M-1グランプリ2019概評≪番外編≫
ホームセンターでクリスマスツリーが50%オフになってました。今日がクリスマス本番だというのに。諸行無常ですね。メリークリスマス。
前回、前々回と2回に渡ってM-1グランプリ2019の全組感想を書かせていただきました。
今回あまりにレベルが高かったので敗者復活戦から書かせていただきました。全29本の漫才で、トータル12,000字ほどの大長編になりました。なかなかしんどかったけどお笑いの話たのしかったです。いいねくださったみなさんありがとうございます。みなさんに足向けて寝られません。立って寝てます。
書いてる最中は一旦停止・巻き戻しを繰り返して何回も観てました。監視カメラに映り込んだ犯人探してんのかってくらい繰り返しじっくり観てたので奥さんは呆れていました。
で、ですよ。
トータルで見れば先述のとおり今大会はレベルが高くて、審査員の松本さんも「史上最高レベル」とおっしゃってました。が。ひとつだけ苦言を呈したいことがあります。
敗者復活戦の結果が納得できない。
↑こちらがわたしが採点したもの。もちろん個人の好みもありますが、その中でもできるだけ公平に採点したつもりです。
↑で、こちらが実際の結果。
これを受けて、わたしは別に「なんで和牛なんだ!天竺鼠のほうがおもしろかったのに!!」と言いたいわけではないんです。わたしの採点では天竺鼠のほうが上だったけど、上位の方は正直だれが行ってもおかしくなかった。そこじゃないんです。
ロングコートダディ低すぎませんか。
これです。絶対おかしい。天ぷらと合コンする漫才ですよ?めちゃくちゃおもしろくないすか?これだけだと全然伝わらないと思うので、録画見返すかわたしの概評①読むかしてみてください。わたしは2位採点なのに!16組中15位って!
それともうひとつ。
四千頭身高すぎませんか。
これも納得できない。いや、四千頭身嫌いなわけではないんですよ。むしろほかのネタは好きです。でも申し訳ないですが、あのネタで3位はないわー!ない!先輩芸能人の名前並べただけだものー!わたし最下位採点なのに!
ほかにも「トム・ブラウンはもっと上のはず」とか「くらげめっさ健闘しとる」とかもありますが、大きいのは上記の2点。
まあこうなったのにはわかりやすい理由がありまして、この順位が視聴者投票によるものだったからなんですよね。敗者復活戦の全組の出番終了後に、視聴者が公式サイトのフォームからおもしろかったと思う上位3組を選んで投票するシステム。だれでも投票できて、いわゆる「視聴者参加型」の体をとれて、そのあとの大会決勝も盛り上がるシステムになってます。しかしこの視聴者投票のシステムには致命的な欠陥があります。それは「だれでも投票できる」という点。
一見公平かつ平等に見えるこの「国民投票システム」ですが、だれでも投票できるということは「ネタを観なくても」投票できるし、「お笑いライトユーザーでも」投票できるし、「特定の芸人のコアなファンも」投票できるということ。例えば「途中から観てよくわからないけどなんとなく有名だから投票した」という方もいたと思います。「好きなコンビを1位にするためにそのコンビと、(対抗馬にならないであろう)おもしろくなかった下位2組に投票した」という方もいたかもしれません。特に今回の敗者復活戦出場者は知名度格差エグすぎました。そう思って見ると実際の得票数ランキングが知名度ランキングにも見えてきます。くらげ以外。くらげすげえな。
総じて言えるのは、このやり方だと完全に公平な結果は出ないということ。出場者の知名度に差がある場合は特に。全員無名か全員ビッタリ知名度が同じくらい有名でない限り、この視聴者投票システムは厳しいんじゃないかと思います。もし当時このシステムを採用してたらサンドウィッチマンは本戦復活できていなかったかもしれません。
実際、ネット上でも「人気投票じゃねーか」という声が多いんだそうです。上沼さんが和牛に激昂したのもこのあたりに理由があるとかなんとかいう記事も散見しました。
とはいえ先述のとおり、和牛が一位になって本戦復活したことにケチをつけたいわけではありません。結果は結果ですし、和牛も実際おもしろかったです。ただやっぱり、M-1は芸人さんの人生がかかった大会です。まだ無名の芸人さんも一発逆転をかけて挑んでいます。テレビだから、スポンサーがあるから、コンテスト以前に番組としても成立させなきゃいけないから、というのはわかりますが!わかった上で!人気や知名度を度外視した、純粋な漫才のおもしろさで決められるシステムにしていただきたい!!そのためには視聴者投票みたいなオープンな審査でなく、以前のような審査員によるクローズドな審査でもアリだと思います。
もちろんおもしろさの評価なんてひとそれぞれですので、そもそもわたしの採点がおかしいだけでわたし以外は「めちゃくちゃ妥当なランキング!」と思ったかもしれません。(そのときはこの話はなかったことにしてください)
でもやっぱり。「えー」と思った方も多いと思いますので。どうかABCさん、ご検討いただければ幸いです。
これでスッキリしました。今年の汚れ、今年のうちに、でございますね!バイバーイ!