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出世したい?と訊かれて、今の私が思うこと

来年度から私の同期の中にも、ぽつぽつ、係長に昇任する人間が出てくるようだ。
ちなみに、私の身分は据え置き確定だ。子どもを産んで休んでいた期間もあるので、このこと自体は何とも思っていない。
ただ、昇任確定の同期から何気なく投げ込まれたこの問いに対して、気持ちがざわついたことは確かだ。

「出世したいと思ってる?」


公務員の世界には、「敢えて昇任しない」年長者が一定数いる。

前職の民間企業の場合、断ろうものならどんな未来が待っているか想像するだけでも恐ろしいし、どんな僻地に転勤になっても第一声は「ご栄転おめでとうございます」、そんな企業風土だった。
多かれ少なかれ民間はこんな感じでは、と思っている(ひと昔前の話だったら申し訳ない)。

昇任しない選択肢が許されるのかと、転職したての私はかなり驚いた。
ただ、最近は管理職のなり手不足が問題視されており、若手職員を積極的に上位職層に登用する流れが強まっているようだ。

とはいえ、公務員特有の旧態依然の制度の下、経験の乏しい若手係長が、老いも若きも部下をまとめ上げる。
これはかなり過酷な業務ではなかろうかと私は思っている。
出世はしたくないが、若手が出しゃばることも面白くない。そう考える職員も中にはいるだろう。
実際、優秀な先輩が係長昇任後、配属先でうまくいかずに、退職したケースも耳にした。
こんな悲しい事態を変えるための決定的な方策を、私は持ち合わせていない。もしかすると、その世代がまるごと入れ替わるまで、時が過ぎるのを待たないといけないのかもしれない。
一体、どれだけの年数が必要になるのだろうか。


改めて。私は出世したいのだろうか?

正直に言うなら、今この環境で率先して手を挙げて、積極的に出世したいとは思わない。
異動してしばらく経つが、未熟な若手ポジションという立ち位置が今でも抜けないし(年齢層が割と高めの所属なのだ)、今の私に知識や経験が伴っているとも思えない。

役職が人を作る。ある時上司に言われた言葉だ。
一面ではそうなのだと思う。ただ、今の私には荷が重すぎるなと、率直に感じる。

一方で、いつかは上位職に上がらないといけない時が来ると思う。
自分が昇任を拒み続けたとして、果たしてそれを見た息子はどう思うだろうか。
力不足でできません、というのは簡単だ。けれども、諦めずにもう少し足掻いてみる、そんな姿を見せたいよなあという思いは多少なりともあるわけで。

だから、将来の自分に少しでも自信をつけるために、今できることから始めたい。
それは業務効率化だったり、マニュアルの改訂だったり、日常の業務一つひとつを問題意識高く、責任を持って遂行することだ。子どもの送迎もあり際限なく業務ができる環境ではないが、それでも来る事態に備えて、少しずつ、でも淡々と。
併せて、多分異動もなく身分も変わらない来年度は、久しぶりに資格の勉強に取り組んでみようかと思っている。

ぐだぐだ書いたが、昇任はきっと時間の問題だと思う。
「その時」が来たら、覚悟を決めよう。

それまでは陰でひっそりと、でも着実に、今自分にできることをやるだけだ。

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