小説『コウベ・タータンチェック・メモリーズ』
「摩耶子~、明日暇?」金曜日、私は職場の同僚に声を掛けられた。「えー、なんで?」「いや、暇だったら梅田にご飯でも行かない?と思って。」「あー・・・」私はスマホの電源を入れると、さっさっと指で画面を撫でる。それとなく操作したように見せると、「ごめん、明日予定あるわ」と答えた。「男?」「ちょっと、そんなわけないでしょ~~~」「男ではないわ。でも、予定あるから!ごめん!じゃあね!」
それだけ言って、私は同僚に背を向ける。たまの休みぐらい、カーストも何も気にせず過ごしたい。だから、