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結果発表② #あなたへの手紙コンテスト

 10月に募集しました #あなたへの手紙コンテスト の結果を昨日から3日連続で発表しています。
 本日発表するのは、12月10日(金)までに投票していただいた 読み手賞 です。


1.読み手賞の概要

 ・対象作品:100作品 (うち読み手賞公表以降に1作品辞退)
 ・投票者数:117名
 ・有効票数:255票 (辞退作品への投票も含む)
 ・得票した作品:47作品

 たくさんの方々にご参加いただき、うれしいです! なかには、書き手として参加したかったけれど書けなかったので読み手として参加したという方もいらっしゃって、読み手賞を設けて良かったなぁと思っています。

 ご存知ない方のために読み手賞について説明すると、読み手でも作品の書き手でもnoteアカウントがなくても、ひとり3作品まで無記名投票することができるというルールです。
 また、読み手賞に関しては、応募条件を満たしていない作品も含め、全参加作品を投票対象としていて、自薦もOKです。(そもそも無記名なので自薦でも他薦でも、わたしには判りません)

 ただし、ひとりで同一作品を3つ選ぶなどのルール違反については、無効票として取り扱いました。


2.作品の書き手へ伝えたい感想

 読み手賞の投票フォームには「作品の書き手へ伝えたい感想」を記入できる自由設問がありました。そこへ書き込んでくださったコメントを、ここへ全て引用させていただきます。ご紹介は作品のエントリーNo.順ですが、読み手賞の受賞作品に関するコメントは、後ほど紹介させていただきます。


No.49 ■ かわうそ物語/穂音(ほのん)さん

 こちらのお手紙はもし「物語」として捉えたとしても秀逸でしたし、内容もとても心に沁みました。最も好きな作品でした。


No.72 ■ あの日の停車場で手渡したい/ささみさん

「おじいちゃんがつないでくれたいのちの先が、少しでも希望だったと思ってもらえるような日々を、精いっぱい、生きます。」

 この一文を読んだときに心が震えました。おじいちゃんは、この手紙を読むことは決してできない。でも、想いが届いて欲しいと、ささみさんは願っている。そして、読んだぼくたちも届いて欲しい ── いや、届いてるはずです、と願わずにいられない。

この企画の応募要項にある、「宛先はたったひとり」。たったひとりに込めた、感謝の気持ちが一番強く感じたのがこの手紙でした。


No.73 ■ 弟よ、結婚祝いはルンバがいいと思うんだが。/ともきち|165cmのホテルマンさん

 日常のコミカルな語りかけの中に、大切な想いをきっちり伝える事ができていて、素敵なお兄様だと羨ましくなりました。


No.78 ■ 17年越しの父への手紙。/森本しおりさん

 人間、生きているとこういう複雑な事が起こるのがリアルで、それを時間をかけても赦せたというのは、すごいことです。複雑な家庭環境を持つ沢山の人達の心を温かくする素敵なお手紙だと思いました。


No.83 ■ おがぁーさん/Shihoさん

 Shihoさんのこちらのお手紙は忘れられないお手紙です。 カラスのジュールの目線で描かれたお手紙でしたが、 色々な目に見えるものを越えた愛情の世界を感じました。

 手紙を貰った本人になったような気持ちで読み進めました。
 おがぁーさん!おがぁーさん! 泣いちゃった。


No.91 ■ イライラしないで。大丈夫だよ。/カニさん

 カニさんのお手紙、私も育児中なので、共感して思わず泣いてしまいました。少し肩の力が抜けて、楽な気持ちになれました。


No.92 ■ 前略/涼雨 零音さん

 着眼点、掘り下げ方、どれも私の盲点をついていて、とにかく唸るしかありませんでした。手紙独特の静けさと深さに包まれました。

 92番の「前略」がダントツで好きでした。行間を読むという日本語の奥ゆかしさ。空気を読むという日本文化の奥ゆかしさ。書いてあることではないところに本当に書きたいことがある、というのは、極めて日本の文化らしくて、奥ゆかしく、奥深いものだと味わいました。日本語がまた、好きになりました。


No.98 ■ 101歳になるおじいちゃんへ/リコさん

 おじいちゃんへの想いがこもった素敵なお手紙でした


3.読み手賞は、この作品です!

 まずは、投票フォームにいただいたコメントからご紹介します。

 光るアイデアと優しい筆致、これほど短い作品の中で見事に回収される伏線。染み入るような読後感に唸りました。

 何度も推敲したけれど2000字以内に収まらなかったという作品。たった一文字も削ることができない手紙は一字一句が大切な言葉で溢れていました。改めて大切な人への手紙は一文字一文字心を込めて大事に書きたいなと思い直させてくれる作品です。

 リボンの結び方、字だけで誰が施したものかわかるという描写が、あるあると共感できました。最後のマトリョーシカのリボンには泣いてしまいました。


 読み手賞は・・・この作品です!

 読み手の票をいちばん多く集めたのは、こげちゃ丸さんの「想いを包む」でした。
 この物語に登場する いわゆる「手紙」のカタチをしたものは、ちいさなメッセージカードだけです。でも、きっと手紙の主体はこのカードではなくて。専門店スタッフならではの、ラッピングのマトリョーシカのような贈り物が、温かく美しくてせつなかったです。
 包むという行為は、その贈り物の形や大きさにあわせて行う手仕事です。ていねいに贈り物を扱いながら紙を切り、折り目をつけてテープで留め、リボンをかける。おそらくは、開けたときの笑顔を想像しながら。タイトルのとおり、そこには想いが包まれていて。
 主人公がひとつひとつラッピングをほどくたび、ひとりひとりのスタッフの仕事への姿勢や手さばき、性格、おそらく横顔や交わした会話まで・・・が浮かんできます。仲間として切磋琢磨してきた間柄でしかわからない何かがそこにはありました。4年間で育まれた絆と、こころをこめて仲間を送り出す想い、それを受け取った主人公の想いがせつなくて、胸がいっぱいになりました。

 手紙は想いをしたためるものという前提で始めたこのコンテスト。想いを言葉に変換するのではなく、「ひと」の見えるていねいな手仕事で魅せたこの作品は、わたしの思い浮かべた「手紙」をはるかに超越した色あざやかで温かい「手紙」の物語でした。




 1位の「想いを包む」の得票数は25票、2位は「101歳になるおじいちゃんへ」で20票、3位は「おがぁーさん」で13票でした。


 読み手賞の発表は以上です。
 なお、賞金は1週間以内にnoteのサポート機能を使ってお贈りします。
ご参加いただき、ありがとうございました!

 2ヶ月に渡って続いてきた #あなたへの手紙コンテスト も、残すところあと1日。明日はいよいよ白雪賞・蒼月賞・橙花賞の発表です。
 どうぞお楽しみに!


ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!