『DELTARUNE』のChapter 2を配信されてすぐに遊んでいて、作中の「バードリー」というキャラがかなりスネ夫だったので作りました。
みず モーションが良いんだよな〜…… かっこいい。
わた で、急に折り紙を折る(笑) この折り紙自体はこの動画の半年以上前に考案していたのですが、動画で使うタイミングがなかなか無かったんです。
そして本邦初公開、プロトタイプです。
みず (爆笑) ほんとだ(笑)
わた 最初に模索して折ったのがこれなんです。
みず 最後はなぜ製氷機に入れてるんですか?(笑)
わた 後半の畳み掛けも含めて、原作のシナリオの再現です。
(編集者注 その後詳しく教えていただいたのですが、『DELTARUNE』のネタバレを大いに含んでいたので割愛します)
没集その2 スネ夫が自慢話をするときに流れている曲
わた 次が「没集2」だ。
この動画の「『いいね!』へのお礼メッセージ」が……
みず 「『観賞用』って何だよ」って言われてますもんね(笑)
わた この「観賞用」について、今日、ご説明します。
俺が見たかっただけ。(きっぱり)
「これをスネ夫でやったらどうなるのかな」という動機で作って、単に満足して終わったというのが観賞用なんです。
この動画だと『きみょうぜつみょうコンビ』『リップルスター 6-3』『Disco Necropolis』の3曲が観賞用ですね。
実は、『バトル モミジ山エリア』の時に折り紙スネ夫を使う予定だったんです。ただ、迷っている間に旬が過ぎてしまって、「まあいっか」ということで没になりました。
『多摩橋』は、私的オールスターに憧れていた時に作りました。過去の動画から素材をいっぱい持ってくる感じで。ただ、動画を作る際のこだわりとして、前の動画を見ていないと分からないというような事は極力控えたいんです。
最近はちょっと崩れ始めてるけど……
「前の動画を見ていないと成立しない」というのがあると、それをやった分だけわかりづらくなっちゃうし、見てくれる人が減ってしまうので。
そういう気持ちもあり、やる気が無くなってきてしまったので没になりました。
『スネ夫の自慢話を夜に聴いたせいです。』
わた 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』も、母経由で知ったんです。
曲を聞いたことはあったんですが、MVをちゃんと見たのは母さんが教えてくれた時が初めてで、「確かにこれスネ夫でいけるね」と。
みず ……あれをどう見たら「スネ夫でいける」と思うのか……(笑)
わた 山口一郎さんの服が青いんですよ。
みず (爆笑) いやそうだけど……(笑)
わた 実写もちょうど弟がいるのでできるな、と。この動画は2021年の締めとして、今まで培ってきたものを全て注ぎ込みました。
で、CGも作りました(笑)
この弟のダンスなんですが、これを踊れるの、地味に凄いんです。
みず どういう事ですか?
わた 踊るだけなら簡単なんですが、スネ夫を被ると前がマジで見えないので、感覚と隙間から差す光だけを頼りに踊らなきゃいけないんです。
見てる分には「あぁ、踊ってるね」だけど、被ってやってみると全然わからなくなるんです。どこが前もわからないし。
みず そっか、カメラを正面にして踊り続けるのが難しいんですね!
わた そうなんです! だから、彼は見た目以上に頑張ってます。演技派なので……
みず ありがとう弟くん……
わた 音色も『バッハ』と『自慢話』が上手くハマったんですよね。
『自慢話』があるのはわかるけど、馴染んでるというか。
みず 確かに、没になった曲と比べると、自慢話の音色の個性が出ている感じがしますね。
あっ、ここはえいりな刃物さんからファンアートを頂いていたところですね。
わた この、メッセージ性というか「こういう事伝えようとしてるよ〜」の塩梅が一番ちょうどいいところです(笑)
途中までそんなにメッセージなんて無いじゃないですか。ただ踊ってるだけなので(笑) なのに急に拒否されるっていう。
その辺のバランスも含めて、投稿した作品の中でこれが一番好きですね。
自慢はLove me more
わた 次が「自慢はLove me more」。
みず 初っ端からルイージで拍子抜けしますね(笑)
わた この曲もお察しの通りおふくろプロデュースです。他の母プロデュース曲は俺も聞いたことがあったりしたんですが、これは本当に知らない曲だったんです。ただ、母からの「やりたい!!」という強い希望で作ることになりました。俺が「新加ポルでなんか描いて」と言ったら、「この曲のアニメーションだったらいいよ」と言ってきたくらいですから。
みず なるほど、お母様のモチベーションが上がるんですね。
わた そう。多分当時リアルタイムで『うる星やつら』を見ていて、「このアニメーション良いな」と思ったんでしょうね。
みず ウスネオイデス、この動画で初めて知りました(笑)
わた 俺も(笑)
スーネル・ジマンゲイザー
わた 次が「スーネル・ジマンゲイザー」。
昨年末の「音MAD作者が選ぶ今年の音MAD」の放送でもチラッと言いましたが、マーライオンが実写だと黄色っぽくて、いつもの画像だと青いのは、原作のドラえもんの流れと一緒なんです。これはきっと悲しみを背負った結果だろう、というところからお話を組み立てていきました。
『クーネル・エンゲイザー』の歌詞を見てみると「凍った」とあったので、凍ると青くなるしこの曲がぴったりだと思いました。
この動画のお話はいつもの画像の過去編なんです。スネ夫たちとマーライオンやシンガポールの建物たちが出逢うきっかけのお話です。
そのため、いつもの画像をそのまま出している場面は最初のタイトルとラストシーン以外に無いんです。
みず 最初と最後以外は一枚絵が出てこないんですね。すげぇ! 過去編としてよく出来てますね……
わた この動画は「劇場版」を作るっていう気持ちで取り組んだので(笑)
順を追ってお話を解説します。
外を歩いていたマーライオンは、ある時凍りついたスネ夫を見つけます。
お家に引き入れて……
お湯をかけてあげました。でも、まだ溶かしきれておらず……
スネ夫はまだ動きません。他の4人は他所で凍ってしまいます。劇場版でよくある、みんながピンチだけど、1人(スネ夫)だけ助かりそうな場面ですね。
建物たちは青く凍ってるんですが、建物なので人より氷結に強いんです。元からカチカチだし。
世界が凍りついても、建物たちは生き生きしています。
マーライオンがある日、調べ物をしていると……
スネ夫のいろんな画像が出てくる。でもその中に自分(マーライオン)はいないんですよ。スネ夫と親しくなっていたつもりだったのに、スネ夫にはいつものみんながいることを知ります。
彼ら5人とは別々の存在なんだ、と分断されてしまいます。
で、マーライオンも凍っちゃう。キバも抜けるしストレスでちょっと太る(笑)
突然マーライオンが落ちてきて、建物たちは驚きつつも起こしてあげます。
起こされたマーライオンは割れ目のところにスネ夫がいるのを発見し、「助けなきゃ」と建物たちに呼びかけます。
助けに行こうとしますが、一歩届かない…… そんな時、お湯が出せるマーライオンの能力のおかげで最後の一押しでようやくスネ夫は完全に目を覚ますんです!!
目を覚ましたスネ夫は残りの4人も救出します。
そして「ぼくを助けてくれた人がいるんだ!助けなきゃ!」と4人を説得します。のび太が「なんとかしてよドラえもん!」と指をさしています。
ドラえもんはポケットを探してもゴミしか出さないので、スネ夫が全部壊します。
そしたらちょうどマーライオンが飛んできます。スネ夫はここで「この人が恩人だ!」と確信しました。
どうしようどうしようと慌てる5人。
5人で協力して、白い枠をドラえもんに一旦集めます。
みんなで飛び降りて、
最後は枠を使ってトランポリンのようにマーライオンと建物たちを受け止め、全員が助かりました。
この枠が最終的にいつもの画像になる。この画像の過去編だったというわけです。
みず すごい…… 全てのシーンに意味があるんですね。
わた そうなんです! ただ、作ってる間に1回矛盾が生じてしまって……
間奏部分で、いつもの画像が出てきちゃってるんです。
みず あ、本当だ!
わた これどうしよう……ということで、間奏の左右にある2つ(回転するいつもの画像と折り紙スネ夫)はドラえもんのひみつ道具ということにしました。
ドラえもんは未来のロボットですから、過去編でこの画像を持っていても矛盾しないので。
だけど、間奏の時点ではドラえもんは凍っているので、この2つは間奏では青くなっているんです。この2つがひみつ道具だということは、
後半のここでわかるようにしました(笑)
みず なるほどな〜。
わた もっと細かいシナリオを言うと、
マーライオンは、この段階では他の建物と知り合いじゃなかったんです。建物とはすれ違うだけで、まだ他人なんです。
また、1番サビのここ、「ジマン」部分がいつもの画像なんですが、「まだスネ夫とマーライオンしかいない」ということを表しています。
みず そういうことか! ただの簡略化だと思っていました。
わた 簡略化でもあったのですが、意味もちゃんとあったんです。でもこれはこういう場で言わないと絶対伝わらないので、ずっとこの日を待ってたんです(笑)
みず いや面白い!! 聞けてよかったです。 マジで劇場版じゃないですか。
わた そうなんですよ! ファスト映画ですね(笑)
みず (爆笑)
【音MADニコニコメドレー】NEW!自慢流曲21's
わた ついにメドレーですね。
このメドレーを作ることになったきっかけは、俺がTwitterで「メドレー作りたいけど、作り方わかんないな」みたいなことを言ってたら、蓑虫さんが「わたぴーさんのメドレー、めちゃくちゃ待ってる」と言ってくれて、その後に、「メドレーを作りたい人は聞いてくれたら協力できますよ」みたいなツイートをされていたので、「これたぶん俺のこと言ってるんだろうな」となったのが最初です(笑)
そこで、具体的に考えていたメドレーの内容を蓑虫さんにDMで送りました。
そしたら蓑虫さんから返信が来たんです。色々教えていただきました。
例えば、構成はスプレッドシートに曲名と使いたい箇所、BPMなどを書いて、並べてまとめて考える、とか。
それを聞いて、実際に曲をいっぱいシートにまとめて、一覧にして構成を始めました。
構成で考えていたアイデアは「シンガポールの一日」です。昼→夕→夜→朝 の順番で、昼はメジャーな曲や、明るい曲。夕方はしんみり。夜はテンポが早い曲でパーティナイトをして、それが終わったら気だるいけど爽やかな朝、といった流れを考えました。
この時点で一回原曲で繋げてみたので、それを蓑虫さんに送りました。蓑虫さんにはキーのズレなどを修正していただきました。自分だと気付けないようなところがいっぱいあったのでありがたかったです。
蓑虫さんから頂いたその修正データを基に、メドレーを打ち込んでいきました。
今回のメドレーを作るにあたって目指していたのは、「全部の音を打ち込みで作る」、つまり「原曲に頼らない」ということです。
今までの動画は原曲に重ねるように作っていたのですが、今回はスネ夫の素材にこだわらなくてもいいのでとにかく全部打ち込むようにしました。
また、「集大成を作る」という側面もありました。これまでも、先ほどの没集を見てわかるとおり「集大成をやろうとして諦めた」というのが結構あったんです。この先の『没集3』の『Haunted Dance』でもあったんですが。
たびたび、集大成を作ろうとしては「ん〜違う」となってやめる、っていうのを繰り返して、このメドレーでようやく納得のいく形で出すことができました。
みず わたぴーさんがこのメドレーで気に入っている繋ぎとかありますか?
わた 結構あるけど…… やっぱり『IQジマンレース』への繋ぎ(4:42〜)ですかね。2番目に好きなのは『.』への繋ぎ(3:21〜)です。
みず どの繋ぎも本当に凄いですよね…… 原曲を繋げたときから、繋ぎの感じは変わっていないんですか?
わた ほぼ同じですね。
みず 凄いな…… 頭の中の感覚で繋げていって、それを打ち込みで実現させていく作業みたいな、そういう感じなんですかね?
わた そういう感じでした。正直自分でもこんなにできるとは思わなかったです。メドレーなんて本当に作ったことがなかったですから。
あと、この動画を公開するときに初めて「ライブ公開」を使ったのですが、待機画面の段階で「NEWSISとタイトルがかかってる」ということに気づいた人がいて凄かったです。よく見抜いたな!と。
わた そうだ、こないだ興味本位でパートごとに出力したので、今回の記事で配布します(笑) プレゼントです。
みず やった!!
わた 「これを読んでいるあなたに特別なプレゼント」(笑)
NEW!自慢流曲21's_パート別のダウンロードはこちらから
みず (試聴しながら)うわいいなこれ!
わた 合作とか作るときに使えるかもしれないですね。
わた これは裏話なんですが、21曲のメドレーということでタイトルにも「21」を入れているのですが、『Death by Glamour』が2回出てくるので実際は20曲なんですよ。
みず え!? あら!! じゃあもう……『自慢話』を足して21曲ということに……
わた そう。だから使用曲とBPMをまとめたスプレッドシートに『自慢話』も入れてます。これで勘弁してくれ!!っていう(笑)
クラー慢のテーマ
わた で、急に『クラー慢』。
みず 落差がすごい(笑)
わた 直近の2つが『スーネル・ジマンゲイザー』と『NEW!自慢流曲21’s』だったので、「凝りすぎ!! これを続けてたらもう後に引けなくなる!!」と思って、一回グッと下げようとした結果こうなりました(笑)
みず これはこれで狂気方向に突き詰めてますよね(笑)
わた 手間自体は前の2つに比べると格段に下なんですが、かなりクレイジー寄りにしたからごまかせました(笑)
なるだけ最初の手間で楽できるような作り方をしました。動きは全員同じなので、画像を差し替えるだけで5人分作れるんです。
普段の動画なら、素材を作ってからそれを使った映像を作るのですが、ほぼ素材だけで1本だけで出来たので良かったですね。
そもそも、『レジエレキ』のときに「手間のわりにウケたな」と思ったので、それを踏襲しています。
ロッ自慢3 スネー夫慢スネー自
わた で、これ(笑)
二人 (爆笑)
みず この動画は投稿通知が来てすぐ見たんですが、投稿直後でコメントが無い素の状態で見たので悲鳴を上げましたね(笑)
わた (爆笑) 純度の高い状態で(笑)
みず そうそう。コメントで色々ツッコミが入る前だったので(笑)
こののび太の走り方はなんとかならなかったんですか(笑)
わた ならない(笑) 彼はこの状態で生きる定め。
で、この動画、学校に提出したんですけど……
みず え!?!?
わた 突っ返されました(笑) 「著作物すぎる」って(笑)
みず (爆笑) そらそうよ。
わた 詳しい経緯を言うと、「Blenderを初めて触ってみよう」みたいな授業があったんです。俺はちょうどBlenderで前から建物などを作っていたので、「無双できるぜコレ」と思って(笑) あと「授業時間中に音MAD作れるって最高だろ!」と思ったりして、スネ夫たちのモデリングをして「よっしゃ提出じゃー!!」とノリノリで見せたら……「それはちょっとまずい」と。
みず (笑) 建物は大丈夫だったんですか?
わた 建物はOKでした。
そもそも授業の説明で、「制作した映像は外部で公開しない代わりに、ちょっとくらい著作物を使ってもいいよ」って話だったんですけど、裏切られました(笑) 「使ってもいいって言ってたじゃん!!」って。
みず 外部に出さないならいいじゃんね。
わた 突っ返されて腹が立ったのでこうやって外部に出してやりましたよ(笑) 学校の方にはデータが残ってないし。その課題は最終的にちゃんと別のものを作って提出したので大丈夫でした。
みず 良かった良かった。
没集その3 スネ夫が自慢話をするときに流れている曲
わた 次は『没集3』。
今までの没集より量が多いですね。というのも、『没集1・2』では、ちゃんと1曲分作っているものを選んでいたんです。対して今回の『3』では短いものをたくさん詰め込んだので、曲名が多くなっているんです。実は時系列的に古い没も入っています。『Haunted Dance』なんかは『没集1』と『2』の間ぐらいに作ったものですね。
今回は映像が付いている曲もあるのですが、この映像はすべて没集用に作ったものです。短いのだったら、見ていて飽きない程度には付けてもいいだろう、と思って作りました。ちなみに、映像ができてから没にした作品はありません。
『Haunted Dance』はサビで1フレーズごとに音を変えていて、それぞれ過去の動画で使った音になっていたんですが、伝わりづらすぎるので没にしました。今見返してもどの音がどの動画のものかわからないです(笑)
みず 一視聴者からするとこの音声は本当に映像が欲しくなります……
わた ですよね。俺も欲しい(笑)
スネ夫も単体で動く素材がだいぶ増えたので、「組み合わせたらいろんな動きができるだろうな」と思って、ここでは没消化ついでに実験をしています。
『シンガポール スプラッシュ』は、『マリオカート ツアー』にシンガポールが出ると聞いた時点で「作るだろう」と思っていたので音声を作っていたのですが、動画を1本作るにはマリオカート単体だとネタが少ないな……と立ち往生していたんです。その時ちょうど母と『自慢はLove me more』を作ろうという話が出たので、『シンガポール スプラッシュ』はそのまま没になってしまいました。
(没集用の映像に関して)何も考えずにこういう映像を作るのも楽しかったです。真面目に作るのとは別の面白さがありました(笑)
『きゅうくらりん』も入れ替わりで完成したものがあって、それが『転スネ夫』でした。
『転スネ夫』で出てきたあのメカ*は、最初『きゅうくらりん』で使う予定でした。
みず えっ? きゅうくらりんでメカ……??? どうやって?
わた 内容は『スネ夫の自慢話を夜に聴いたせいです。』の後日談でした。あの動画の最後で、弟が出ていくじゃないですか。それで俺(わたぴー)は喪失感を覚えるわけです。だから「目覚めたときに起きる理由がひとつも見つからない」状態になったんです(笑)
みず 弟さんが出ていっちゃったから(笑)
わた そう。それで誰か代わりのスネ夫を用意しなきゃいけないので、新しい顔を作る、という構成にする予定でした。
ただ、歌詞の関係上そのお話が始まるのがサビ終わりだったので、まず1回サビを作らなきゃいけない。となると埋めるのが難しいな……となって空中分解してしまったんです。
『エルガンダーバトル』を作ったのも『没集1』と『2』の間ぐらいです。『2』に入れようとも思ったのですが、『バトル モミジ山エリア』とペーパーマリオで被ってしまうので、なんとなく次に回しました。
ちなみに、これも「観賞用」です(笑) 聞きたかったから作った。
みず この『柴又』はどういう理由で作ろうとしたんですか? リメイクしようとしてたんでしょうか。
わた リメイクというつもりではなかったんです。『柴又リレー合作』を「いいな〜」と思っていて、「もし参加するならあらかじめ作っておけば映像を足すだけでいけるじゃん!」ということで作ったのですが、結局参加もせず、なんか手元に残ってたので没集に載せました。
ちょうど『(別ver.)』が出てきた時に作ったので、全て別ver.の音で打ち込んでいます。
みず そうだったんですね…… 柴又はなんぼあってもいいですからね。
わた 『星のカービィ ディスカバリー』は買って遊んでいて、遊んだからには何か一個作りたいな、と思っていて。
このメタナイトと戦うときの曲が格好よかったので作ろうとしてみたのですが、原曲が生音なので上手くハマらず、結果制作が止まってしまいました。
でもサビ以降の映像とかは考えていたんです。スネ夫とマーライオンが決闘していて、後ろの観客として建物が4人ぐらいいて応援をしているんですが、その建物たちが異世界に吸い込まれてしまう。気がつくとビーチに流れ着いていて、顔を上げると新世界だった……。その後、建物4人が世界を駆け巡ってほおばりヘンケイをしたりする。そんなお話でした。ただ、映像化が大変そうだったので没になってしまいました。
これも観賞用ですね。ゲーム本編をプレイ中にこの曲と『IQチキンレース』で悩んでいたんです。最終的に後者で『IQジマンレース』を作ったのですが、こっちも聞きたいな、と思って音声だけ作っていました。そして「作ったからにはお届けしよう」ということで没集入りしました。
この右にいる「スパムトン」というキャラクター、髪型がかなりスネ夫っぽいんです。スネ夫ヘアーが前後反転したような感じで。だから作りやすかったです(笑)
ここでは『スネー夫慢スネー自』で出てきた3D素材をGBとして配布しているのですが、実はあの動画は全てBlender上で動いているわけではなく、このGB素材とAviUtlで作成した背景の映像を合成していたんです。
実は、この新加ポルはおふくろの作業の時系列的には『転スネ夫』の後に描かれたものなんです。『nerdtronics2』自体が結構長い準備時間をかけていたので、『転スネ夫』はだいぶ前に完成していました。次に『otoMAD-mix.'sNEO』の前半まで作り、「後半どうしようかな……」と考えていたときに、「そうだ!『没集3』を出せばそこで出した曲で埋められるのでは?」という思いつきで没をまとめることにしました。そこでおふくろが「じゃあ手伝うよ」ということで描いてくれました。その時点で『転スネ夫』で百何十枚描いていたので、感覚が狂って1枚くらい余裕な状態になっていたみたいです。
この音声自体が没になった理由は、本当に『マオ』が「マーライオン」になるというネタだけで始めて、サビだけ作って終わってしまったんです。あと先駆者がいたので、「じゃあいいだろう」と。
otoMAD-mix.'sNEO
みず きました! 『ナートロ2』。
わた 正直、ナートロ2で出したこの動画と『転スネ夫』の裏話は、自分のnote記事でまとめた時にだいぶ書き尽くしたんですよね。
↑とても面白くまとまっています。未読の方はぜひ!!↑
みず このシンメトリーな2画面の画面構成はMOGRAのプロジェクターの仕様を前提に作ったものなんですか?
わた そうです。でも実際に現地へ行ってみたら左側の壁にもう1個投影されていて、みんなそれをメインとして見ていたので、「そっちでいいなら別にやらなくてもよかったな」って思いました(笑)
あと自分の記事で言っていない事といえば、自慢話:他慢話の比率をだいたい1:1にするように意識して作りました。
みず 他慢話を採用する時に、わたぴーさんが打ち込み直すようなことはしましたか?
わた ほとんどしていないと思います。基本はそのままです。
みず 動画の採用、ありがとうございました…… 会場でびっくりしました(笑)
わた 後ろの『Big Jimanbanashi』とかも、メドレーの時に使えなかった未練があったんです。
あと、前半は映像の色合いが次々に変わるように意識しています。
順番に白黒、黄、赤、青、赤、緑といった感じです。
みず (コメントを見ながら)ちょくちょくありますが、コメントのしずかちゃんに対しての「源」呼びはなんなんでしょうね?(笑)
わた わからない(笑) どこが初出だったのかもわかりません。いつからだったんだろう……
みず いつからか「源」呼びが定着しつつありますよね。
わた なんか、放っておくと環境ができあがってるんです。ビオトープ*が(笑) こういうところも面白いので、モチベーションに繋がっています。
(*ビオトープ……動物や植物が安定して生活できる生息空間(生物生息空間)のこと。)
で、第一部の締めは『残酷な自慢話のテーゼ』。ここまでの約4分間はナートロ2に参加することが決定してから1週間くらいで作りました。ただ、ここから先が本当に長かったんです。
どうしようかなと悩んだ末、コンサートやライブなどで幕間に語りが入るのを参考に、『何でもスネ夫が自慢話をするときに流れテイルキョク』を差し込みました。
みず ここは会場が今までに感じたことのない空気になりましたね(笑)
わた ここの回るやつをナートロ2当日に持っていってたのですが、直前まで出す予定は無かったんです。でも「これいけるな」と思って取り出して実演しました。
思いのほか「おおーっ!」という歓声が上がって嬉しかったです。
『ローリン・スネ夫』は一回諦めた過去があるので、他の作者さんの手で完成したのは感慨深かったですね。
やっぱり締めはこれだな、と思って『スーネル・ジマンゲイザー』を入れました。『NEW!自慢流曲21’s』は2021年までの作品をまとめたメドレーだったのでこれが入れられなかったのですが、ここで採用できてよかったです。冬だしちょうどいい。
みず この『スーネル・ジマンゲイザー』への繋ぎの部分をowataxさんがすごく評価されていましたよね。
わた そうなんです。『ヒバナ』の動画のおかげで最後に振り返っていく感じにもなっていてお気に入りです。
転スネ夫
わた で、これですね。
みず これについても、わたぴーさんのnote記事でシナリオや制作秘話など詳しく解説されていますから、ぜひ読んでいただきたいですね。
↑とても面白くまとまっています。未読の方はぜひ!!(再宣伝)↑
このメカ、コメントで「これ絶対眩しいだろ」と言われていますが実際はどうなんですか?
わた 全然眩しくないです! 電飾はおでこと口元あたりにあって、目元にはあまり光が入ってこないようになっています。でも脱ぐ時はめっちゃ眩しいです。目が痛くなります(笑)
でもその眩しさよりも重さの方がキツい(笑)
で、このサビですよ。
みず めちゃくちゃ描いてる…… お母様本当にすごい。
わた そう。身内とはいえお金払うべきなくらい描いてもらってます(笑)
あと、自分の記事でも書いていない話なのですが、実はサビ前のアニメパートにもちょっとしたメッセージがあったんです。
「スネ夫だからってなんでもかんでもこじつけちゃうのってあまり良くないんじゃないの?」というのを最近思っていたんです。
元々『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』はニコニコで流行ったことがあって、俺はそこに土足で突っ込んで……荒らしまくったわけです(笑) 「そのせいで失われた良さが実はある」のでは……? つまり、見境なく何でも素材にしちゃうから「見境ないね『自慢』が消えちゃったの?」というわけです。
元々なかった素材だけどスネ夫がいるから回収。
いろんなスネ夫を出しちゃう。
だから、いつもの画像のスネ夫が薄れてしまった。
……という問題提起だったんです。でもあんまりしっかり言うと感じ悪くなっちゃうので、うっすら仄めかす程度にしていたんです。
みず そうだったのか……! 全然わからなかったです。
振り返りを終えて
わた いや〜、全部見ちゃった。長いけど話せちゃいましたね。
みず 見ましたね〜。どのお話も聞けてよかったです。
(編集者注 2月のインタビュー当日までの投稿作品は以上ですが、現在さらに『「水力発電」と「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」を掛け合わせた音MADのタイトルを考えてください。』と『スネ夫のくせになまいきだ。』の2本を投稿されています。)
普段の制作のお話
みず ここからは普段の制作に関する質問をさせていただきます。わたぴーさんが作品を制作していて特に楽しいときってどんな時ですか?
わた 頭の中でなんとなく考えていたものが、現物として出来上がったときですね。特に『シンガポールトレイン』の「印刷してきて貼って回す」というネタは寝る前に思いついて、寝床で「クククク(笑)」ってニヤニヤしてました。「いきなり高速回転したら面白いやろな〜www」って(笑) それを実際の形にできるのが楽しいですね。思いついたものを完璧に物にするのって、狙ってもなかなかできないじゃないですか。それができちゃった時の達成感はありますね。
みず 逆に制作していて難しかったこと、大変だったことはありますか?
わた やっぱり、何も思いつかないときは大変ですね。実際そこで行き詰まったものが没集に行っているというのもありますし。
ただ、素材不足が理由というわけではないんです。『自慢話』は、できることとできないことがかなりはっきりしている素材なんですよね。例えば、セリフ合わせやラップみたいなことは全くできないのですが、音合わせには長けていて、作りやすいんです。また、人の声って加工しないとなかなか綺麗な音にならなかったりするんですが、『自慢話』はそのまま置くだけで様になってしまうんです。だからかなり初心者向けでもあると思いますね。ゆえに最初の『柴又話』とかが出来たわけだし。
というのもあって、意外と素材不足そのものは苦しみとも限らないですね。
みず わたぴーさんの場合、素材を作っちゃいますからね。
わた そうなんですよね(笑) 分かれ道が少ないとそのぶんやることは決まってくるんです。意外とそこは楽しかったりしますね。ただやっぱり、進む道がわからない、つまり何も思いつかない時が一番苦しいです。
みず 1本の作品が完成するまでの流れを教えてください。僕の予想では、素材が限られている分、他の作者さんと違うところがあるんじゃないかと思うんです。
わた パターンはいくつかあるのですが、最初の取っ掛かりは流行りの音MADを見て、「これはスネ夫でも同じことができるだろう」というのが動機のパターンや、折り紙スネ夫や回すやつなどやりたい事が最初にあって、それを世に出すためにどんな曲と合わせるかを考えるパターンなどがあります。
特に初期の頃はそうだったのですが、テンプレが決まっている曲じゃないとなかなか作れないんですよね。おしゃれな画面構成とかを考えるのは本当に苦手なので、原曲のテンプレに沿って作れるといいな、という感じです。『転スネ夫』はまさに「やりたい事パート」と「原曲MVに沿うパート」がはっきりしています。やりたい事パートはただありのままを映すだけで間が持つ(笑)
みず やりたい事パートは視聴者の驚きがありますからね。
わた それで、思いつかないようなところは原曲の構成を使ってみたり。それでも埋めるのが苦しいところは『自慢話』をそのまま流しちゃう(笑)『自自自自慢話』のこことかまさにそうです。「マジでもう無いから勘弁して」の、これ。
みず でも、これだけでも「原材料表示」とか「素材の味」とか言ってくれますからね(笑)
わた そう!! 意外とそのままでもみんな許してくれるんですよ。
みず さすがに一曲全部これだったらまずいでしょうけど、「Aメロだけ」とか「Bメロだけ」ならギリギリいけるんでしょうね。
わた そうなんです。そこも『自慢話』の強みですよね。でもそのぶんサビは頑張る(笑)
音声編集について
みず 音声編集のことをお聞きします。基本的にMIDIは使わないんですか?
わた あんまり使わないですね。一番最初はドラムの耳コピから始めます。ドラムのリズムがあるだけでわりと聞けるものになるので。
その次は一番よく聞こえるメロディとベースを耳コピします。と同時に『自慢話』のあのメロディをベースと一緒に置きます。あとは順番に聞こえやすい音から耳コピしていくという感じですね。
自慢話ベースは、初期の頃はマラカスのような「チャカチャッチャッチャッチャ」という音を消したものを置いていたのですが、最近はその音を残したまま配置しています。この方が存在感があるので。
動画編集について
みず 動画の編集についても色々お聞きしたいです。
わた 動画は本当に基本トレス作業ですね。トレスじゃないところは、素材配布とか、物の制作風景を映したりとか、原曲垂れ流したりとか(笑)
正直、自分で映像の構成を考えるというのが今足りてないスキルですね。
ちょっと話が変わっちゃいますが、絶対音MADが世間に認められる日ってもうじき来ると思うんです。モスバーガーしかり、『モッシュレース』しかり。そうなった時に必要なのは、他人に頼らない映像なんですよ。でもそれって今俺ができないことなんです。
もし音MADが認められる時代が来たときに、せっかくこんないい感じの位置にいるのに乗り遅れてしまう可能性があるというのを、今恐れています。
みず 動画といえば、『バッハ』の弟さんのダンスを見ていて思ったのですが、弟さんの踊りに途中でカットが入るのは何故なんですか?
わた 別に彼が一度に踊れないわけではなくて、家のグリーンバックが小さすぎて、通しで踊るとGB範囲からはみ出ちゃうからなんです。
みず なるほどこういうことか!! めちゃくちゃすっきりしました。
近況と今後の活動
わた さっき「素材不足そのものは苦じゃない」と言いましたけど、やっぱり苦かも(笑)
みず (笑) まぁ、言い方を変えれば「苦だから素材を増やしてる」とも言えますよね。
わた そうですね。ただ実は、もう新しいものづくりのストックが無いんです。スネ夫人形とか折り紙スネ夫は事前に作っていたものなので、動画に登場させたくなったらすぐ出せたんですが、そういうものづくりストックが現在完全に空なんです。ついでに言うと没集のストックすら無いです。
しかも、2021年の時点でやりたい事はほとんど終わらせて、2022年ではメドレーとか、マーライオンの過去とか、やりたくてもやれなかった事を終わらせたので、実は今けっこう一区切りついちゃったんです。
みず じゃあ、今後の展開は……
わた 俺にもわからない。でもやっぱ合作だろうな、というのは思っています。前回の合作のときも、終わった後のアクセルの踏み具合がすごかったので、『音MDM天』が終わったら合作かな、という感じがします。
みず どんな合作になるんだろう…… やっぱり『otoMAD-synthesis.mid』の次だから『S2』……?
わた やっぱS2やりたいっすよね〜〜!!
みず じゃあ『Death by Glamour』はわたぴーさんだ(笑)
わた 絶対やります。(即答)
みず (爆笑) セルフリメイク決定だそこは。
わた 『S2 スネ夫が自慢話をするときに流れている曲バージョン』(笑)
みず じゃあ僕は『さくら(独唱)』のとこやることになるのかな……(小声) どうしよう、何やろう。(小声)
わた まぁまだ構想だけなので(笑)
幻の没音声
わた あっ、さっき「没集のストック無い」っていったけど1個だけありました。『KICK BACK』。
みず おっ!! 聞いていいんですか!?
わた たぶん世には出ません(笑) いつかの没集に出る、かも? わからないです。本当に予定が無いので(笑)
みず (サビを聞いて)あっはははははwwwwwwwwwwしゃべってるwwwwwwwwww
面白いなぁ…… 没にするのは惜しいですね。
わた 惜しいですよね〜。でも、没にします(笑) なんならこれのWAVファイルを差し上げるので記事に載せておいてください(笑)
没_KICK_BRAG.wavの試聴・ダウンロードはこちらから
ご家族について
みず ご家族についてもいろいろ聞きたいんですが、単刀直入に質問します。お母様とお父様は何をされている方なんですか……?
わた それが…… 言えない(苦笑) 俺も本当は言いたい!
親父やおふくろがやっている事・やっていた事というのが、今回ここで出したどの情報よりも凄いことなんです。
ただ、本当に言えない(笑)
みず 今回のお話が記事になることなども関係なく、周りの人にも言えないような感じなんですか?
わた はい。 ……でも、昔は言っちゃったりしてた……(苦笑) 「うちのおふくろ凄いんだぜ!」って(笑)
みず 本当にスネ夫みたいな自慢話じゃないですか!!(笑)
わた でも、そういうこともあって心から親を尊敬しているので、反抗期になったことがないんです。確実に親の言うことのほうが信用できるから。
みず たしかに。反抗期なさそう……
みず 弟さんはどうなんですか?
わた 弟は本当にクリエイティブに興味が無いんです。彼は基本受け身なんですよね。
普通は別にそれでもいいはずなんですが、うちの家族は4人中3人がクリエイター気質なので、ちょっと肩身が狭そうでかわいそうというか、気の毒なところはあります。
だから動画ではスネ夫になっていただいたりしてます。
みず それでも協力的なのが凄いですよね。
わた 昨日、家族のみんなに「明日、家族がなんで俺に協力してくれるのか聞かれるんだけど、どう?」と聞いたら、
って言ってました(笑)
みず 三者三様でいいな。すごく前向きですね。これからも活躍していただけたらいいな……
ほんとに、「家族の家族を解放」してあげてください(笑)
わた コメントでよく言われますね(笑) 『バッハ』での弟が逃げ出す展開は、「弟を解放しろ」というコメントを見て、「じゃ1回解放するか」って思いついたんです(笑)
わたぴーさんの原動力
みず わたぴーさんのモチベーションとか原動力ってどこにあるんですか?
わた 2つあって、ひとつは、ナートロ2の振り返り記事にも書きましたが、「ポジティブな困惑」です。とても良い……
みず 記事読みました。怖かったです(笑)
二人 (爆笑)
わた なんていうのかな。ふつう、良いことをすると褒められるじゃないですか。反対に、悪いことをして怒られることもある。
そして、良いことをしたのに怒られるのはとても嫌ですよね。で、悪いことをしたのに褒められるのは完全に破綻している。
でも、その4つ目が今起きているんです(笑) 破綻していることをしている。「俺破綻できてる!」みたいな。
普通、困惑されたら距離を置かれるけど、俺は困惑されながら興味を持ってもらえているわけです。
この矛盾。それを生み出せている自分、に酔っている感じです(笑)
もうひとつの理由が、「格上に認められるのが大好きだから」。
格上というのは、身近なところでいうと両親とか、先生とか。
動画作りを始めてから、昔よく見ていた動画の作者さんがフォローしてくれたりしたときに、「あぁ俺、社会の一部になれてる……!」と思うんです。
チャー研界隈の人とかが結構フォローしてくれたりして。「あの時見てた『小ネタマン研!』の人だ……!」みたいな(笑)
そういうのが多くて、モチベーションになっています。
音MDM天に向けて
みず インタビューも終盤になってきました。『音MDM天』について少しだけお聞きします。
まぁ今(2月時点)は話せないことも多いかと思いますが…… マッチングは終わったんですか?
わた ちょうどこないだ全員終わりました。
みず うわ〜! 相手気になる〜!!
わた 気になるでしょ!?
みず 気になる!!
わた 言えない!!!
みず (爆笑)
わた もうぜひ楽しみにしててください。
みず じゃあこれから制作に取り掛かる感じですかね?
わた そうですね。どうなることやら……
(編集者注 その後、7月1日にわたぴーさんとなぽりさんのコンビ「スネ夫芸能事務所」が発表されました!)
『自慢話』の未来
みず 今後の展望や、これからの『自慢話』について思うことがあれば教えてください。
わた さっきも言ったとおり、自分で出来ることはほとんどやり尽くした後なので、投稿数は減っていく一方にはなると思うんです。創作に充てる時間もいつまで確保できるかわからないですし。
でも、俺がいなくなったら……スネ夫は死んじゃうと思うんです。かつてのスネ夫が流行って廃ったのと同じように。
……寂しい。寂しいんですよそれが……
俺が命を救い、救われた、この恩人が、いなくなってしまう。
となるとやっぱり、他慢話が欲しいんですよね……
あとやる事があるとしたら合作第2弾。それでもし、モチベーションや発想が復活したらそれはもちろん良いことだし、復活しなかったとしても参加者さんが素材を持っている状態になるので、もしかしたら彼らが紡いでくれるかもしれない。
みず 次の『自慢話』を作るのは……
わた 読者のキミだ!! 『自慢流曲』のStemデータやるから作ってくれ(笑)
二人 (爆笑)
わたぴーさんにとって『自慢話』とは?
みず 最後の質問です。今のわたぴーさんにとって、『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』とは何でしょう?
わた はい。まず第一に、私をここまで引っ張ってくれ、守ってくれた「親のような存在」であり、
そして二つ目に、私が育てていったり、守ったりした「子のような存在」ですらある。
さらに、互いを利用し、高め合い、「ライバル」「友達」でもあり!
そして「他人同士」でさえある!!
もう何もかも内包してるんですよ、『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』は。
みず でも、なぜ最後に「他人」と突き放したんですか?(笑)
わた それは……関わりは無いから(泣) 一方的だから。
みず (爆笑) 確かに一方的ではありますね。
わた だって俺達、まだアイツの出身も知らねえし、曲名もわかんねえし。
でも確実に言えるのは、彼は我々の味方であるということ、それだけは確かなんです。
みず 今日はありがとうございました。今後も応援しております!
わた こちらこそありがとうございました!
おわりに
インタビューは以上です。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
わたぴーさんは誰よりも『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲』のことを考え、情熱を注ぎ続けている人でした。
そんな熱意が見る人の心を動かし、「ポジティブな困惑」となって現在のわたぴーさんの糧に繋がっているのだと思いました。
その根底にあるのは、中学校でシーラカンスをスネ夫にしたあの日から変わらない、スネ夫に秘められた未知なるエネルギーなのかもしれません。
最後に、今回のインタビュー記事執筆に際し、たくさんの助言をくださったトランプおうwzさんに感謝の意を表します。
そして、約5時間に及ぶ長時間のインタビューに答えていただいたわたぴーさん、改めて本当にありがとうございました。
なぽりさんとの音MDM天での作品、楽しみにしております!
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