案外むつかしいな、って思ったよ。
東の窓のサッシがリズミカルな音をたてて、目が覚めた。昨夜はひさしぶりの雷雨だったから、雨水がまだ残っているんだろう。きっとまだ5時半前だ。いつも雨上がりの朝にやってくる雀たちの足音や挨拶はにぎやかで、目覚ましアラームより前に目覚める残念さをやわらげてくれる。
いつから二度寝ができなくなったんだろう。学生時代は寝ても寝ても寝たりなくて、二度寝や三度寝では飽き足らず、たまに授業中にまで船を漕いでいたというのに、いまはもう一度目覚めたら眠れない。ベッドのなか、昨日の負け試合へのTwitterの反応を薄目でスクロールしたあと、パーカーを羽織って洗濯機をまわしに行った。
今日は11時30分出勤。感染症対策の緩和で、今月から遅番の勤務時間がコロナ前に戻り、1時間後ろ倒しになっている。月に2度の遅番は本当なら明後日の予定だったけれど、同僚が気を利かせて今日と交代してくれた。本当にありがたい。だって、明後日は阪神戦だし、今日は移動日で試合がない夜だから。
朝の家事をひとしきり終わって身支度を終えても、まだふだんの出勤時間より早い。
あ、夕飯作っておけばいいのか・・・と思った自分に、ちょっと笑った。以前なら当たり前のことだったのに、育児を終えた瞬間に忘れていた。朝の8時過ぎ、豚肉を解凍しながら冷蔵庫を覗きこんで、夕飯の献立を考える。考える余裕があるって、なんて幸せなことだろう。
今の職場に転職したのは、娘が中2、息子が高1のときだった。配属された部署は残業が当たり前だったから、時間のやりくりが命。目覚めた瞬間から動きだして、こども達が帰ってきてすぐに夕飯を食べられるように整えてから仕事に向かう日々。息子の帰宅は21時だけれど、娘の帰宅は18時。そこから食事を済ませて19時までに娘とお友達を塾へ車で送リ届けなければならない。こども達を塾へ放りこんだら職場へ戻って、残業を片付ける。延々と続くそんな毎日。
だから、冷蔵庫の中身を見ながら「今夜は何食べようかなぁ?」なんて、悠長に考える暇なんてなかった気がする。週末の間に5日分の献立はある程度頭のなかで作っておいて、早朝からすぐに動いて。
振り返ってみると、慌ただしかったし、止まったら死んでしまう回遊魚みたいに常に泳ぎまくってた。だから、いまがちょっと不思議な感じだけれど、これだけはわかる。
「あぁ、あの頃はよく頑張ってたな、わたし」って。
こたつラジオを生で聴きながらゆっくり調理をしているうちに、テーマを決めない雑談みたいなnoteを書くのもいいのかもって思った。いまは日々の暮らしにあまり動きがなくて、書きかけばかりが溜まっていくからね。
そういえば、先週の大人相談会でも、書きかけの本数の話をしたんだったっけ。
エッセイとか野球コラム風とか小説とか、形を決めて書きはじめるのではなくて、思い切って日記みたいなnoteを書いてみようと思った仕事前。
案外むつかしいな、って思ったよ。
それではね、行ってきます。
ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!