まなざしとこころね
まなざしがこころねにふれたとき、まなざしもこころねも眼を見開きました。心が震えました。驚いたのです。相手が存在することに。そして、じぶんというものが在ることにも。
まなざしはこころねにふれて嬉しくて、こころねはまなざしにふれられて嬉しくて、歓びました。
互いの存在を歓び合ううち、どちらからふれているのかふれられているのか、わからなくなりました。
まなざしとこころねは、ひとつでした。まなざしもこころねも、光でした。光は響き合いました。
まなざしはこころねを愛おしく思いました。こころねはまなざしを尊いと思いました。
嬉しくて嬉しくて、喜びに満たされて、包まれてあたたかく安心でした。
光は光と重なって、より澄んで、より精妙に、遍く拡がるようでした。より光そのものとなるようでした。
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