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樹蔭

孤独な樹は
それゆえに
深く強く根を張る
拡げた梢に小鳥たちを乗せ
太い幹のうちに年輪を重ねる

樹が斃れるときまで
根の深さも
年輪の紋様も ひとは
知ることも
省みることもない

小鳥たちは代々
ことほぎの歌を歌い継ぐ
梢の抱いてきたもの
空の重みを
識るからこそ 軽やかに

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