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詩『ideal』

天気のいい日には部屋の窓を開ける
外と内を一緒にまぜこぜにして
窓辺に座って考え事をしよう
お湯が沸くまで考え事をしよう

この間新しい服を買ったんだ
君が気に入ってくれそうな可愛い柄のシャツをね
もうすぐ届くから見せてあげるよ
似合ってるってたくさん言ってほしいんだ


うれしいときはふたりがいい
どんなことでも君が褒めてくれるから
君がもっと僕を嬉しくさせてくれるから

たのしいときもふたりがいい
何でもない日々でも楽しくなるから
毎日を君と僕で特別な日に仕立てるから

かなしいときはひとりがいい
君に涙を見せたくないから
ちょっと遠くで見守ってくれたらいい
でも近くで頭を撫でてくれてるのもいい

しぬときもふたりがいい
老けた顔を優しく撫でてほしい
それから手を取って一緒にいつまでも眠りたい
でももっといいのはふたりでいつまでも生きること


大それたことを考えたって
僕はただの僕のままだから
世界がどんなに変わっていったって
変わらない時間と空気がここにあるから
画面も文字も遠ざけてみようよ
そして2人で見つめ合ってケラケラ笑おうよ

天気のいい日には部屋の窓を開ける
何にもしないで隣にいよう
君はまったりとカフェラテを呑んで
僕は熱々のブラックに砂糖を入れて



[了]



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