みづいろのみづうみ
みづいろが、しとしとしとと降るように静かにたたえられた、みづうみ。
彼はその身のうちに、みづうみを懐いていたのだろう。
鳥が魚を掬うとき負いし裂傷。
映る月影掬われたときの喪失。
彼は、みづうみとともに傷んだ。
わが身のうちにも、みづうみはある。
空の青、海の青が、青によって懐き合うように、みづいろとみづうみ、みづうみとみづうみも、みづつづきで会えるだろう。
みづうみはいま、ひたひたとある。ときどきは凍りつき、ときどきは揺らぎ揺らめき、ときどきは光り凪ぎ、ときどきは深く沈みいる。
みづいろのみづうみ。
みずからのみづうみ。
みぬままのみづいろ。
みづいろのみづうみ。