詩『instant camera』
君から見える世界
僕から見える世界
どっちの方が綺麗とかそんなんじゃない
どっちの方が鮮やかとかで比べられない
それぐらい違って
それぐらい面白い
君から見えるあの人と
僕から見えるあの人も
どっちが大人とかは決められない
どっちが魅力的とかで測れない
君が想ってる未来
僕が想ってる未来
もしかしたら違うかもしれない
でも少しずつ話して擦り合わせればいい
君は君のレンズで目の前を見つめて
僕は僕のレンズで同じ景色を見つめて
それ以外にはなにもいらない
ややこしいことは何も考えない
馴染んだパンプスで今を歩こう
くたびれた革靴で君と歩こう
そんで野に咲く花をカメラで映そう
手で巻き取るチープなフィルムに
完全じゃない色を焼き付けよう
違う歩き方を見て笑いながら
違う世界を見て微笑みながら
[了]