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上に政策あれば下に対策あり
「上に政策あれば下に対策あり」というのは中国の言葉だ(上有政策、下有対策)。
中央政府などが、いかに政策を施行しようとも、民衆(又は地方政府)は、それを潜脱する方法を考え付いて、政策を骨抜きにするものである。
強硬な政策を出す中央政府だから、民衆はしたたかにならないとやっていけないのだろう。
わたしの知り合いの中国人は「中国人を象徴するなら蛇だね」と言っていた。柔軟に体を動かして障害物を時に乗り越え、時に避け、なんとしても前に進む姿がぴったりらしい。また蛇は龍の原型とする説があり、龍を連想できるのもいいそうだ(中国の人は龍が大好き)。
ちなみに、その人に言わせると「日本人の象徴は犬」らしい。
ふるさと納税のポイント付与禁止が先日発表された。
ふるさと納税こそ、日本版の「上に政策あれば下に対策あり」だろう。
導入された当初は利用者が伸びなかったから、返礼品の大盤振る舞いは大目に見られていた。利用者が増えて返礼品競争が激しくなったら寄付額の3割以下というルールができ、続いて含まれる経費が拡大して、地場産品の基準が厳格化した。そして今年10月からのポイント付与の禁止だ。
当初は「国がどうぞ」というから試行錯誤で取り組んで、寄付金額を集められるようになった自治体は、やりすぎだと後出しルールで規制されるのは納得いかないだろう。国がやっていいと言ったのに。それに道を切り開いたのだから、先行者利益はあっていいと思う。
ただ、ルールを守ってやっている自治体が損をするのは「正直者が馬鹿を見る」わけだから、これもよくない。
わたしは楽天のふるさと納税を使っているから(もちろんポイント目当て)、個人としては継続してほしい。まぁでも全体を考えると禁止はしょうがないかなぁ……。でもなぁ……。
さて、わたしの94歳の祖母は一人暮らしをしている。
両親が近くに住んでいて、買い物や病院の付き添いなどのサポートはしているが一人で生活できている。
とはいえ足もとがおぼつかなくなって、歩くときには杖をついてゆっくり歩くし、眼も見えづらく耳も聞こえにくい。特に足が悪くなってきて日常生活でむずかしい部分もでてきたので、介護認定を受けようと申込みをした。
家族は普段の生活の様子を知っているから、認定されるだろうと予想していた。
でも認定の審査の日、おばあちゃんはがんばっちゃったのだ……。
いつもは立ち上がるのもゆっくりで、廊下の壁に手をかけて歩くのに、その日はスクッと立ち上がり、スタスタ歩いたのだという。
また認知症の検査も、直近で受けたことがあったからなにをするのかが分かっていて、明瞭に答えたらしい。
おばあちゃん曰く、「お国に迷惑はかけられない」と。
今は審査の結果待ちだけど……、認定されるかどうかは微妙なところらしい。
ポイント分損する云々と言っている自分。ちょっとバツが悪くなる。
いやでもふるさと納税はさぁ……(ぶつぶつ)。