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なぜ Awwwards Conference Tokyo 2020 にチームで参加したかったのか

こんにちは、フォトクリエイトの水野です。
2020年の1月23日・24日にイイノホール&カンファレスセンターで開催された、「Awwwards Conference Tokyo」にチームのWebディレクター・デザイナー計6名で参加しました。
2日間で、23名のクリエイターのプレゼンテーションを聞き、アフターパーティーに参加させていただきました。

「Awwwardsとは」「Awwwards Conferenceとは」などについては、詳しくいろいろなサイトに載っていますし、Garden Eightさんが作られた素敵なWebサイトもあります。
スピーカーやエージェントの素晴らしさについては、すでに記事があがっていたり、うちのチームの人もきっとまとめてくれてるので、割愛します。

会場は想像していたよりも大きくなく、おおよそ300名くらい。
海外から150名、日本から150名くらいの参加だったそうです。
どの国の開催でも、あえてこの規模のサイズ感に抑えているそうで、プレゼンテーションも近い距離で聴くこともでき、参加者とも交流がしやすく感じました。

当日のパスにはそれぞれキャラクターが描かれていて、会場内にいる同じキャラクターの人を見つけ、ペアで受付にいくとノベルティグッズが貰えるなど、海外の参加者ともコミュニケーションを取りやすいように設計されていました。
対面すると緊張してしまう海外の参加者に「バカボン?」など話しかけられると、少しほっこりした気持ちになります。

私も台湾から参加していたフロントエンドエンジニアの方と、無事にペアになりピンバッジをいただきました。
商品には、次回のカンファレンス参加券もあったので、多分ハズレですが、うれしかったです。

パスには、カンファレンスの申し込みフォームで記入した名前がそのまま印字されていたので、日本語の会社名と名前になってしまいました。
海外の方に名前を伝えるだけで、1ハードル。
こんなところから差がつくなんて。。
参加者のネームはほぼ全員アルファベット表記だったので、恥ずかしくなりました。
メンバー全員分を私が申し込んだので、本当にすみません。。

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参加した感想

まず、月並みな感想としては、本当に参加してよかったです。
参加するまでの不安とかモヤモヤが全てなくなって「もう終わってしまった」と名残惜しい気持ちです。
すごくプラスな空気感が会場内にはあって、クリエイティブの素晴らしさを改めて感じることができました。
Henry Daubrez(Dogstudio)さんが言われていた「前向きな感情は記憶に残る」を体現。
フジロックの後みたい。

海外からみた日本の観点を知れることは嬉しい

日本での開催ということもあり、プレゼンテーション内でも日本と海外を比べて話すことも多かったです。
Min-Sang Choi(Google)さんは、日本と米国のライフスタイル(慣れた空間密度)に基づくデザインの差や、隠れたニーズからの「Photo First Search on Google App」開発について。
日本は美しいイメージがあるが、静寂ではない日常と言われると「なるほど」と。

Yeka Haskiさんはバックグラウンドにキャラクターが根付いている日本の理解度について話していました。
キャラクターが定着している文化も、改めて幸せな環境なんだという再認識ができました。

Keitaro Suzuki(Shiftbrain)さんの日本と海外でのデザインストラクチャーの違いについては、頭の中の整理と感心の心でいっぱいになりました。

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プレゼンテーションが楽しい

プレゼンテーションでの詳しい内容に入る前の入り口がやっぱり皆さんとても素敵で、楽しみながら話を聞くことができました。
Min-Sang Choi.さんは、自分が日本に来たときの「ミンサン、さん」という呼ばれ方から、日本人の特性や国の文化の違いについて話を繋げていき、
David Navarro(Ueno.)さんは、マジンガーZに出てくる「スーパーな悪者」からはっきりとしたミッションや、モチベーション、失敗の大切さについて、
Peter Smart(Fantasy Interactive)さんは、会場の隣の人とケータイを交換させて、なぜ不安になるのか、という問いから、今後のスクリーンとの体験の向き合い方に、
Monopoさんはブラッディメアリーにたとえ、様々なメンバーや仕事環境をカクテルのように適切にmixさせるプロデューサー業の重要性に繋げていたり。
最初に映像を流したり、とにかく綺麗なプレゼンテーション資料だったり、
人の心を掴むためのプレゼンテーション設計は見ていて気持ちよかったです。

どうして参加したかったのか

私の所属しているフォトクリエイトという会社は、スクールの写真やマラソン大会の写真など、個人によりそった写真をWebサイトを通して届けていく事業。
幸いWebサイトに掲載されたあとは、ここにしかない写真となり競合がいなくなってしまうので、通常のECサイトよりははるかに高い4〜7%くらいのCVRになります。
どの事業会社でもそうなのかもしれませんが、基本的には費用対効果の世界で、コンペがあるわけでもなく、一般的に見やすいサイトができれば役割ははたせてしまう。
こういう場所や、何よりも期日や予算内に終わらせることが大事な事業計画の中で、デザインチームの役割ってなんだろう、という想いはいつもありました。
一定の正解はあるけれど、いつも同じようなものを作っている気持ちになってきます。

PDCAを回しましょう、組織をデザインしていきましょう、とビジネス側に寄せるのも1つなのですが、写真を購入するだけのサービスではなくて、もっと写真や映像コンテンツの体験をユーザーと楽しく作れるような気もしていて。
やっぱり、ユーザーが思い出を購入する中でワクワクするためには、サービスを作る人がワクワクしていないと何も起こらないんじゃないか、デザインを軽視してる会社でもないので、ここで何かできなかったら、どこに行っても何もできないんじゃないかと思っていました。

トップのクリエーターって、レベル感は違っても、ロジカルに役割を果たす以上の答えを探す、という意味では同じような感覚がある気がしていて、彼らの仕事をみていると、やっぱり楽しそうなので、どんな考え方で仕事をしているのか知りたい、というのが1番の目的でした。

印象的な言葉たち

これまでいろんなセミナーに参加していて、多く見かけるのはプロセス論や、方法論。
その効率的な部分やロジカルな考え方は聞くことができるけれど、そこに感情的な部分をどのようにして混ぜていくものなのか、混ぜないものなのか、そんな疑問を解決するような言葉をいくつも聞くことができました。
翻訳とか、内容の本質があっているかは分かりませんが響いたこと。

Henry Daubrezさんの「左脳、右脳を同時に喜ばせること」
Min-Sang Choiさんの「人の潜在的なニーズ」
Peter Smartさんの「MLP(Minimum Lovable Product)、いいものを作らなければ、明日につながらない」
Keitaro Suzuki(Shiftbrain)さんやLocomotiveさんの「LogicとEmotionの融合」。
Genki Imamura(Bees & Honey)さんの「ideology」
Vitaly Friedman(Smashing Magazine)さんの「個性と摩擦」
Tadamasa Iguchi(IN FOCUS inc)さんのリフレーミング

そしてどの方々も話していた、リサーチ、ストーリーテリング、企業文化を大切にしながら、想いや潜在的な可能性を混ぜてもいいんだ、と改めて感じました。
近道なんてない。

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人からの情報の大切さ

もう1つの理由は、参加している人との繋がりです。
会社の構成比は、営業・企画・事務職の方が多く(7割くらい)、その他にシステムを作るためのエンジニアがいて、デザインをする人は、ほんの数パーセント。
普段、業務の話をすることはあっても、デザインについてちゃんと話すことはあまりない環境です。
デザインについて、記事でどれだけでもレポートを読める時代、動画でも学べる時代、とはいえ、人との繋がりって大切だと思っています。

私自身、前職のネットコンシェルジェ在籍時に知り合うことができたクリエーターの人たちに大きく影響を受けていて、その人たちが発信する内容からたくさんの情報を得ることができました。
日常の中で、信頼できる人が発信する情報を追いかけるだけでも、情報の質が大きく変わるものだと思っていますし、私の「信頼」はファンになることみたいなものなので、実際に会話してみる以上の方法ってなかなか見つかりません。
きっと、そんなことしなくても良い情報を見つける方法は他にもあると思いますが、リアルな熱量とか、リアルタイムで知ることも大切で、
こんなカンファレンスが日本で開催されることを知ったのも、カンファレンスに対する関係者の熱量も、きっと今までのつながりがあったから感じることができたんだと思います。

チームで参加したかった理由

とにかく良いクリエイティブを作るためには、楽しんで仕事をやるものだ、時間の限り考え抜くものだ、など、いくつか自分で大切にしているものはありますが、
それが正しいかどうかなんて、人のライフスタイルや信念で変わるものですし、私自身も少しずつ変わっていっているものだと思っています。
そして、この部分って、直接教えたり教えられたりすると、とても押し付けがましくなってしまうもので、きっとインプットしたり、影響を受けたりしながら、それぞれが感じて少しずつ消化していくものなんじゃないかと思っています。
業務ではない部分のマインドセットは、なかなかインプットする機会は少ないので、できるだけ多くの機会にチームが触れることができたらいいなと思っていました。

また上記で挙げたような、これから影響を受ける人に、1人でも多く出会って欲しいなという気持ちがありました。
まあ、これは勝手な想いなので、きっと自己満足です。

でも、1人でも好きな人ができたり、1つでも気になる言葉や考え方を見つけられたら、そこからきっと広がっていくので、忙しい毎日の貴重な2日間を投資する価値は十分にあると思いますし、きちんと心に残るカンファレンスでした。

最後に

参加している海外クリエーターの方とアフターパーティーで話して、「日本、楽しい」「美味しい」「美しい」という声が聞けたり、日本を好きと言ってもらえるとやっぱり嬉しいことに気づきました。
そして、そんな好意を持ってくれている人たちと、英語という壁のせいでなかなか話せないことが悲しすぎました。
2年前にCESに参加したときにあんなに無力感を感じて、英語をやろうって決めていたのに。
次は、「スシ!」「タコス!」「チームラボ!」みたいな単語じゃない会話をちゃんとできるように頑張ろう。

今回の日本でのカンファレンス開催の中心となったmonopoさん、Shiftbrainさん、Garden Eightさんへの感謝。
参加いただいた日本、海外のスピーカーの皆さまへの感謝。
期間中に温かく会話してくださった、Shiftbrain、Garden Eight、ユニエル、ソニックジャム、ワープジャパン、バケモノ、LIGの皆さまへの感謝。
いつも丁寧に接して説明してくださる野間さん、今村さんへの感謝。
たくさんの感謝が残る、ステキなカンファレンスでした。

また、今村さんがカンファレンス後に書かれていた

コンテンツの内容ももちろんですが、それよりも世界で戦う「トモダチ」を作れたことがよかったです。

という言葉が印象的でした。
このくらいフラットに世の中を見て、良いものを作っていきたいな、と思えた良い2日間でした。
ありがとうございました。

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