山内 3WAY ドッキングミリタリーコート
山内からとんでもないコートが届いています。
商品説明にもありますがまず間違いなく他では見ることができない圧倒的作り込みと存在感。
存在感抜群のミリタリーコート。
オリジナルのミリタリーコートがアウターとライナーに分かれるように、これもアウターとライナー別々で着用することが出来ます。
ただ、そのクオリティが各々エゲツない。
これを作るのに一体どれくらいのパーツがあるのだろうか。どれくらいの時間を掛けて縫い上げるのだろうか。
曰く、ただでさえパーツ数も仕様も多くて大変ですが、ドッキングした時に少しのズレも許されない緊張感はとにかく神経を使い、普通に2着を縫い上げるよりはるかに時間を要するみたいです。
山内の縫製と作り込みを存分に感じていただけるコートになっています。
値段も値段だし、まだ山内を取り扱って2シーズン目の当店が扱って良いものか悩みましたがあまりのかっこよさにいつの間にか頼んでいました。
するとまさかのセレクトでの取り扱いはまさかの当店のみ。
ほんとにオーダーして良かった…。
全国の山内ファン•洋服ファンの方々がこいつを見れないなんてありえない。
ホントかっこいいです。
是非是非見ていってくださいね。
表地は旧式のシャトル織機により限界まで高密度に織り上げられたコットン生地。
山内さんの生地説明にもあるようにウールなどの動物性繊維に比べて、コットンは染まりにくい素材。
それを薄く何度も何度も重ねて染め上げることで真っ黒と言えるほどのブラックを実現しています。
コットンの黒とは一線を画した染め上がりとなっています。
染色を重ねる事でできるガサっと乾いた感触。
限界まで高密度に織り上げられた硬く肉厚な生地。
存在感のある奥まで染まった深い黒色。
これぞ男性服といった表情の生地です。
どんどんヘビーに使って頂いたのちの経年変化も楽しみです。
この生地を贅沢にアウター、ライナー両方に使っています。
こちらはライナーという名のマウンテンジャケット。
ご覧の通り、ライナーの範疇は超えています。
この迫力のある表地ですが、さらに存在感を高めているのは縫製です。
かなりの高密度の生地だということがわかる食い込むように走る細かな点。
ここまで固い生地にここまで細かく真っ直ぐに縫う技術。
ほんっとうに細かいです。
見えない裏側の縫製ももちろん綺麗。
両側に両玉縁の内ポケットがあります。
フロントはボタン留めです。
ライナーを開け閉めする為に使用するこのボタンやボタンホールをアウターとドッキングする際にも使用します。
1着で着る際に使用するボタンとドッキングする為のボタンを兼用する。
寸分のズレも許されない神経を使う作業であり、そもそもそんな設計を考えれる所が信じられません。
そちらは後ほどご説明します。
そしてさらに驚いた仕様をひとつご紹介。
分かりますでしょうか、リブの溝一つ一つに走るステッチが。
通称“山内リブ”と呼ばれている狂気の仕様。
先シーズン、ニットTをオーダーしていたので表地とリブの相性にはとことんうるさいとは存じていましたがまさかここまでとは。
基本的には表地と同素材の生地、そして色味と質感の相性を吟味してリブを剪定します。
表地との相性を優先するあまり、全くリブではない生地を持ってきて、リブの上にその生地を重ね合わせ、溝の一つ一つにステッチを縫っていく。
1着のリブを製作するのに数時間から数十時間かかる縫う人にとっては地獄のような、まさに狂気じみたものづくりへのこだわりです。
そしてライナーという事で気になる保温性。
ライナーの裏地はウールとアルパカがメインにブレンドされたボア素材。
キュプラの産地である山梨県富士吉田市にて織られたテキスタイルです。
キュプラをツナギとして使われ通常のウールボアではない滑らかさと光沢があります。
ウールのクリンプによる保温性はもちろん、アルパカもストローのように中が空洞となっている素材ですので中に空気を含み保温性がかなり高いです。
低混率ですが十分恩恵を感じられると思います。
こちらの天然由来の保温性と温かみのある見た目の裏地がフードから裾までたっぷりと使われています。
流石に滑らかとはいえ腕だけは通りが悪くなるので、袖だけはかわりに薄く中綿が入ります。
ライナー単体でも宮崎でしたら十分真冬を越せますね。
そしてアウターと呼ばれるモッズコート。
硬さがありとても迫力のあるコートです。
綿ポリの総裏地がつき、とても綺麗な仕立て。
秋や春にぴったりです。
フロントにはミリタリコートらしくフラップ付きポケットが四つ。
表が綺麗なことは勿論、裏側も超丁寧。
しかもポケットだけで3つのパーツからなる普通とは異なる多重構造。
パーツといえばフードも一体いくつのパーツでできてんだとツッコミたくなります。
こうすることで立体的なシルエットが出ます。
縫うのがとてつもなく大変そうですね。
衿元にしっかりステッチが走り、補強と立ちの補助をしてくれます。
ちなみにライナーであるマウンテンジャケットも同様の仕様です。
こんな立体的な造りなのに重ねることで出るゴワつきみたいなのは一切ありませんでした。
寸部のズレも許さないとはこのこと。
繰り返し言いますがこれは高密度に織られた縫うのが超難しい固ーい生地です。
かなり大きく、綺麗な形のフード。
フードを被ればジェダイになれます。
かっこよ。
袖付はアウター•ライナー共にラグラン。
袖口はスリーブタブ仕様。
実は袖の周囲4分の3程にもなる長いスリーブタブですが、極力見えないように複雑な多重構造。
かっこよ。
鋭角なフィッシュテール。
裏側の処理も見てください。
とことん丁寧。
ウエストにはしっかりとドローコードが通ってます。
このステッチとシワがたまんないですね。
フロントはエクセラのダブルファスナー、そしてフラップの奥には高級感溢れる水牛ボタン。
ミリタリーコートだからとスナップボタンなんかにしてはこの雰囲気が一気に損なわれますよね。
ボタン付けも手付けてでしっかり立っています。
ボタンがつけやすい実用性は勿論のこと、仕立ての良さが分かります。
ボタンは全て裏側から力ボタンにて支えられています。
力ボタンも全て水牛というこだわり。
またついでに見えておりますので言及しますと内側の両側にファスナー付きの内ポケット。
ファスナーが出来るだけ見えないよう施された細やかな仕様です。
裏側の写真まで来たのでドッキングについて説明します。
こちらは上の写真同様右身頃の裏側です。
力ボタンの右隣にあるボタンホール、ここにライナーのボタンを取り付けます。
計4つ。
こちらは左身頃の裏側。
ファスナーの右隣にあるのはアウターのフラップを開閉するためのボタンホール。
取り付けやすいよう斜めに開いている細やかですが丁寧な仕様。
そしてファスナーの左側にまた力ボタンがあるのが分かりますでしょうか。
めくるとこうなってます。
手付けのボタンがあります。
このボタンをライナー側のボタンホールに取り付けるんですね。
計4つ。
ちなみにこれも水牛ボタンです。
そしてさらに左側にあるボタンホール。
こちらはアウター単体で着る際に使わないボタンをしまっておく為の仕様です。
ええ、この水牛ボタンが日の目を見ることは有りませんね。
自分だけのお楽しみです。
これにさらにフードに2つの計10個のボタンでドッキングします。
寸分のズレも許されない、とわかっていただけますでしょうか。
これだけ固い生地ですからほんの少しずれただけで大きなゴワつきに繋がります。
さて、完成系です。
見てください。
それぞれ単体でも勿論素晴らしいですが、重ねた時の圧倒的存在感たるやありません。
重なっているので全体のボリュームも多少増えます。
形もより綺麗にでます。
ただでさえ大きいフードが重なることにより生まれる違和感と立ちが綺麗になります。
山内リブと袖タブの重なり。
ドッキングだからこそ並ぶ2列の力ボタン。
値段も値段ですので勿論安いとは口が裂けても言えないです。
しかし、それだけの価値はあると思っています。
長年寄り添ってくれて共に成長してくれる堅牢性も持っています。
ここまでの作り込みと存在感を放っている洋服は他に無いです。
自信を持っておすすめします。
いつも当店をご愛顧いただいている皆様、山内ファンの皆様、そしてなにより全国の洋服好きの皆様。
なにとぞよろしくお願いします。
水岡
〒880-0805
宮崎県宮崎市橘通東3−4−33第2矢野ビル3F
INSTAGRAM:mizuoka_miyazaki
TEL:080-3947-4947
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時間外でもアポイント営業承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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