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現代における「いいゲームミュージック」ってなんだろう?

ゲームミュージックについて少し書きたい。
私個人の好みが多分に入った話になるのでご容赦を。

ゲームミュージック界隈って、大きく分けると以下のように「時代」が変わってきてると思う。

1.無音/効果音のみの時代
2.ピコピコサウンド(サウンドチップの音)の時代
3.ピコピコに音色つけたり、リッチに鳴らせるようになった(Qサウンド,86音源,MIDI)時代
4.生演奏を録音したものが使える時代

偶然だけど、電話の着信音も同じような感じだ。
世代が先に進むにつれ、表現できることがどんどん増えていった。

今では家庭用ゲーム機で、映画のサウンドと比べても遜色ないものを聴かせてくれるタイトルも増えた。

私はおじさんなので、幼少期から青年期にかけて、1から4のすべてを経験している。
これは大変幸運なことだ。
ハマったゲームや、楽曲が大好きなゲームはサントラを買うこともある。
最近はゲームのサントラをLPレコードで出す、というムーブメントもあるようで、私はそれのためにレコードのプレイヤーも購入した。
大きなジャケットを部屋に飾るのも楽しい。

でもサントラを買うのって、昔のゲームばっかりなんだよね。

これはなぜなのか?

どういうサウンドが実装されていたら、好きになるのか?
…ということを少し考えた。

音楽には明確な答えがなく、好き嫌いが大いに反映されるものだということはわかっている。
ここえは私の好みに基づいて、こうだったら嬉しいな。という文章を垂れ流そうと思う。


私が超覚えてるゲームミュージック

まず最初に。
私が超覚えてる(=すごく好きな)ゲームミュージックをいくつか挙げてみる。
鼻歌で歌えるし、リコーダーやオルガンで演奏もできる(できた)ものもある。…という類のものだ。

スーパーマリオブラザーズ(メインテーマ以外にも地下や海、タイムアップ寸前、死亡時やゲームオーバーなんかもばっちり覚えてる)
ドラゴンクエスト(序曲は笛で吹ける。3までは1曲も漏れなく全部覚えてる、4もおおむね。5以降は曖昧)
ファイナルファンタジー(プレリュードはもちろん、5までは全曲覚えてる。6からだんだんおぼろげに)
ファンタジーゾーン(全ステージの曲を完全に覚えてる)
スト2(全ステージの曲を完全に覚えてる。エンディングの曲は曖昧かも)
マッピー
ウィザードリィ(ファミコン版)
リッジレーサー

うーん、昔のばっかりだなw
このあたりの曲をなぜよく覚えていて、今のゲームの曲を覚えてないのか。
昔の方がクオリティが高くて、今のがしょぼい、ということは絶対ないと思う。
前述の通り、「時代」が進むごとに表現は豊かになっていってるのだから。

昔のばっかり覚えている理由

そうなると昔のゲームの曲ばかりを覚えているのには、別の理由があると考えるのが自然だ。
大体以下のような理由なのではないかとにらんでいる。

仮説1:プレイ時間・プレイの質・サウンドを聞いた回数
ゲームのプレイ時間が、昔の方が長かったのは間違いない。
同じゲームを何度も何度も遊ぶことも、昔のほうが多かった。
またゲームプレイに臨むときの私の心持ちも、昔と今では違う。
昔は明日がどうなろうが知ったことではなく、脳のほぼ100パーセントをプレイ中のゲームのことに充て、ゲームプレイ中のすべてを記憶・プレイ後に反芻する勢いで遊んでいた。
いまはその日仕事で失敗したこととか、預金残額の事とか、ローンの事とか、明日の会議の事とか、その為に起きる時間の事とか、尿酸値の事とかを考えながらゲームをプレイしている。
集中力に違いがあってもおかしくはない。
仮説2:老化
上記の仮説1に集中力の事を書いたが、当時と今では年齢が違い、脳みそのイキの良さも違って当然だ。
年を取った分、鈍くなって、記憶に残っていないのではないか。
仮説3:昔のゲームミュージックはハードの制約で、メロディアスでヒロイックなものにするしかなかった
冒頭で記した「時代」について。特にピコピコサウンドの時代は、豪華なサウンドを奏でたくてもそれが不可能だった。
貧弱な音源で印象に残る曲を作らないといけないため、メロディアスでヒロイックな内容のものが多かったのではないか。だから覚えやすかったのではないか。という仮説。
たとえばファミコン版の「ロックマン」シリーズとかはすごくメロディアスでヒロイックで、そう感じる。


しかしだ

概ねにおいては、以上の3つの仮設で説明がつく。
しかし、この仮説で説明ができない点、納得ができない点がある。
それについても記しておきたい。

納得いかない点1:同時期・同ジャンルのゲームの曲で差がある
上記の仮説が理由ならば、同時期にハマったゲームの曲は等しく覚えていることになるが、実際のところはそうではない。
「スト2」の曲は何がかかっても、誰のステージの曲なのか1秒でわかると思うが、同じくらいプレイしていた「餓狼伝説(初代)」の曲はそこまでではない。
「リッジレーサー」の曲もよく覚えてるが、同じレースゲームの「グランツーリスモ」はあまり覚えてない。
「ファイナルファイト」は覚えてるが、「ダブルドラゴン」はあんまり。
「ウィザードリィ」は覚えていて「マイト&マジック」は覚えてない。

これは、純粋に「音楽ジャンル」とか「好み」あるいは「クオリティ」の違い。という風に考えていいものだろうか?

納得いかない点はもう一つある。


今のゲームの曲を全部覚えてない、わけじゃない

納得できない点その2。
昔のことを思い出すのを一旦やめ、最近のゲームの事を考えてみる。
近代のゲームの曲でも、さっき挙げた「ドラクエ」や「スト2」のように、強く印象に残ってる曲があるのだ。

いくつか挙げてみる。

「スーパーマリオオデッセイ」
スプラトゥーンとかあつ森とかも結構覚えてるんだけど、ダントツでイイな!と思ったのはマリオオデッセイ。
スイッチの任天堂のゲームだとゼルダ・ブレスオブザワイルドやポケモンソードはあんまり覚えてない。
(スマブラは昔のゲームの曲がいっぱい入ってるので、ここでは除外)
ピコピコサウンドではないし、生演奏に何ならボーカルなんかも入っていて完全に今のゲームのサウンドなのに、完全に「マリオオデッセイの曲」だとわかる。
ちなみに未プレイの人に捕捉すると、ファミコンのスーパーマリオの「あのテーマ」のアレンジや焼き直しではなく、新しい曲である。
ピコピコサウンド時代のゲームミュージックが現在まで正当に進化したらこうなる!! というのを体現してると感じる(大げさ)。
映画「ターミネーター」とか「パイレーツオブカリビアン」とかのメインテーマは、流れてくると「ああこれこれ!」って作品を思い出すだろうけど、あれに近い域と思う。
「妖怪ウォッチ」(やったのは2真打)
こちらは3DSのゲームで、超リッチな生音とかそういう感じではないんだけど。
すっごく記憶に残る。小気味良いし、ああ妖怪ウォッチの曲。ってすぐ記憶に結び付く。
何がいいのか不思議なんだけど、アニメやバラエティの「テレビの楽曲」っぽいのだ。
たとえばバラエティ番組とか、動物の動画流す番組とかで
「らんま1/2」のアニメ版のBGM--道でパンダと出くわして会話してるときの曲とか--がいまだに多用されてたりする。
ドラえもんで例えるならば、スネ夫が自慢してる時の曲のような。
トーク系の深夜番組で「パロディウスだ」の「Oh!」「Wa--o!」が今でもいっぱい使われてるような。ああいう耳の残り方をする。
戦闘シーンとかだけでなく、街を歩いててクラスメイトと話してる時の曲とかもかなり耳に残る。
それでいて不快ではなく、空気じゃなくてちゃんと主張してて。バランス感覚がすごくいいと思う。
曲作った人、テレビ系の人なのかな…? それかアニメ版の曲をゲームでも使ってる、とかだったりするのかな(当方アニメ版は未視聴)
イース(やったのは6)
世界樹の迷宮(特に初期作品)
Va-11 Hall-a(ヴァルハラ)
これらは古くからの技法で作られてるものだ。
ピコピコサウンド時代を生きたおじさんが喜ぶものを作ってる。という感じ。
今は「演奏した音楽を録音し、それがゲームで流せる」時代だ。
世界樹の迷宮(1作目)にいたっては、古えの文明の遺物といってもよいレトロパソコン「PC-8801MA」に搭載されたFM音源で楽曲を作成し、
それを録音し、DSで再生する。
という作り方をしており目の付け所が他のゲームと全然違う。

「録音したものが使える時代」ってそういう意味じゃないんだけどなw

でもそのおかげで、昔PC-8801で激ムズRPGをいっぱい遊んできたおじさんたちが大喜びするサウンドができたんだよね。
世界樹は、ゲームのジャンルが激ムズRPGだったのもよかったね。

しっくりこなかったもの

あまり叩いてもしょうがないのだけど、個人的にしっくりこなかったものもすこし挙げてみよう。
個人の感想なので好きな方がいたらごめんなさい。

鉄拳シリーズ…ゲームが忙しすぎて(上下の防御以外何も考えられない)、また試合時間が短くて覚えられないのかも。1~7まで全部家庭用買ってプレイしたけど、全シリーズ全曲、1個も覚えてない。
ストリートファイターZERO3…ゲームはすごい面白かったけど曲は1個も覚えてない。ZERO2までの方が好き。なんか外人のナレーションはかっこよかった気がする。
グランドセフトオート…カーラジオなんだよね。雰囲気は超かっこいいと思ったけど、何か1曲でも覚えてて歌えるか?と言ったらNO。1個も。サントラ出ても別にほしくない。
オブリ、スカイリム、ウィッチャー3…全く覚えてない。基本環境音だけでBGMは無いんだっけ?ゴーストオブツシマもだ。

この辺が好きな人がいるのも理解はしてる。
しかしながら「昔ピコピコ音の頃は仕方なくメロディで主張していただけで、ゲームを邪魔しないバックグランドミュージックや環境音だけにすることがゲームサウンドの正しい進化の姿なのだ」とは全く思わない。断固反対だ。

生音で、高品質のサウンドでもドラクエやスト2のような感覚で聞いてもらうゲームミュージックを作ることは可能なんじゃないかなと思う。

オープンワールドのゲームやFPSなんかで環境音の方を大事にしたいっていう気持ちもまあ、わかんなくはないんだけどね。

小学生の頃にめっちゃ遊んだゲームのBGMとかは、やっぱ鼻歌で歌ったりリコーダーで吹いたりしたいじゃない?
今の子はフォートナイトのBGMでそういうことしないのかな、放課後、遊びで、何をリコーダーで吹くんだろう?

パプリカとか?

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水おかき
[B] で ぬけます.