詩『想いはまるで春のように』
人生にはどうにもならないことが
たまにやってくるってパパが言ってた
私にはたぶん、それが今来ている
あなたを目の前にして、今来ている
彼はそれをロマンチストのやることだって
半分笑いながら言ったの
だから表で笑っておいて、裏でそのツラを殴った
誰にもこの気持ちを笑われたくなかった
君だってあるでしょう?そんな気持ちになることが
綴り書きの宛名を読まれる恥ずかしさより
堰を切りそうな言葉を正直に吐露したい
自分の理性が首をもたげてくる前に
ギリギリで書ききってやるんだ
家の窓から川沿いの桜が見える
側の街灯に照らされてひらひらと舞う花弁
一度しか来ない春を駆け抜けていく花弁
部屋の窓からじっと眺めていた
いつかこの心の割れ目から
小さな 小さな 芽が出て
毒々しいほど鮮やかな花が咲くのでしょうか
それとも何も実らずに枯れゆくのでしょうか
たとえその願いが叶わなくても
あなたを想ったことは何も後悔しない
清々しい泣き顔でベッドで眠って
また荷造りを始めよう
ひび割れたアスファルトを埋めていくように
大丈夫 信じてるよ
明日になっても 信じてるよ
桜が散っても 信じてるよ
そう心に書き記してきょうはおやすみなさい
難しいことは 夢の中には持ち込まないでおこう
明日もきっと 落ち着かない一日だから
この想いが無駄じゃないって、信じてるの
おしまい。