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Google Mapsで妄想旅行をしよう

先日、緊急事態宣言が解除され、人の移動が活発になってきている。この記事を見てくださっている皆様は、どのように生活が変化したであろうか(私はまったく変わっていないが)。なかには、さっそくプチ旅行をしている人も見受けられる。だが、まだ旅行するのはちょっと…と躊躇う人もいるだろう。

そこで、Google Mapsで妄想旅行をすることを提案する。私は大学が開講するまでの間、暇つぶしによく行っていた。というか、自粛しなくても1年以上前からやっていた。

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妄想旅行とその楽しさ

私の示す妄想旅行とは、地図を見て、自分の行きたい場所にどのような過程で到着するか考えたり、その目的の場所をインターネットの様々な方法を駆使して楽しむことだ。その楽しさは人それぞれにあると思うが、私の考える妄想旅行が楽しい要因を以下に列挙してみる。

1)多岐にわたる交通の選択肢から、反比例する予算と時間のどちらを優先すべきか葛藤する楽しさ

2)まるで目的の場所に行ったような気分に浸り自分の感性を刺激したり新たな知を得る楽しさ

3)妄想旅行を計画する途中で興味をそそられる場所や知らなかったルートを新たに発見したりする楽しさ

4)実際に行くまでの期待

妄想旅行をやってみよう

1つの場所のためだけに計画するのもよいが、ここでは観光地を周遊する日本的な旅行を計画してみよう。また、私は今のところ自動車運転免許を取得しておらず、以下では鉄道による移動が主となるが、もちろん、車を使った妄想旅行も良いものだろう。

まず、行きたいエリアや時間制限、予算を設定する。知っている観光地などから行きたい場所をリストアップし、鉄道網を基準に周遊できそうなルートを探してみる。時間制限、予算は個々で自由に設定しても構わないが、将来実際に行けるように、自分が可能な範囲で設定するのが無難だろう。例えば、私は学生なので、時間がたっぷりとあるが、貯金は少ない。そのため、1週間ほどの旅行も可能だが、5万円を超えるような予算は出しづらい。

Google Mapsでリストアップするには、行きたいスポットを押し、「保存」を押して、保存したいリストを選択する。そうすると、自分が行きたい場所がマップを縮小しても確認でき、ルートの選定がしやすくなる。

制限内で妄想旅行を成立させるためのコツ

次に、実際に計画を組み立てていくのだが、その前に、予算を設定内に収めるために、知っているとよいコツがあるので、お伝えしたい。

1)青春18きっぷ

これは知っている人も多いと思う。この切符は主にJR線の普通・快速など特急・急行料金のかからない列車(例えば普通列車のグリーン車やJR東海のホームライナーなどはグリーン券や指定席券を追加で購入すれば乗れる)に5日間フリーで乗車できる。また、近年JR線が第三セクターに移管されることが多くなり、孤立するJR線があるが、その救済として、特例で第三セクターを青春18きっぷで利用できることもある。ただし、指定の駅以外は降車できない。

実はよく勘違いされるのだが、若者限定という年齢制限は存在しない。つまり、10歳でも40歳でも70歳でも110歳でも、使用できるのだ。

使用開始するときは、有人改札で当日分の印を押してもらう。その後使用するときは、同じく有人改札できっぷを見せる。なお、5日間セットで販売されるが、5日間連続で乗る必要はない。また、移動を共にしなければならないが、複数人でも利用できる(例えば2人で使用する場合は、2日間分を使用する)。このきっぷを5日間使用する必要がない場合、金券ショップで幾日か使用済のものが売られていることがあるので、参考にしていただきたい。また注意点として、販売ないしは使用期間が春季・夏季・冬季で限定されていることをお伝えしておく。

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2)乗り継ぎ割引

新幹線から在来線特急列車に乗り継ぐ場合、またはその逆の場合、在来線の特急料金が半額になる制度がある。ただし、新幹線特急券と在来線特急券を同時購入しなければならない。また、適用外となる例がいくつかある。例えば、九州新幹線との乗り継ぎは適用されない。

3)その他おトクなきっぷ

地方のJR線では特有のきっぷが販売されていることがある。例えば、JR四国が販売する「若者限定四国フリーきっぷ」は、25歳以下限定であるが、1人9900円で、連続3日間JR四国全線の普通列車・特急列車や路線バスなどが乗り放題と、大変おトクなきっぷである。また、私鉄の多くでもおトクなきっぷが販売されているので、ぜひ調べてみてほしい。

妄想旅行のルートを構成する

それではルートを決定していこう。まず、事前に乗換案内のウェブサイトやアプリを用意しておく。持っている人は「JTB 時刻表」などの時刻表があると小回りが利く。

そして実際に時刻表で調べながらルートを決めていくのだが、このとき新たに行きたいスポットが見つかることもあるだろう。その場合は、どんどん追加していってみよう。

計画を作成していくときに、メモアプリやExcelなどを活用して記録に残しておくのもいいだろう。もちろん、頭の中に記憶するのも構わない。私は後者の方が多い。

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ルート作成にもコツがある。というか、知っておくべき一般的にいえることがある。例えば、茅ケ崎から高崎まで普通及び快速列車で移動するとき、上野東京ラインを使うルートと相模線や横浜線、八高線を使うルート、どちらがどれほどの時間的差が生まれるであろうか。距離的には後者のルートの方が25kmほど短いのだが、実は、前者は3時間ほどで、後者は4時間20分ほどかかる。このように、距離の長短と時間の速度は必ずしも一致しないことに留意してもらいたい。この理由は様々に挙げられるが、主に2つのグループにカテゴライズできる。

1)山岳地帯や河川の湾曲などの自然的要因

2)土地収用の難航や他社線への対抗、停車駅の数などの人的要因

また本数の少ない路線区間では、乗換列車の時間的食い違いなど、旅行当事者の調整しだいでどうにかなる要素もある。路線の特徴を踏まえて利用する時間帯なども考慮する必要がある。

鉄道だけでは経済的に難しい移動もある。例えば、長野⇒富山間の移動は新幹線を使うか、第三セクターを利用する必要があり、青春18きっぷは使えない。このような場合、バスなどの別の交通機関を検討してみる必要がある。それでも難しい場合は、迂回するか、本来行きたいわけではなくとも、例えば黒部立山を観光しながら富山に移動するなど、工夫を施すようにするとよい。

補足:観光地以外に

旅行でも日常でも、我々が生活するうえで欠かせない習慣があるだろう。

そう、食事だ。観光スポットの付近には、必ずといっていいほど食堂やレストランなどがある。そういった「その場所にしかない」グルメを食べてみよう。もちろん、その特異性は伝統的だからとか、お洒落だからとかでも何でもいい。

また、寝床が必要であろう。ホテル・旅館はどこにでもあるが、金銭的余裕のない旅行では、市街地に場所が限られている「快活クラブ」などのネットカフェに泊まることも考えてみよう。このように、まるで現実で行くかのように具体性を持つと、計画をより充実させることができる。

妄想旅行でスポットを巡る

さて、ルートも決まったところで、いよいよGoogle Mapsを使って観光してみよう。まずスポットを押し、写真を見てみよう。もっと臨場感を出すには、Google ストリートビューで立体的に見てみるとよい。

しかし、これだけでは情報が不十分だろう。そうしたら、スポットに貼付されているホームページなどのリンク先を覗いてみよう。そうすることで、画像だけでは分からない情報を手に入れることができる。また、スポットに対する理解も深まるだろう。

さて、本文はここまでであるが、最後に、私が作成した簡単な具体例を挙げようと思う。本当はもう1つ宿泊を伴った例を書きたかったが、疲労が勝ってしまった。

具体例:日帰り房総旅行

青春18きっぷを使うことを想定している。始点は池袋とする。

池袋⇒(山手線)⇒日暮里⇒(常磐線)⇒我孫子⇒(成田線)⇒成田⇒(徒歩)⇒成田山新勝寺⇒(徒歩)⇒成田⇒(成田線)⇒千葉⇒(内房線)⇒浜金谷⇒(ロープウェイ)⇒鋸山日本寺⇒(徒歩)⇒保田⇒(内房線)⇒那古船形⇒(徒歩)⇒大福寺⇒(徒歩)⇒那古船形⇒(内房線)⇒和田浦⇒(以降帰路に就くだけなので省略)

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解説

我孫子…鉄道ファンならほとんどの方が知っているであろう、唐揚げそばを喰らう。朝は少々きついかもしれないが。

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成田山新勝寺…初詣に参拝客が大変多い。歌舞伎役者の市川海老蔵らが毎年来る。

千葉…ここで昼飯用に万葉軒「トンかつ弁当」を買っておきたい。昭和の頃から愛されているという千葉ではお馴染みの駅弁だ。価格も500円とかなりリーズナブル。

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鋸山日本寺…大仏と数多くの仏像がある山の上にある寺。切り立った崖の上から展望できる「地獄のぞき」は有名。

大福寺…切り立った崖に彫刻された「崖観音」が有名。

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和田浦…首都圏からすぐに行ける数少ないクジラの漁港。付近にはクジラ料理店が複数存在する。珍しいクジラ料理を堪能できる。また、朝早くに行けばクジラの解体を見学することも可能。ただし、日によっては行わないので、外房捕鯨株式会社のウェブサイトを確認する必要がある。



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